うにがしらのこの選手に注目ー2023 J2大卒ルーキー編ー

皆さん,こんにちは。
前回の記事で「明日から・・・」といいつつ,開幕前日の執筆となってしまいました。

今回は2023シーズンのJ2で活躍が期待される大卒新人を紹介したいと思います。

昨年,一昨年と,うにがしらはファジアーノの大卒ルーキーを紹介する記事を書いてきましたが,2022のシーズンが始まる前から,2022→2023の段階で,このテーマは継続して書きたいなと思っていました。
この記事を書くにあたり,試合の動画でルーキーたちのプレーを確認するのですが,一気に試合を確認するのは,中々しんどいものがありました。
一方で,下記の記事に書いた通り,ファジアーノのU-18の出身者が,関東・関西の大学1部リーグで活躍をし始めていたこともあり,2022シーズンは,継続して大学サッカーも見ていくのに,ちょうどよいタイミングにもなりました。

試合を見ていると,その中で自然と目に入ってくる選手,気になる選手は出てくるもの。今回は,その中でもJ2に活躍の場を移した選手を紹介したいと思います。

2022‐23でファジアーノは大卒・高卒ともに新人の獲得はありませんでしたが,結果的に2023の強力なライバルが確認できたということで。
さて,ファジアーノに立ちはだかるのは,どんな選手達でしょうか。

以下,実際に選手を見ていく前に,今回の選定ポイントです。

・あくまでも,「うにがしらが見て気になった・ファジアーノに来てほしい」と思った,が基準です。
・結果,ピックアップする基準も,所属するチームも偏っています。

さすがに大卒ルーキー全員は把握できません。
が,一方で今回紹介するのは,それなりの人数にもおり,軽く紹介していきたいと思います。
全部を読むのがしんどい方は,この下に付ける目次から気になる選手だけでもピックアップして,ご確認いただけると嬉しいです。

それでは,行ってみましょう!

01.オナイウ 情滋(新潟医療福祉大学→ベガルタ仙台)

身長:168㎝/体重:67kg 右利き
右SHを主戦場とする,2022の全日本大学選抜メンバー。
個人で突破できるドリブルが武器で,総理大臣杯やインカレでは新潟医療福祉大学の右の矢として存在感を発揮。
力を発揮するのに,そこまで時間を要するタイプではないので流れを変える選手として見る機会は多いのではないでしょうか。
2022のJ2で特別指定選手としてデビュー済みで,ファジとの試合にも出場。この時はそこまで力を発揮できていませんでしたが,スペースを与えてしまうと脅威になるでしょう。

02.河村 匠(大阪体育大学→いわきFC)

身長:177㎝/体重:68kg 左利き
2021-22のデンチャレ関西選抜キャプテン。
大学時代は,右SHと左SBで出場。
「左利きのSBって,ファジの補強ポイントだよな」と思いながら試合を見ている時に,目に留まった選手です。
尚志高校出身のテクニシャンで,左SBで出場している時のライン際のドリブルは魅力的。上背もそれなりにあるので,いわきFCでフィジカルが上手く伸びれば,様々なチームから注目される選手になりそうです。
一方で,課題は得点とアシスト。早い段階で,得点に絡めると大化けしていくのではないでしょうか。

03.速水 修平(常葉大学→いわきFC)

身長:182㎝/体重:78kg 右利き
CBが基本ポジションで,2022の全日本大学選抜メンバー。U-23日本代表にも選出された選手です。
磐田U-18出身なので,補強禁止が無ければジュビロも獲得に動いたのではないでしょうか。
うにがしらは,「総合力が高いCBもファジの補強ポイントよね」と思って動向を追っていました。
そこまで動画でプレーを確認できていないのが正直なところですが,フィジカルの強さと総合力の高さを感じる選手です。

04.近藤 慶一(名古屋学院大学→いわきFC:24加入内定)

身長:182㎝/体重:78kg 右利き
2021-22のデンチャレ東海選抜メンバーのCF。
デンチャレは,この大会からプレーオフが開催されるようになりましたが,そのプレーオフも合わせて6試合で6得点。一気に注目株になりました。
2023年にどこかのチームが声をかけるかな?と思っていたら,いわきが先んじて,特別指定を出したのでした。
動画を見ていて,明確な特徴を感じることはなかったのですが,デンチャレの結果が勝負強さを物語っています。
なお,2022の東海大学1部リーグで11得点でランキング4位。
ポテンシャルは間違いないでしょう。

いわきFCは,2023の大卒ルーキーを6名獲得(特別指定2名を含む)。今シーズンはJ2の各チームとも,どちらかというとルーキーの採用を控えているように感じる傾向なので,その中では,この後紹介する東京ヴェルディと合わせて,この動きは目立ちますね。
特別指定選手としては,ファジのエリートリーグに出場した環太平洋大学の辻岡佑真選手もいるので,ファジサポとしては,こちらも気になります。

