見出し画像

博士の異常な改変 または私はいかにしてリースちゃんの乳にこだわるようになったのか【VRChat PhysBone覚え書き】

0.導入

時は令和四年五月三十日。ぱる屋様よりVRCアバター界に放たれし白い超新星。

ワ~~~~~かわいい~~~~~~~~~

気づけば私の財布から5000円(当時のセール価格)は消え…

画像1
かわいい

ワ~~~~~~~~~~~!!!!!

002_デッッッッッッッッ

ワ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~スゴイ!!!!!!!

という訳で初めまして、雲霞(うんか)です。今回はリースちゃんのおっπをさらにスゴくしていきます。
理由ですか?執念です。
この記事は
・ある程度Unity用語が出るため、すでにアバターをアップロード及び改変したことがある方向け。
未改変のリースちゃん(および素体共通の「ジュリア」ちゃん)想定。体型を変えたり非対応衣装を着せたリースちゃん、または素体が違うほかのアバターでの表現を約束できるものではありません。
・PhysBone調整が主体。
・Blender不使用
(Blenderの事は全くわかりません)。
・脱ぐ要素無し。
・設定されたパラメーターはあくまで参考。
以上の注意点を踏まえつつ読んでいただけると幸いです。


1.気難しいおっぱい、その解説

まずはリースちゃんをそのままアップロードしてみましょう。

003_デフォリース
かわいい

うわぁ!!

ビックリした…美の女神かと思ったらリースちゃんか…
それはさておきリースちゃんは無改変の状態だと胸のPBは揺れはしますが触ったり掴んだりできない健全な状態です。さっそくPhysBoneをいじりましょう。

004_ヒエラルキー
大変わかりやすい

ヒエラルキーのArmature→Hips→Spine→Chestときて、「Oppai」という非常に単純明快な名前のボーンがあります。Oppai_L1およびOppai_R1にPhysBoneが入っていますのでインスペクターを見てコンポーネントを探してみましょう。

005_コリジョン

ありましたありました。どうやらもともとCollision(衝突)判定やGrab(掴み)判定はオンになっているようですが、ボーンの衝突半径が0のため無効化されていたようでした。0.01あたりに半径を変えて、いざアップロード!待ってろおっぱ

006_悲劇
かわ…?!

ウワァァァァァァァ!?!?

なんとおっぱいの前の何もない空間を握っただけでおっぱいがたやすく崩壊してしまいました。どうして?
その答えはボーンの作りにありました。

007_皮下脂肪スライドV2
Wireframe表示にするとPhysBone構造がわかりやすい

実はリースちゃんのおっぱいのボーン構造は少し特殊な形をしています。
根元から一本、長~いボーンがおっぱいのはるか前方まで突き出したのち、折り返してもう一本のボーンがおっぱいの中頃まで戻るような構造です。
巷ではこういう構造を皮下脂肪スライドV2ボーンと呼ぶそうですが、詳細は省きましょう。興味があれば「皮下脂肪スライド」あたりでググってください。
この構造は「(適切にウェイトを設定することで)2本のボーンでとてもリアルな揺れを表現できる」のが特徴であり、モデラーのおっぱいへのこだわりを感じさせる逸品。
しかしながらそのまま普通のアバター感覚でPhysBoneを設定すると、先ほどの悲劇のように「おっぱいのはるか前方まで当たり判定が伸びてしまう」「掴むと折り畳まれたボーンが無理やり展開され、おっぱいが崩壊してしまう」という問題が立ちはだかります。

008_絶望
かわいい

せっかくリアルな揺れを表現してるのにおさわりNGなのか…?」と嘆く顔もかわいいリースちゃん紳士諸兄、ご安心ください。
これからお教えする3段階の調整で、あなたのおっぱいがよりおっぱいになります。(※個人の感想です)


2.第一段階:アタリハンテイ力学の攻略(Collisionカーブの調整)

