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メイジが弱いという話

はじめに

私(ライター)の主観として、最近(2024/05/08時点)において、メイジが非常に苦しい環境になっていると考えています。

今回は、この「メイジが苦しい」という話が一部最上位勢のXでも述べられる機会が増えてきたため、何故メイジが苦しいのか、活躍出来る機会はどのようなケースなのかについて解説していきます。

メイジとは?

皆さんは、そもそもメイジとは何かご存知でしょうか?
何となく必須そうだからという理由で採用していませんか?実は無くても良いんじゃない?と気付いてる人も居るかもしれせん。
この見出しでは、メイジの役割について解説していきます。

メイジの役割

まず、メイジの役割の話をします。

メイジの役割は何ですか?と聞くと大半のケースで「睨み合いの時のハラス」「タンクへの打点」の2つが挙げられるかと思います。

しかし、実際はもっとシンプルであり、一言にまとめると「レックウザ戦での1pickの起点作り」になります。

この一言では、イメージが湧きにくいと思いますので、メイジを入れた構成からイメージを膨らませていきます。

《構成例》

構成

味方
上:アマージョ+💡ワタシラガ
中:リーフィア
下:エーフィ+💡カメックス


上:ラプラス+💡フーパ
中:ゾロアーク
下:ミュウ+💡ブラッキー

今回はこのような構成での試合を想定します。
では、このケースの場合、味方チームが敵チームを倒したい時、まずは何をしますか?

「エーフィがハラス」ですよね?

ここで重要なのが、何故エーフィのハラスから始めるのかというところにあります。

答えは明白で、

「フルヘルスからオールインしても倒し切れる保証がない 」

ためです。この部分がメイジの明確な採用理由になります。
フルヘルスのラプラスやブラッキーは、カメックスのエンゲージに合わせるだけ落とすことは極めて難しいとされていますが、エーフィのハラスによりHPが30~40%削れていれば十分落とし切りが見えています。

冒頭で挙げたハラスタンクへの打点は、つまるところ、この1pickの起点作りの一点に収束するということです。

しかし、それと同時に

「フルヘルスからオールインして倒せるならメイジである必要が無い」

ことも意味しています。

なぜなら、メイジは射程を持つ代わりに倒されやすい性質を持つためです。
メイジが火力を出す前倒されてしまい、5vs4の形にされやすいというのは、構成の中でも大きなリスクとなるポイントであり、メイジを守るポケモンの採用まで行わなければならないとなると、構成負荷になる点もメイジである必要性を損なっていると言えます。

現環境におけるメイジの評価は、この倒されにくさ、カバーの不要さが非常に重要視されており、採用しない倒されにくいメイジを採用するかの二択であることを覚えてください。

環境分析

メイジの採用を語る前に環境分析をする必要があります
ここでは、どのようなポケモンがどのような理由で採用が増えてきているのか、何故それによってメイジが減っているのかを解説します。

環境の変化について

最も大きな環境の変化は、BAN枠が1→2になったことです。
これにより、一部の序盤から高いゲームメイク力を持つポケモン(ゾロアークリーフィアフーパブラッキー等)をBANし切れるようになり、従来アーリー寄りであった構成パターンが大きくレイト寄りに変化しました。

端的にまとめると、アーリー組の実質下方が発生し、パワースパイク6~8のバランス型近接DPS(アマージョ,バシャーモ,ギャラドス等)の完成が見込めるため、それらのtierが大きく上昇しました。

これに伴い、環境を取り巻く有利不利対面にも変化が生じています。

特に大きな変化は、バランス型のDPSがフルヘルスのタンクを継続的な高火力で倒し切れてしまうことや、大半のメイジまで詰めて倒せてしまうことが挙げられ、これまで必要とされていたハラスの重要度が低下している実態があります。

しかし、その近接DPSのバランス型に対して比較的強いオーロット等の採用も積極的に行われており、オーロットに対してはメイジが非常に仕事をしやすいことから、完全に環境から居なくなるわけではないというのが現環境になります。

キャラ別メイジ採用基準

ここからが上記のメイジを取り巻く不遇環境でも活躍が出来る数少ないメイジの解説になります。
解説は下記のtier表をベースに行います。

現環境で苦しく、局所的な採用しか見込めないポケモンは説明を省略します。

説明を省略するポケモンは、環境的に役割対象のポケモンが少ないだけであり、パワーが足りないという訳では無いポケモンがほとんどであるため、今後のアプデ次第で上位入りもありますので、GW明け前後の環境での評価ということを留意して下さい。