05.寺沼 星文(桐蔭横浜大学→水戸ホーリーホック)

身長:188㎝/体重:88kg 右利き
ちゃんと試合を見たのは,先日のいばらきサッカーフェスティバルですが,やはり大きな身体は武器。
個人で突破するタイプではないですが,足下も悪くなく,スピードがあるので守備やボールキープで効いていました。身体の大きさをどう活かすかという点と,得点に絡むことが課題となるのでしょうが,今シーズンのJ2は前線とCBに190㎝前後の選手を揃えているチームが多いので,出番には事欠かないと思われます。

06.鈴木 俊也(早稲田大学→大宮アルディージャ)

身長:178㎝/体重:73kg 左利き
左SBが基本ポジション。
後述の監物選手を確認するために見た試合で,すぐに目に入ってきた選手でした。「ファジアーノに来てほしい!」と思って,ゲキサカを開くと・・・特別指定選手として,すでに大宮に内定しておりがっかり。
どんなところに惹かれたかというと,左SBと言いつつ中央でのプレーが多い点です。
中盤のボール奪取からの攻撃のスイッチになっており,中盤の組み立てにも参加。その様は,サイドバックというより,ボランチのような攻守の要となっているところにすごく惹かれました。その上で,サイドバックとしての上下動も十分。
チーム戦術と合わせて,大宮でどのような役割を担うのか。
ポジションを獲得すると,手強い相手になりそうですし,その幅広いプレースタイルから意外なポジションでの活躍もありそうです。

07.小森 飛絢(新潟医療福祉大学→ジェフユナイテッド千葉)

身長:178㎝/体重:73kg 右利き
2022の全日本大学選抜メンバーのCF。
先日のちばぎんカップでは,先発で出場し,先制点も上げました。
裏抜け,ポストプレー,ドリブルと高いレベルでこなします。
ちばぎんカップであらためて確認したところでは,相手DFの間にポジジョンを取るのが上手く,狭い場所でもボールを怖がらずに触るので,前線のポイントとして機能できるプレーヤーだと思います。
柏のミスがらみとはいえ,ゴールががら空きと見るや左足(利き足と逆)で迷わずけりこんだ先制点は,ストライカーとしての判断力や思い切りに優れていることを感じさせるものでした。
走れる選手でもあり,千葉のプレッシングを成り立たせるキーにもなりそう。呉屋選手との2TOPは,その決定力の高さも相まって,対戦相手のDFラインにミスができないというプレッシャーを与えるでしょう。

08.綱島 悠斗(国士館大学→東京ヴェルディ)

身長:188㎝/体重:80kg 右利き
夢満載の大型ボランチ。
初めて見たのは,2022の総理大臣杯でしたが,その身体の大きさから中盤ででの存在感が圧倒的です。
ヴェルディユースの出身であり,足下の技術が確か。その上でCB経験がベースとなっている奪取力で中盤を制することが期待されます。
スルーパスや大きな展開の組み立ては,これからかもしれませんが,スキルが高い選手が揃った東京ヴェルディの中で,中盤をフィジカルで制することができる個性は不可欠になりそうです。
個人的には,カイオ セザール選手とのマッチアップがとても楽しみ。
東京×長崎戦は必ず観ようと思ってます。

09.山田 剛綺(関西学院大学→東京ヴェルディ)

身長:170㎝/体重:65kg 右利き
2022の関西大学1部サッカーリーグMVPのCF。2022シーズンは,20試合に出場し15得点3アシストでした。とても高い決定力を持っています。
CFとしては小柄ですが,個人的には,得点だけなら佐藤凌我選手の穴を埋めても不思議ではないと思っています。
その魅力は,シュートの多彩さ。
左右の足,ヘディング,ワンタッチ,ミドルシュートととにかくパターンを選ばない印象です。
関西学院大学の同学年には,全日本大学選抜のエースストライカーの木村勇大選手(京都サンガ)がおり,2022シーズンの前期は,木村選手が絶対的な存在として君臨していました。しかし少ない時間で結果を残しつつ,後期には木村選手から先発を奪取し,リーグを走り切っています。この点は,個人的にはもっと評価されていいと思っています。
残念ながら怪我からのスタートとなっているようですが,その勝負強さから,東京ヴェルディにとっては中盤戦以降のキープレーヤーになりそうです。

10.飯田 雅浩(国士館大学→東京ヴェルディ)