先ほど私はリースちゃんのOppaiボーン構造について、「折り返してもう一本のボーンがおっぱいの中頃まで戻るような構造」と言いました。

007_皮下脂肪スライドV2

つまり当たり判定を「折り返したボーンの末端だけ」にしてやればおっぱいの中だけに当たり判定が出来るはずです。実際にやってみます。

操作

両乳のPhysBoneを次のように設定してみましょう。

①まずGrabとPoseのチェックボックスは今回外しておきましょう。後々入れなおしますが今は切って構いません。
②Springの値をデフォルトの0.7から0.85にしてみました。これは揺れ具合を雲霞好みにしたというだけでおのおのの好みの数値でもOKです。
Collisionの半径を0.035にします。
半径の横の[C]と書かれたボタンをクリックしてなんか青い線の枠を出します。これはボーンのスタート地点からゴール地点までの間の当たり判定の大きさをある程度制御できるカーブとなります。なんか青い線の枠をクリックして次に進みます。

編集後の様子

なんか青い線の右端の青い菱形を右クリックして「左の接線→一定」を選択した後、今度は左端の青い菱形を左端一番下までドラッグして下げます。
設定したら一度青い線のウィンドウを閉じておっぱいを見てみましょう。

一見不思議な形

画像のように胸の中辺りに丸いCollision判定(白い丸の方)が出ていたら成功です。細い線が前に飛び出しているのは問題ありません。
両胸とも設定したらアップロードしてみましょう。

かわいい

ワッ・・・!!

荒ぶるネクタイ

やりました。

おっぱいの前に張り出していた当たり判定がだいたいおっぱいの形通りになり、ぽよぽよできるようになりました。
え?Collision判定がちょっと小さくないか?それは第三段階に備えたサイズにしたからです。


3.第二段階:掴もうぜ!おっぱいボーン!(PBの分割とGrab設定)

さて、当たり判定を調整した事でリースちゃんのおっぱいは上から下から触ってぽよぽよできるようになりました。おっぱい前空間に謎の当たり判定もありません。
しかし「折りたたんだボーン構造ゆえに掴むと強制的に引き延ばされる」問題は解決していません。当たり判定の大きさや位置に関係なくGrabを入れて掴んでみるとおっぱいが崩壊してしまいます。

先ほどと同じ写真。かわいいけどいたそう

揺れ方がよりリアルという折り畳まれたボーンならではの利点を残しつつ、折りたたまれたボーンの先端部分が握られて開いてしまう問題を解決する方法……
先端部分のみで揺れる」PBと「根元部分のみ掴める」PBに分けてしまいましょう。
ちょっとややこしい話になるかも知れません。ヒエラルキーを見てみましょう。

Oppai_〇1ボーンのさらに下層を見てみると、Oppai_〇2とOppai_〇3というボーンが入れ子になっています。
それぞれおっぱい用ボーンの始点、折り返し、終点となっています。ざっくりと言えばPhysBoneの設定はこれらのボーンの揺れ具合に影響しています。

1が始点、2が折り返し地点、3が終点

PhysBoneの便利な仕様として、入れ子構造の一番上に設定すればその下層にあるボーンすべてに同じ揺れ設定が適用されます。リースちゃんのおっぱいも両乳のOppai_〇1ボーンにのみコンポーネントが入っています。そこをあえて崩していきましょう。

操作

Oppai_〇1ボーンに入っているコンポーネントをOppai_〇2ボーンへコピーします。

Oppai_〇1ボーンの「VRC Phys Bone」コンポーネントを右クリックからコピーして

Oppai_〇2ボーンのインスペクター内で「新規として貼り付け」します。
これで揺らす用のPB設定は完了です。次はOppai_〇1ボーンに残ったコンポーネントを再利用して掴む用PBを設定しましょう。
ややこしい手順が必要になりますが、下記の通りにOppai_〇1ボーンをいじってみてください。

①「Ignore Transforms」横の小さい▼から展開し、サイズを「2」にする。その後Oppai_〇2ボーンとOppai_〇3ボーンを「要素」に入れましょう。
②Collision半径を0.01に、[X]ボタンを押してカーブを無効化、「Allow Collision」のチェックを外します。
③「Allow Grabbing」にチェックを入れる。PosingやGrab Movementはお好みで。