現環境のメイジtier

ピカチュウ

最初はピカチュウです。
区分こそメイジですが、ほぼアサシンと言っても差し支えないでしょう。

エナジーアンプ+すりぬけスプーンを持った状態での、「(素振り→強化AA→)ユナイト技ボルテッカーエレキボール」の組み合わせが非常に強力であり、スピード型やアタック型なら90~100%,バランス型なら70~90%を削るパワーがあります。

メイジ区分でありながらも、メイジに有利なポケモンに有利という非常に珍しい特徴を持ちます。

技の固定値が極めて高いため学習装置を持っても火力の低下が少なく、キャリータンクと合わせた学習装置での採用の選択肢まで持てるというのはドラフトにおいて非常に重宝する特徴です。

しかし、レジファイトに強力なラストヒットを持ってはいるものの、レベル9になってからが本番であるため、少しパワースパイクが遅めのメイジである点は注意が必要です。

役割対象:リーフィア,ゾロアーク,ストライク,アマージョ,バシャーモ,メイジ全般等

役割遂行不可:ディフェンス型全般,ヌケニン持ち,無敵持ち(ミュウ,マスカーニャ,ニンフィア)等

ミュウ

2匹目はミュウです。
チームによってはBANされることも多いポケモンです。
ミュウは、序盤の安定及びウルトアサシンへの牽制として非常に優秀な側面を持ちます。

度重なる下方により集団戦の火力は低下したものの、コーチングの機動力,波乗りのCC,エレキボールの減速,光の壁のCC,ユナイト技の無敵,ユナイト技の範囲ステルス等の非常に多彩な妨害技によってまだまだ現役と言えるでしょう。

しかし、現環境の流行りのDPSバランス型のアマージョバシャーモギャラドスといったポケモン達から、一方的にユナイト技を吐かされてしまうケースも増えて来たため、一昔前のミュウの暴れ具合と比較すると落ち着いた印象になります。

とはいえ、ストライクやカメックス,リーフィア等の強力なユナイト技のファイトバリューに依存した構成はミュウが非常に重たくなるため、いまだに選出機会は多くあるでしょう。

役割対象:タンク全般,ストライク,リーフィア,ガブリアス等のユナイト技が強力なポケモン達

役割遂行難:アマージョ,ミミッキュ,ギャラドス,(バシャーモ)

ニンフィア

3匹目はニンフィアです。
こちらも無敵ユナイトを持ち合わせており、ミュウと同様にウルトアサシンに強いポケモンになります。

ミュウとの差別化点として、ハイパーボイスでは、射程を切り詰めCCを持たない反面、異常とも言える高火力を持ち、ヤドランラプラス等のベタ足タンクへのダメージ貢献や、特防を最大80%ダウンさせる効果により高速スピンカメックス等と合わせた場合に、構成次第では2匹でユナイト技不要で敵全てを削り落としてしまうほどの火力を持ち合わせています。

また、マジカルフレイム型では、必中スキルを2つ持ち合わせており、ドレインキッスのサステインにより継続的な戦闘の他、ユナイト技による命の担保があるため、他のダメージトレードが得意なメイジと比較しても圧倒的に強気にラインを上げられ、唯一性が高いです。
マジカルフレイムの特攻ダウンも相手のファイター枠が特攻のタンク(ラプラス、カメックス,ヌメルゴン)である場合には強力であり、積極的に絡みに行くと良いでしょう。

一方でハイパーボイス型では、機動力の高いポケモンにはほとんど当てられず、マジカルフレイム型ではバーストが一切出ないため、継続的なファイトにならず、ラストヒット強いポケモンを落とされてラッシュされるだけでもほとんど関与出来なくなるというのが弱点になります。

現環境で多いバランス型に比較的不利つきやすいポケモンであるため、以前の環境より下火傾向にあるポケモンです。

役割対象:タンク全般,リーフィア,ストライク,ピカチュウ等

役割遂行不可:アマージョ,バシャーモ,ギャラドス,マッシブーン,ゾロアーク(ハイパーボイスのみ)等

エーフィ

4匹目はエーフィです。
ここから評価を1段階落とすイメージを持って貰えると良いかと思います。
エーフィは、4で強いことと特性が残っている限りエンゲージに強いことが評価されているポケモンになります。

これまでのメイジと違い中央での採用も強力で、9:15の下レーンタブンネに枚数を寄せられたりサイコショックでのレーン番長等、固有の役割が多くあります。
ユナイト技もレベル8で習得することもあり、序盤からゲームを作りたいチームが採用している傾向にあります。

