『資本論』 第3回 貨幣の諸機能など

第1部資本の生産過程 第1篇商品と貨幣 第3章貨幣又は商品流通
1.貨幣の諸機能
◯価値尺度としての貨幣
  商品にその価値表現の材料を提供すること、つまり同じ大きさ、すなわち質的に同じで量的に比較可能な大きさとして表すこが
 でき、金は諸価値の一般的尺度として機能する
  貨幣が商品の価値を尺度できるのは、すべての商品が価値として対象化された人間労働(抽象的人間労働)であり同じ質を持つからである。
      貨幣の価値=商品の価値
 商品の価値は労働時間によって内的に規定(内在的価値尺度)されるとしても、その尺度は貨幣によって外的に規定(外在的価値規定)されるにほかならない。
外的に規定(外在的価値規定)商品が商品価格として表される
c.f 貨幣による商品の購買により商品の価値が商品の価格としてて社会的に確認される。(商品が買われるのは、命がけの飛躍)
           商品が売れるのは
◯貨幣の度量標準
 1kgの鉄 = 750mgの金 
     → 抽象的人間労働の比較(変化する)
 1円 = 750mgの金  → 法律で規制する
  価格を計る単位(度量単位)円を金の量で固定すると1kgの鉄
  の価値が固定されると間違えられる。

  1kgの鉄が1円という価格が価値であると
  しかし商品の価値と価格は一致しないことが多い
  これをどう捉えるかは、議論があるところですから置いておきます。  
  (商品の価値は前提、必ず交換には反映する)
◯流通手段としての貨幣
 商品をW(Ware)、貨幣をG(Geld)で表す。
W ー G ーW   商品が形態転換する→二つの過程の統一
W ー G 販売者が商品を所有 販売者 商品→貨幣
               (命がけの飛躍)
G ーW 購買者が貨幣を所有 購買者 貨幣→商品

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◯貨幣の分量は流通状態にある諸商品の価格総額で決まる
◯流通手段として機能する貨幣の量
  諸商品の価格総額 ÷ 同名の貨幣片の流通回数

2.貨幣としての貨幣
本来の貨幣(の機能)から区別して把握するもの

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・蓄蔵貨幣が発生する場合
  鋳貨(補助貨幣)を金貨幣として流通から引き上げる場合
  商品生産や商品流通の拡大による黄金欲と致富欲のため、
  流通貨幣必要量の自己調節を可能にするための貯水池

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 c.f マルクスは世界貨幣も検討
   世界貨幣は貴金属の地金形態として、抽象的人間労働の
  現実的貨幣商品として機能

◯参考にした書物
常磐・井村・北原・飯田『経済原論』(有斐閣ブックス)
佐々木隆治『マルクス資本論』(角川選書)
『資本論を学ぶ』(有斐閣選書)
                                                                  以上

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