身長:184㎝/体重:85kg 右利き
2022の全日本大学選抜GK。背番号1。
2022の総理大臣杯で,国士館大学が優勝できたのは,飯田選手のキャプテンシーとセーブ力があってこそ。キックの繋ぎや組み立てといった部分は,今後の伸びしろかもしれませんが,ゴールに立つと安心感をチームに安心感を与えられる存在だと思います。大学No.1GKは伊達じゃない。

東京ヴェルディも,大卒ルーキーを5名獲得。こちらの強化方針も独特の路線になってきた感があります。
この中には,身長187㎝の佐川洸介選手(東京国際大学→東京ヴェルディ)がおり,この人も注目株でしょう。
寺沼選手の紹介時に書きましたが,今シーズンのJ2には,だいたいどのチームにも190cm前後の選手が複数名在籍しています。
昨シーズンは,ファジアーノがセットプレーで強みを発揮しましたが,今シーズンは多くのチームが,その対策を考えた編成をしてきているように見えます。どのチームもセットプレーには苦労しそうです。

11.監物 拓歩(早稲田大学→清水エスパルス)

身長:188㎝/体重:83kg 左利き
清水ユース出身の専門職のCB。大学入学まではアンダー世代の日本代表の常連でした。
うにがしらが,2022シーズン当初,なるべく追っていきたいと思っていた選手の一人でした。夏に清水エスパルスに内定が決まってしょんぼり。なぜ,この人を追おうと思ったのかというと,2022にファジアーノに入団した杉山耕二選手と,2021シーズンに早稲田大学でCBのコンビを組んでいた選手だったからです。
長身にも関わらず,左足のタッチが柔らかい。
2021の早稲田大学では,CBからのフィードは監物選手が主に担当しており,質の高いキックを蹴ることができる選手です。
スピードが課題になるでしょうが,清水のDFラインから立田選手が抜けたので,思いのほか早い段階で出番がくると思います。


12.野寄 和哉(大阪体育大学→レノファ山口)

身長:163㎝/体重:59kg 右利き
2022の大阪体育大学の背番号10。MFです。
前目から中盤の底まで自在に動いて,ボールを運んでいくことができるテクニシャン。
2022の関西大学1部で19試合出場,7得点10アシストという記録を残しています。
狭いところでボールを持てて,自分で得点を狙うことも,ラストパスを出すこともできることは結果から見ても明らか。
スタイルにフィットする選手として,山口としては的確な補強になると思います。

終わりに

さて,今回の選手紹介は,いかがだったでしょうか。

あらためて書いてみると,ファジに来て欲しかったなとも,対戦時にはやはり強敵になっていく選手たちだなとも思います。
今回は,J2に所属が確定した選手限定で紹介しましたが,注目してきた選手にはもちろんJ1,J3所属となった選手もおり,色々な選手に注目しても,思った選手はそうそう来ないという厳しさを実感しました。

一方で,記事を書き終えて,別の厳しさも感じています。
うにがしらには,この1年間,特に追ってきた選手がいたのですが,その選手は,2023年2月17日時点でプロになった情報が確認できません。
高校時からそれなりに注目をされており,早い段階でリーグ戦のメンバーにも抜擢され,今シーズンもチームの中心として活躍していた選手です。
また同じ観点から,ファジアーノU-18出身でびわこ成蹊スポーツ大学に所属した佐々木啓太選手にも少し触れておきます。
佐々木選手は,2022シーズンにキャプテンに就任。300名の部員をまとめ上げ,チーム内で最多試合,最多出場時間を達成。チームをリーグ戦を3位に導き,総理大臣杯とインカレにも出場。チームの中心であり続けました。
こう書くと,ファジサポ歴が長い人は,「ファジアーノが好きそうな選手だ」と思われると思うのですが・・・本日流れてきた進路は,ドイツの5部リーグでした。(ここからのステップアップストーリーを観たいですね。)

ここに上げた2人が,そもそもJリーグを進路として希望していなかった可能性はあります。

しかし一方で,今回挙げてきた選手達と比較すると,突出した強みが無かったのもまた事実かもしれないとも思うのです。
大学の名門の中心選手として活躍するだけではなく,それ以上に突出したものが無いとスカウトの目に留まらないのではないか。ここからは,努力や間違いのないステップだけでは足りないかもしれないという,プロの厳しい現実を感じざるを得ません。

実際に対戦するとフルボッコにされて,ぶっちゃけ腹が立つことも起きるでしょうが,それもでその厳しい環境にチャレンジしている選手には,やはりリスペクトを送りたいとあらためて思ったのでした。

さて,次回の記事ですが,このシリーズを続けて,「J3→J2ステップアップ選手編」で書きたいと思います。
大卒ルーキー編より人数は少なくなりますが,引き続き,J2界の中の注目株であり強敵を確認していきましょう。
来週更新予定。

それでは,また!

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