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『目標を夢にしないで"確実に具現化"するために必要なこと』とは?~株式会社IzuI代表・中田潤一さん~


株式会社IzuI(イヅル)代表取締役の中田潤一さん。年間600人の相談を口コミのみで紹介するキャリア支援をされていて、お父様が元力士でリクルート時代にちゃんこ鍋接待でMVP受賞。Twitterでは「中田潤一@キャリアとチャンコ」というアカウント名でチャンコ帝国の帝王としても活躍(?)しておられる、ものすごく面白い方です!

7月末にインタビューをお願いしており、どんな内容にするか事前に電話打ち合わせをしましょう……とお話をしていたら「あれ? これってもうインタビューレベルの話じゃない?」という深い話を伺うことができたので、打ち合わせ内容を記事に(まさかの)してみたいと思います。

中田潤一さん(株式会社IzuI代表取締役)

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目標を夢にしないで"確実に具現化"するために必要なことは?


はるな 
この打ち合わせの前に、中田さんのツイートを読み直していたのですが『前に進む人と停滞する人の違い』が、ものすごく刺さりました。
※該当ツイート↓

目標が叶わぬ夢になってしまい、実現できない人はものすごく多いですよね。中田さんのように具現化していくためには、どのようなことが必要なのでしょうか?

中田さん 
最近「天才を殺す凡人」(著者:北野唯我さん)を読んだのですが、その話を例に出して……僕自身は「凡人なタイプ」なので、「凡人としての特徴しかない人の気持ち」が、ものすごく理解できるんですよね。だから凡人が目標を具現化するために必要なことについて話をします。凡人、秀才、天才と3種類に分けると……

・凡人は「箱の中にいる人」
・秀才は「箱をつくる人」
・天才は「箱から出て別なものをつくる人」


と例えるとわかりやすいかなと!

僕はまさに「凡人」なので、それを理解したうえで目標を具現化しようと意識しています。圧倒的多数の人は凡人タイプなので、マジョリティの気持ちが分かる。だから「共感力」が凡人の最大の武器になるわけですよね。

はるな
私から見ると中田さんはどう見ても「凡人」には見えませんが(笑)。

中田さん
はるなさん……それは誤解です! 僕は凡人なので「圧倒的努力」しないと秀才や天才と同じ土俵に立てないタイプです。ものすごい中二病なので「自分は天才なんじゃないか」「特別な人なのではないか」とずっと思い込んで生きてきて、例のごとく、絶対に勝てない秀才・天才がいて「自分は凡人だ」ということを目の当たりにさせられたわけです。

はるな
中二病ですか(笑)。中田さんが凡人だとしたら、まさに“目標を具現化できる凡人”ですよね! 上手く具現化できない人が、目標を夢で終わらせないために「キャリア支援」をしているのでしょうか?

中田さん
おっと! それは、良い質問ですね(笑)。僕はできない人の気持ちに共感できるので「頑張っている人が報われる世界」を作りたいんです。

凡人タイプで、がむしゃらに頑張っているのに、上手くいかない、お金にならない、目標が夢で終わってしまう……というケースは非常に多いですよね。そういう人たちが、どういうスキルを得て、どんなキャリアを作っていけば救われるのか、真剣に相手と向き合って一緒に考えて結果を出します。

はるな
具体的にどんな風に向き合っていくのですか?

中田さん
通常、転職エージェントの面談って1回だけのところが多いのですが、うちは平均10回以上やります。

はるな
10回ですか?! 聞いたことないレベルですね、それは!

中田さん
とにかく相手のことをよく理解しないとキャリア支援はできません。
どんなスキルを伸ばすべきなのか、どんな職種が向いているのか、学生時代だけではなく、幼少期の話まで深く知る必要があります。
ただ転職をさせて成果フィーをもらうだけでは、キャリア支援とはいえません。僕的にはそれだけでは、意味がないです。

それと弊社は「転職した後が勝負」だと思っているので、内定が決まったあともずっと寄り添います。リアルな話ですが、ワクワクだけで転職しても「想像と違いました」になるケースが多いです。

はるな
それはありますよね! 綺麗な言葉だけ並べられて、夢が膨らみすぎて、実際に入社したら全然違った……という話はよく耳にします。

中田さん
あるあるですよね。転職者の方が目標を実現するために、現実と理想が乖離しないようにしたい。だから就職が決まったあとは、本人のために「これから地獄が始まりますよ」くらいは余裕で伝えます(笑)。

リスクを明確にすることで、それは“意味のある苦労”に変わると思うのです。ただ何となく「辛いな」と仕事するよりも「これは目標を具現化するための必要リスクだ」と意味付けできれば「中田さんが言っていたほど、しんどくなかったです!」みたいになる。そうやって“必要なリスクから逃げずに具現化していく”のが、確実だと思っています。

はるな
私も「凡人」なのですが、どうしたら目標を実現できると思いますか?

中田さん
僕自身もそうですが、凡人タイプの場合はとにかく「たくさん積み重ねる」ことだと思いますね。数を積むって地味な作業に見えて、もっとも確実なスキルになる。

凡人タイプは秀才の再現性や天才の創造性のように「0→1」で生み出すことが得意ではないです。だから既存のものを積み重ねてスキルに変えていく。

秀才はとにかく頭が良くて物事の再現化やKPI(最終目標に必要な中間目的)をつくりだすことが得意です。天才はそういう枠にもとらわれずに「数値化しなくても、彼らには見えている世界」「他の人には応用が利かないやり方」で結果を出していきます。

はるな
中田さん自身も数を積んできて、今の状態を作り上げたわけですね!

