番外篇① でっ、維新ってどうよ?

自公政権にほとほと愛想がつきたという人の中には、「改革」を推進する政党として日本維新の会に可能性を見出す人も少なくありません。でも、本当に大丈夫なのでしょうか。
「参院選ガイド」を作成したメンバーの支持政党はさまざまで、支持政党なしの人もいますが、日本維新の会を支持する人はいません。そこには「参院選ガイド」でとりあげた政策の問題ばかりではなく、政党の「体質」への評価もかかわっています。
日本維新の会について考えるための記事へのリンクをコメント付きで挙げてみました。あわせて、消費税にかかわる橋本徹氏の発言を検証した「「維新3人衆」発言のファクトチェック!!(その1)」もぜひごらんください。

京都市議の森川央氏は政務活動費の二重計上問題が発覚して2020年に維新を離党し、市議会で辞職勧告決議が可決されたました。それでも市議の職に止まっていたのですが、最近になって市議の辞職願を提出して、参院選広島選挙区に日本維新の会公認で立候補することになりました。これって”マネーロンダリング”ならぬ、”経歴ロンダリング”では?

大阪城公園は2015年に民営化、大量の樹木が伐採されて有料の遊び場が設けられる一方で、無料の遊具は一部の滑り台が故障して閉鎖されたまま。「身を切る改革」は「木を切る改革」?無料で子どもたちが安心して遊べる場所を削る「改革」は一体だれのため?

「行政のムダを省く」ことを旗印としている日本維新の会ですが、吉村知事肝いりのでつくられた大規模入院施設は、利用率が最大7%のまま閉鎖、80億円が無駄になったということです。

昨年4月、日本維新の会の梅村みずほ議員の公設第一秘書が知人の男性を乗用車ではねた上で、暴行を加えて殺害しようとしたとして殺人未遂容疑で逮捕されました。その後、被害者とのあいだで示談が成立したこともあって、大阪地検堺支部は罪名を傷害罪に変更したうえで不起訴処分(起訴猶予)としました。今年6月になって、日本維新の会は、この元秘書を党職員として再雇用したと伝えられています。(「日本維新の会、「殺人未遂で逮捕→不起訴」議員の公設第1秘書を党職員として再雇用」
このほかにも、日本維新の会・大阪維新の会にかかわる「不祥事」が数多く伝えられています(「不祥事一覧」)。最近では吉村洋文大阪府知事が東京立川での街宣で「「不祥事する人はいるけど許してください」話しました(動画リンク)。不祥事は他党にももありますが、その多さと、「身内」への処分の甘さは際立っています。

自民党の安倍元首相や菅前首相の下で首相補佐官を務めてきた和泉洋人氏が今年1月から大阪府・大阪市の特別顧問に就任、大阪カジノにかかわる「夢洲等まちづくり事業調整会議」のアドバイザーとなりました。
他方で、和泉氏は大和ハウス工業や積水ハウス、住友林業、ミサワホーム、三菱地所や三井不動産、住友不動産、東急不動産、森ビルなどとアドバイザリー契約を締結、その内の1社である大和ハウス工業は、大阪カジノにともなう夢洲周辺の商業施設やホテル、物流センターなどの開発に参入することを希望しているということです。
大阪府・大阪市の特別顧問としてえられた機密情報を特定の企業に提供し、その見返りのようにコンサルタント料を受け取ることになるのではないかという疑惑が持たれています。コチラにも関連記事があります。

「既得権益の打破」「しがらみのない政治」を掲げる日本維新の会は、税金が原資の「文書通信交通滞在費」について「任期1日で100万円出る。世間の常識では考えられない」と述べ、「身を切る改革」を広く宣伝しました。「文書通信交通滞在費」が使い切れなかった場合には「寄付」するとしてきました。
ところが…その寄付先は日本維新の会所属の国会議員の政党支部や資金管理団体です。これは実は錬金術のようなもので、「文書通信交通滞在費」は公金として使途が厳しく限定されているのに対して、政党支部に「寄付」されたとたんに自由に政治活動に使えるようになります。政治資金オンブズマンはこれを「公金の私物化」として批判しています。

2021年5月、大阪市淀川区の市立木川南小学校の久保敬校長が松井大阪市長宛てにに提言書を郵送、オンライン学習を基本とした松井市長の判断を「子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出している」と批判しました。これに対して、大阪市教育委員会は久保校長を日文書訓告処分としました。(前屋毅「松井市長に提言書を送った久保校長を処分、「見せしめ」なのか」)
次のような久保校長の提言は、単にオンライン学習のやり方を批判したものではなく、大阪市の教育行政の基本的な構えを問題としていることを物語ります。
「グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが、そんな社会自体が間違っているのではないのか。過度な競争を強いて、競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される、そんな理不尽な社会であっていいのか。誰もが幸せに生きる権利を持っており、社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ。」

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