一番の要にしてややこしいところです

④ヒエラルキー上のOppai_〇2の"中"に「空のオブジェクト」を作る。名前は自由につけて結構ですがここでは「DummyOppai」としました。
⑤作成した空のオブジェクトをドラッグしてOppai_〇1の中に入れます。
わざわざOppai_〇2内で作った後でOppai_〇1に移したのは、Oppai_〇2の座標をDummyOppaiに記憶してもらうためです。④、⑤が一番大事な操作になります。
設定を終えた上でOppai_○1ボーンを選択してみると設定したPhysBoneが見えます……が、ごちゃっとしてて少々わかりにくいですね
アップロードしてみましょう。

かわいい

ワァッ………!?

すごいセンシティブ

ウワ……ワ……ワワ…!

掴んで動かしてみるとなんかもう、スゴいことになりました。揺れ方がリアルになるというボーンの面目躍如ですね。Grabしたおっぱいも崩壊していない!成功です!


4.第三段階:くお~!ぶつかる~!(コライダーを設定する)

かつて巨乳のタレントが「だっちゅーの」と言いながら胸を寄せるセクシーなギャグが一世を風靡した時代がありました。具体的には平成10年頃です。
今「だっちゅーの」と言っても伝わらない世代は多いですが、リースちゃんで「だっちゅーの」できるようにしましょう。
おっぱいと腕にPhysBone Colliderを設定し、ぶつかるようにします。

操作

リースちゃんはネクタイとの干渉用として元からおっぱいのボーン(Oppai_〇2と〇3)にPhysBone Colliderが設定されているため、そのまま使い回します。

こいつはそのまま使い回します

次に腕のボーンに「コンポーネントを追加」から「VRC Phys Bone Collider」を設定しましょう。上腕「UpperArm」と前腕「LowerArm」にそれぞれ下記画像のように設定します。

上腕の設定値
前腕の設定値

画像では右腕で設定していますが左腕も全く同じ数値で問題ありません。

おおまか腕と同じくらいの太さと位置に合わせましょう

設定出来たら「Shoulder」ボーンを選択すると上画像のようにコライダーが表示できているはずです。
後は各おっぱいに「このコライダーとぶつかる」という設定を設定していきます。

左胸。
右胸。

各Oppai_〇2ボーンのコンポーネントの「コライダー」部分を展開、サイズを5としました。
ここに、「もう片方の乳の方のOppai_〇3ボーン」「右腕/左腕の上腕」「右腕/左腕の前腕」に設定されたコライダーを選択します。
これでおっぱい同士、そしておっぱいと腕が干渉するようになったはずです。アップロードしてみましょう。

かわいい

むっ…!

だっちゅー…の…?

(わかりにくい…!)

いささか地味ですが腕と胸、そしておっぱい同士が干渉して動くようになりました。
細かい変更ですが神は細部に宿るとも言いますので、もともと美の女神みたいなリースちゃんにさらに神が宿っています。一人やおよろずですね。


5.あとがき

かわいい

以上、3つの改変でリースちゃんのおっぱいをよりリアルにする設定でした。
今回の数値等はあくまで参考値ですので、やはり実際に自分好みに微調整してみてあなただけのおっぱいにするのも良いかと思います。
ちなみに髪とかスカートの揺れを犠牲にすればQuest対応も可能です

既にお気づきかと思いますが、揺れ方の設定値自体は殆ど変えていません。また結構魔改造しましたが動かしてみての服の破綻もほとんどありません。
もとからかな~り丁寧に作られたアバターだという事がひしひしとおっぱいからも伝わってきますね。
最後にリースちゃんを世に生み出してくれた上、こんなおっぱいおっぱい連呼する怪文書にも快く公開の承諾いただいた作者のぱるあき様に深く感謝申し上げ、筆を置くことといたします。
ご一読いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?