特性を落とす手段が豊富なポケモンや、ユナイト技に対して妨害無効で貫通してくるポケモン,射程不利のメイジが苦手な傾向である一方、ベタ足のタンク全般には有利が付いています。

役割対象:オーロット,ラプラス,マッシブーン等

役割遂行不可:アマージョ,バシャーモ,ストライク,ピカチュウ,マフォクシー,ジュナイパー等

ウッウ

5匹目はウッウです。
こちらはあまり採用は高いとは言えませんが、高頻度の壁抜けに優れるブリンクスキルにより、十分採用圏内にあります。

ウッウは非常に変わったメイジであり、ハラスの性能自体はメイジの中だと低めである代わりに、ファイターのような立ち回りをしつつ、ユナイト技でレンジを持てるタイプになります。

さらに特徴的なのは、目立った有利不利対面が無いため、カウンターピック等に困ったり先出しが必要な場面であれば、pickを流すという観点からpickが可能になります。

ウッウの長所は主に2つあり、1つ目は、高いサステインによる実質的な耐久指数の増加及び高頻度のブリンクスキルにより、ファイターに近い落とされにくさがある。
2つ目は、ユナイト技のタワーシージ力が高く、レジエレキ等の押し込みに長けているという点にあります。

特に1つ目の自衛力に関してはメイジ枠随一であり、自衛ユナイトのシールドも他のメイジより高く、そこにスペルヴァンプが付いているため大幅な回復が可能になります。

しかし、ユナイト技の無いファイトに関しては同ロール間では若干弱めの区分になるため、いかに自衛ユナイトを吐かず、強いユナイト技を刺していけるかがポイントになります。

役割対象:特に無し
役割遂行不可:(ストライク),(ピカチュウ),(リーフィア),(アマージョ),(バシャーモ)

インテレオン/ジュナイパー

6.7匹目はインテレオンとジュナイパーです。
この2匹に関しては、「ハラス」区分ではなく「ポーク」の区分になります。

基本的にポークの区分のポケモンは、バランス型全般に不利が付きません。しかし、アサシン全般に極端に不利が付くポケモンになります。

また、射程の観点からメイジ全般に有利が付いており、これらを一言でまとめると、かなり相手を選ぶポケモンになります。

とりあえず取るという事が裏目に出やすいポケモンであるため、1.2.3pick以内で取ることは絶対にやめましょう。

有利対面:サーナイト,マフォクシー,シャンデラ,エーフィ,グレイシア,ギルガルド,バシャーモ,マッシブーン等

役割遂行不可:ミミッキュ,ストライク,一撃ウーラオス,ピカチュウ,リーフィア等

グレイシア

8匹目はグレイシアです。
別見出しでも述べましたが、現環境バランス型が強くバランス型に対して強いオーロットの採用も増えつつあります。

グレイシアは、高いDPSからオーロットのようなベタ足タンクに非常に刺さりが良いです。

また、エーフィは、サポートにダメージを吸われてしまうタイプであることに対して、グレイシアは、サポートで安全にスタックを溜めて役割対象に火力を寄せられるため、相手のサポートが絡んだ戦闘でのバリューが上がることも差別化点になります。

キャラパワー自体は上位ポケモンに劣るものの、明確なカウンターの有無でpick upしました。

しかし、エーフィに劣る自衛性能であり、特性が落ちてしまうと何も出来ず落とされてしまうことも多くあるポケモンになります。

役割対象:オーロット,ラプラス(特性残のみ),ヤドラン,ピクシー,ワタシラガ,ハピナス

役割遂行不可:ストライク,リーフィア,ミミッキュ,アマージョ,バシャーモ等

まとめ

いかがだったでしょうか?今回の記事のまとめとして

  1. 2BANになりアーリー環境がレイト環境に寄ったこと

  2. アーリー環境によって採用の減っていた近接DPSのバランス型の採用が増えてきたこと

  3. 近接DPSのバランス型がタンクに打点を持てるため、メイジである必要性が薄れてきたこと

  4. 近接DPSのバランス型自体もメイジに有利が付きやすいため、メイジが構成の穴になりやすく、自衛力が求められるようになったこと

の4つのポイントを理解して貰えたかと思います。

今回の記事はあくまでも(2024/05/08 )時点になりますので、読んだ時期が異なっている方はくれぐれも勘違いのないようご注意ください。


それではまた👋

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