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ファットアダプト 長友佑都

ファットアダプト食事法 長友佑都

サッカー日本代表の長友佑都選手。長友選手のイメージはまさにフィジカルですが、ある時フィジカルトレーニングでの限界に気付き、食事の改善に取り組み出したそうです。

そんな食事方法がファットアダプト。ファットアダプトとは、脂質(ファット)をエネルギー源として、上手に使えるファット・アダプテーション(脂質適応状態)になるための食事方法です。簡単に言うと、糖質の摂取をコントロールして血糖値の乱高下を抑えて、たんぱく質と良質な脂質を積極的に摂取しようということです。
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●ファットアダプトで筋肉の質が変わる
ファットアダプトのメリットはたくさんあります。例えば、筋肉の質が変わります。筋肉は、筋線維という細長い細胞が無数に束になっていて、この細胞一つひとつを細胞膜を包んでいます。細胞膜の働きは、細胞膜内にエネルギーを取り込んだり、細胞膜内外の情報伝達に一役買っています。体はたんぱく質からできていますが、細胞膜はたんぱく質と脂質からできています。つまり、たんぱく質だけではなく、良質な脂質も大切になってきます。

●ファットアダプトで肌が綺麗になる
その他にも、肌が綺麗になったり、ダイエットに効果があったり、酸化しにくくなったりします。やはり体は食べたものからできているんですね。

ファットアダプトの肌へのメリットは、AGEsという悪玉物質が生じなくなることです。AGEsは、たんぱく質の糖化反応によって作られます。糖質の多い食事で血糖値が高くなるとAGEsが増え、肌を作るコラーゲンなどを劣化させてしまします。シワやシミに繋がるので、近年は美容業界でも注目されているようです。活性酸素の話も書かれているので、とても勉強になりました。

●ファットアダプトでのルール
ルール①:糖質の摂取量をコントロールする
→糖質を摂取することで血糖値が上昇するが、急上昇には急降下が伴うので、食後の血糖値が70〜140mg/dlの範囲になるように糖質の摂取量を調節する。なるべく低GI値(血糖値の上昇が緩やかな)な商品を食べるようにしましょう。
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ルール②:良質な油脂を選ぶ
→油脂の性質を決めるのは脂肪酸。脂肪酸には、飽和脂肪酸、オメガ9脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸に分類されます。
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この中で積極的に摂りたいのが、オメガ9脂肪酸が豊富なオリーブオイル、オメガ3脂肪酸が豊富な青魚、えごま油、アマニ油だそうです。特にオリーブオイルは、過熱も加工もせず、酸化度が少ないエキストラバージンタイプがおすすめです。
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オメガ3脂肪酸は、体内で炎症作用を抑える働きや血液をサラサラにする効果があります。体内で慢性的に炎症が起こっていると、アレルギー疾患に罹りやすいとされていますし、血液がドロドロになると脳梗塞や心筋梗塞に罹る可能性が高くなるので、オメガ3脂肪酸は意識して摂るといいと思います。オメガ3脂肪酸は酸化しやすいので、新鮮な青魚をカルパッチョにしたり、鯖缶を食べたりなど加熱しなくてもよい方法で食べたいところです。
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ちなみに、悪い油脂を摂らない意識も必要です。悪い油脂とは、酸化した油脂と人工的な油脂のことで、例えば揚げてから時間が経った唐揚げやフライドポテトは酸化が進んでいます。あとはトランス脂肪酸。食品の成分表示にマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングと書かれていたら注意が必要。海外ではトランス脂肪酸の表示義務や使用規制があるそうですが、日本では行われていません。
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ルール③:たんぱく質を十二分に確保する
たんぱく質を英語で「プロテイン」と呼び、ギリシャ語で「第一に大切なもの」を意味します。カラダのほとんどがたんぱく質の固まりです。カラダの60%は水分ですが(だから栄養以上に水も大事)、残り40%のうち半分の20%はたんぱく質で構成されています。
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アスリートだけではなく、運動と無縁の生活を送っている人も食事からのたんぱく質が絶対に欠かせません。理由は簡単で、たんぱく質は体内で完全に合成できないためです。
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たんぱく質は20種類のアミノ酸からなり、そのうち9種類は体内で合成できない必須アミノ酸です。たんぱく質は、この必須アミノ酸が1種類でも欠けてしまうと十分に合成されなくなります。その影響をもろに受けるのが筋肉です。しかも、たんぱく質は貯蔵できない上に、筋肉は1秒も休まずに分解と合成を繰り返していて、筋肉のたんぱく質がアミノ酸に分解されたあと、再びアミノ酸からたんぱく質が合成されます。なので、およそ2ヶ月で筋肉の中身はすっかり入れ替わるそうです。
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このアミノ酸のリサイクル率は100%ではなく、一部が肝臓などで代謝されてしまうため、食事からひっきりなしにたんぱく質を補う必要があります。
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運動していない人やダイエット中の人にとってもたんぱく質は重要で、たんぱく質が不足すると筋肉量が減り太りやすくなります。筋肉は体温を保つために熱を作る働きがあり、じっとしているだけでも代謝(基礎代謝量と呼ぶ)しています。1日に使うエネルギーの60%を基礎代謝量が占めていて、そのうち20%は筋肉が担っています。
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つまり、消費カロリーが摂取カロリーを下回ると余分なカロリーで太りやすくなるのです。もちろん運動も影響していますが、代謝の影響がとても大きいことがわかると思います。
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また、脂質やたんぱく質を削ってカロリーを減らそうとすると、筋肉や骨が減り貧血になりやすくなるそうです。なので、糖質はコントロールしつつ、良質な油脂とたんぱく質は積極的に摂取していくことがよさそうです。
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ちなみに、糖質制限ダイエットは長続きしないというデータが出てるのでおすすめしないとのこと。
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●野菜をたくさん食べる
厚生労働省は、1日に350g以上の野菜を食べることを勧めています。しかし、日本の成人は1日300gも食べていないそうです。
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なぜ野菜が重要なのかというと、脂質やたんぱく質を上手に使うためにはビタミンやミネラルが必要だからです。果物でも摂取できるのですが、果物は糖質も多いので、糖質の少ない野菜がベスト。そして、野菜からは有害な活性酸素に対抗する抗酸化作用をもっている植物が作るフィトケミカルが含まれているので積極的に食べたいとのことです。
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まとめると、糖質を適切な量に抑え、良質なアブラを摂り、たんぱく質や野菜をたくさん食べましょうということです。具体的な食事方法については、実際に読んでいただけると良いと思います。とてもわかりやすいです。

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