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デザインの未来:CG主導の時代におけるデザイナーたちの課題と可能性

先日行われた建材プロダクトデザインコンペの審査を通じ、約400点の応募作品から20点を選び出す中で、デザイナーたちの作品には多様性がありました。しかし、CGによる仕上げがほとんどで、手描きのスケッチや本来のコンセプトが欠如している傾向が見受けられました。これにより、作品が一時的な満足感に終わっている印象を受けました。


提案されたアイデアの多くが家具や雑貨、照明器具など、誰でもアプローチしやすい部位に集中しており、生活様式を変えるような斬新なアイデアは見当たりませんでした。デザイナーたちは自らの作品性を追求する一方で、生活者を十分に考慮しているかが問われるべきであり、長年使用される将来的な使用を見据えないデザインは社会の不要なゴミになりかねません。


プレゼンテーションの手法も変化しており、CGが主導的で手書きのスケッチやオリジナルのコンセプトがほぼ見当たらないものとなっています。また、説明が冗長であることが問題であり、デザインコンペである以上、ヴィジュアルの簡潔なまとめだけで表現するプレゼンテーションが求められています。


AIによるデザインが進む中、この傾向は日本にとどまらず、世界中のデザイナーに共通しているのか、それとも日本独自のものなのかが疑問とされています。デザインの未来において、CG主導のデザイン作業と手描きによるアートのバランスが求められ、より持続可能で生活に根ざした提案が必要と考えられます。

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