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2023キャップス通信簿 DF編

こんにちは、unknown(オーリエ似)です。
前回のGK編に続き、今回はDF編です。

対象選手は今季トップチームの公式戦に出場した全選手、評価点は独断と偏見で10点満点です。
大体6点で及第点、期待通りくらいだと思ってください。

それでは本編に参りましょう。


#4 Ranko Veselinovic🇷🇸
#6 Tristan Blackmon🇺🇸
#2 Mathias Laborda🇺🇾
#23 Javain Brown🇯🇲
#14 Luis Martins🇵🇹
#12 Karifa Yao🇨🇦
#3 Sam Adekugbe🇨🇦
#7 Richie Laryea🇨🇦


#4 Ranko Veselinovic🇷🇸【8.0】

MLS 32試合2得点2アシスト
プレーオフ 2試合
北中米CL 3試合
🇨🇦カップ 2試合
リーグカップ  3試合

最も信頼に足る守備者として、CBの中で最長となる出場期間を確保したディフェンスリーダー。

シーズンを通して特筆すべき賛辞も特に浮かばないのだが、「ネガティブなイメージが全く無い」という事が彼の守備者としての完成度を物語っていると感じる。

また、身長190cmの体格を活かし、共に逆転負けを喫したが19節LAFC戦と21節シアトル戦という強敵との対戦でセットプレーからの先制点を決め主力としての矜持を感じた。

今年10月に2026年末までの契約にサインし、来年以降も主軸としての活躍で未だ2キャップに留まっているセルビア代表への定着も遂げて欲しいと思う。


#6 Tristan Blackmon🇺🇸【7.5】

MLS 30試合2得点
プレーオフ 2試合
北中米CL 4試合1得点
🇨🇦カップ 2試合
リーグカップ 3試合

投稿者的にキャップスで最高のビジュアルをもつCB。

長らくバックアップとして過ごしたLAFCからの加入1年目となった昨季は、3CBの右を今季からセントルイス・シティに加入したジェイク・ネルヴィンスキ、後述のブラウンと出場機会を争い、今季は市場終盤のラボルダの加入により再びのポジション争いの展開が予想されたが、蓋を開けてみれば不動のCBとしてヴェセリノビッチに次ぐ出場時間を確保した。

キャップスのCB陣では最もボールプレーに優れ、左利きのCBがいない編成の中で4バックの左を務めた。
ボール保持時の落ち着きが素晴らしく、プレス回避をそつなくこなすのみならず間隙を縫う楔のパスで攻撃を加速させる役割も担った。

一方で軽率なプレーや一発で躱される軽い守備が散見される「外れ試合」があることも事実であり、調子の波を安定させる事が今後の飛躍とチームの順位向上の鍵を握っている。


#2 Mathias Laborda🇺🇾【5.0】

MLS 23試合1得点
プレーオフ 1試合
北中米CL 3試合
🇨🇦カップ 2試合
リーグカップ 3試合

今季新加入のCBであり、CBの3番手と右SBの守備的なカードとして一定の出場機会を得た。

ウルグアイの名門ナシオナルで育成され同クラブでは17/18シーズンに南米制覇も成し遂げたエリートで、アンダー代表にも継続的に招集されていた選手。

右利きながらLCBもこなすという見込みで加入したもののプレシーズンではポゼッション時の明らかな欠陥を露呈し、結果的にRSBとLCBのポジションをブラックモンと反転させた。

ウルグアイあるあるの低身長・前進守備を持ち味とするタイプだが、ポジションを空ける判断がすごぶる悪く、ポストプレーやワンツーで剥がされ裏を取られるシーンが多く見受けられた。
また、対人守備においても限界を感じ、完璧に封殺するシーンと置き去りにされるシーンの両極端であるためDFとしての信用性に欠ける。

準レギュラーとしては悪く無いが、チーム5番目でありヴェセリノビッチ、ブラックモンのほぼ2倍の高給を受け取るに相応しいパフォーマンスでは無く、現状のままではクラブのスカウティングのミスと言わざるを得ない。

成長してくれ〜頼む〜


#23 Javain Brown🇯🇲【6.0】

MLS 25試合1得点1アシスト
プレーオフ 1試合
北中米CL 3試合1アシスト
🇨🇦カップ 2試合
リーグカップ 1試合

2023シーズン開幕節レアル・ソルトレーク戦で今季のチーム初得点をCKから決めたディフェンシブなRSBで、レゲエ・ボーイズことジャマイカ代表でもレギュラークラス。

3CBの右に対応可能な守備力を持ち、ドラフト入団した2021年から3年連続で20試合以上の出場を果たしている計算の立つ選手ではあるが、中々主力の座の確立に至っていない。

先述のラボルダと比べ対人で抜き去られるシーンは少ないがその分かけられる圧力も弱く、更に逆サイドからのクロス対応に不安を残す点が主な懸念材料か。

右SBのスターターとしてシーズンインした今季もラボルダとの二者択一に大差はなく、後半戦はラリアの加入により著しく出場機会が減少。
同選手は今冬ローンバックするも冬市場での再加入も噂されており、ブラックモンとラボルダも右SBに対応可能とライバルは多い。