中田さん
僕自身は凡人なので0→1で、パッといい案が浮かびません。だから「圧倒的に考える時間」を作っています。

自分がそのタイプだからわかるのですが、凡人は3日坊主で終わる人が多いです(笑)。だから、とにかく数を積むだけで差がついて“秀才寄りの凡人”に近づけます。この点、本(天才を殺す凡人)では最強の実行者と表現していると思います。

例えば、はるなさんみたいにライターを目指したいなら、圧倒的に記事を書いて、圧倒的に文章に触れることでスキルとして吸収していくことが、目標の具現化に必要ですよね?

はるな
おっしゃる通りです。私はライターを目指した当初は、とにかくいただく仕事はほぼ全て受けて、月100本以上とか書いて書いて書きまくって……できる限り本数をこなしていました。それを続けていたら「型」が分かってきて、そこに応用を利かせられるようになってきた感じです。

中田さん
それは必要な投資ですよね! 目標を具現化できる人は「スキル」をものにするために、圧倒的な数を積んでいます。
それがツラくなって途中でやめてしまう人も多いのが、現実なので……転職やキャリア支援は「自分を理解する」ことが欠かせないと思っています。

例えば「私はクリエイティブなことができるはずだ!」とワクワクして、ベンチャー企業に転職しても「実は向いていなかった」とやめてしまう人もいますので、「小学校時代、どういうタイプだったのか?」など自分と向き合って“自己分析”する必要があります。
そうしないと「理想の自分」と現実が違うことに苦しむので、まずは自分という人間をよく知ることが大切です。

はるな
自己理解からスタートするキャリア支援は、希少ですよね。一般的には「今までどんな仕事をしてきたの? じゃあこんな仕事どう?」と紹介される流れだと……。

中田さん
転職後、その人がもっとも適した場所で活躍して欲しいので「理想と現実」に向き合ってもらわないと、本当の意味でキャリア支援にならないです。
極端な話、バンバン紹介して転職させることもできますが、弊社は「本当にその人に必要な転職」しか紹介しません。
話を聞いて自己理解をして「その目標を達成するなら、副業でもいいのでは?」「今の会社のまま、こういうキャリアを積んでいく方がいい」という提案も当然します。結果、転職させないこともあります。あくまでも、頑張る人が報われる世界をつくることを大切にしたいです。

はるな
それは本当の意味で「信頼」につながりますね。だから転職後も長いお付き合いがあるのですね!

中田さん
信頼が築けずにキャリア支援はできないと思うので、とことん付き合います!

はるな
凡人代表として気になることが(笑)。目標を達成するために必要だと分かっていても「行動できない人」はどうしたらいいですか? 

中田さん
いわゆる「やるやる詐欺」ですね(笑)。僕自身も考える量が圧倒的に多いので、どうやってそれを行動にうつしているかというと「重たい決断」に置き換えます。

分かりやすく例えると、ダイエットですね。ダイエットって「10キロ痩せます」と言っても続かないケースが大半なのは、軽い決断だからです。
そもそも「決断するフリをして決断していない状態」だってことに気づいていないのです。そうなると、行動しても3日坊主になったり挫折したりして、結果が出せない。

はるな
思い当たることがありすぎて、笑うしかないです(笑)

中田さん
僕の場合は「生か死か」くらいの重たいレベルの決断に置き換えるようにしています。それだけで、必ず目標を具現化できるようになります。

「今月中に5キロ痩せないと、あなたのお母さんが危険な目に遭います」と言われたら何が何でも痩せようとするじゃないですか? 

必死になって結果にコミットするしかない状況を作って、自分を追い込むことも大切です。必要な決断を「重たくする」ことは、目標を具現化するために必要な手段のひとつですよね。

「今月中に〇〇出来なかったら、丸坊主にします!」みたいな宣言を周りにして追い込むとか。重たい決断にしたら、やるしかなくなるわけです。

はるな
そう考えると、続かないのは「決断するフリをしているだけで、本気で決断できていないから」ということですよね。逃げ道を作っていた……反省です(笑)。

中田さん
何かを「やる!」と決めたときは、メリットだけを求めがちですが、実はリスクがつきものですよね。

何を得て、何を失うのか、まで考えておけば「中途半端で辞める理由」にならないです。例えば、副業は「得られるものしかない」というイメージでスタートすると、挫折しやすいです。

そこには「時間のリスク」があって、圧倒的に時間が失われるということを事前に理解していれば“目標の具現化に必要な苦労”になるので結果を出すまで、続けられますよね。

はるな
リスクを考えずに「やってみよう!」と考えていたから、壁にぶつかったときに挫折しやすい。おっしゃる通りです。

中田さん
リスクを事前に理解することで「副業始めたけど、時間がなくなって無理だ~」という言い訳ができない自分をつくる。
何を得て、何を失うのかを知ったうえで「やる・やらない」の選択をすると目標意識が明確になりますよね。

はるな
なぜ、今まで「目標が具現化できなかったのか?」を知ることができました。ゆるい決断を「重たい決断」に置き換える、メリットだけではなくリスクも明確にして「必要な苦労」に変えて乗り越える。これだけでも挫折率が低くなると思いました。勉強になります!

中田さん
僕自身が凡人で「できない人」だったからこそ厳しいことを伝えますが、現実と向き合って「目標をいつまでにやる・達成するために何が必要・必要なものを得るために何をするのか」を積み重ねていけるかどうかが「停滞する人と進む人」の違いですよね。

はるな
今日はインタビューではなく、打ち合わせのはずでしたが……これは記事にしないともったいないレベルの内容ですね(笑)。貴重なお話をありがとうございました! 停滞しないように頑張ります!

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