アピールポイントとなる守備での安定感向上や攻撃時の引き出しを増やす事など成長の余地は大いにある。


#14 Luis Martins🇵🇹【4.5】

MLS 20試合
プレーオフ 1試合
北中米CL 1試合
🇨🇦カップ 2試合
リーグカップ 1試合

主戦場は左SBだが、今季は主に3バック採用時の左CBとしての出場が主であった。

ポルトガル人SBらしくなんでも器用にこなし、CBとしてはフィジカルが不足するもベテランの老獪さと機を見たオーバーラップでチームを引き締めた。

負傷明けの37節を除いて帯同した試合は全て出場している通り監督からの評価も高く、投稿者も戦力としてチームに欠かせないと思っているのだが、問題は負傷離脱の多さである。

2022年5月の加入以降既に24試合負傷欠場しており、今季も左足脛の怪我により後半戦をほとんど棒に振った。

今季途中にアデクグベが加入し、常時スタメンは厳しいと思われるが、彼がベンチにいるだけで戦術の幅やスカッドの厚みに大きく違いが出る。
それだけに頻発する長期離脱には気を遣ってほしいものだ。


#12 Karifa Yao🇨🇦【2.0】

MLS 1試合
北中米CL 2試合
🇨🇦カップ 1試合
リーグカップ  1試合

2022年末のドラフトでCFモントリオールより加入した重量級CB。

初先発となったCLのレアル・エスパーニャ戦では、ホンジュラスリーグでも低空飛行を続けていた相手に対して凄惨たるパフォーマンスを見せ、1stレグで5-0と粉砕した相手に対し枠内シュートを11本被弾し2-3で敗れる直接的な要因となった。

序盤からエラーを連発し完全に心が折れたのかポゼッション時のボール関与もほとんどなく、ロングボールの的にされ対人戦に敗れ続ける姿は、フル出場させるベンチの判断を残酷とさえ思えるほどであった。

主戦場となったセカンドチームのリーグ戦であるMLS Next Proでも自身のフィジカルを押し付ける事ができるシーン以外では相手とのデュエルに遅れをとるシーンが多く、スピードは皆無で鈍重、ビルドアップも不安定とクラブが何をもって獲得したのか全く理解できなかった。
SNSで見る限りいい奴そうなのもコンテ末期のダビンソンにそっくり。

おそらくだがトップチームに定着することはないだろう。


#3 Sam Adekugbe🇨🇦 【6.5】

※キャップス加入後のスタッツ
MLS 10試合1アシスト
プレーオフ 2試合1得点

アルフォンソ・デイビスを前線で使う際のカナダ代表左SBのファーストチョイスであり、2016年のブライトン移籍以降7年ぶりとなる復帰を果たしたホワイトキャップス・アカデミー卒業生。

前所属のハタイスポルは2023年2月のトルコ・シリア地震が直撃しその影響で23/24終盤戦はガラタサライにローン加入、その後夏の市場で換金対象となりキャップスへの復帰が決まった。

加入直後は中々コンディションが上がらず左にラポソを起用する試合も多かったが徐々に調子を上げポジションを奪取し地力を見せつけた。

LAFCとのプレーオフでは第1戦においては一時同点弾となるチームの2点目を決め、第2戦では右サイドで起用されると決定的なスルーパスを連発し1人気を吐いた。

今季後半戦は「慣らし運転」として、来季以降のクラブのサイドも支え続けてほしい。


#7 Richie Laryea🇨🇦 【7.0】

※キャップス加入後のスタッツ
MLS 12試合1得点3アシスト
プレーオフ 2試合

カナダ代表右SB不動のレギュラーであり、独特のリズムのステップで相手守備陣に風穴を開けるドリブラー。

イースタン・カンファレンス最下位に低迷する同国のライバル、トロントFCからシーズン中のローン先変更でキャップスに加入するとその実力を遺憾なく発揮し瞬く間に主力として定着した。

夏の市場でグレッセルのキックという攻め手を失ったキャップスに、サイド突破という新たな攻撃の引き出しをもたらした事が最大の功績だ。

個人能力を押し付けるプレースタイル上、調子の振れ幅が大きく、例としてMLS最終節のLAFC戦では相性の良いアーメドとのコンビネーションでサイドをズタズタに切り裂いたがプレーオフの2戦では沈黙。。。
より大きな活躍のためにはチームメイトとの関係性の深化が肝要であろう。

シーズン終了後は保有元のノッティンガム・フォレストに復帰するが、ラリア本人はホワイトキャップスでの挑戦の継続を歓迎するとのコメントを残している。
ローンにしろ完全移籍にしろ、来季のスカッドにラリアの名前が見られると良いのだが…


以上となります。

総括としては、ウェスタン・カンファレンスでは1位セントルイス・シティに次ぐ多さとなる55得点を決めた攻撃陣の足枷となってしまった印象のある守備陣だが、5節から10節にかけてはクラブ記録となる428分間のMLS連続無失点を達成するなどその最大値はしかと見せつけ、来季に向け期待を残す出来であったと思います。

ここまで読んで下さりありがとうございます。
次回のMF編でまたお会いしましょう!

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