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お誕生日プレゼントに先輩からコンビニの商品券をもらったんだ。いまちょうど節約生活しているからこれを使って昼ご飯をまかなってやるんだ。

でもよく考えたらこれお釣り出ないから1,000円以上使わないと損なんだ。だから一緒に来てた2人にもなにか買ってやるんだ。

自分の弁当+3人分のドリンク+キャンデーで合計1,100円以下。素晴らしいチョイス。先輩の金でいい顔をしてやろう。

レジのおばちゃんに商品を渡す。
「レジ袋いりますか?」
必要以上にデカい声でいりません、と答えるとおばちゃんはいそいそと商品のスキャンを始めた。おばちゃんは商品をスキャンし終わると商品券のバーコードを読み取ろうとする。
いや、待ちたまえ、帳尻合わせのキャンデーをスキャンしていないぞ。
「スンマセンこれも…」
「あら!」
ピッ
スキャンされたのは商品券でした。
すごく嫌な予感がする。
画面を見ると974円-1,000円=0円となっている。
私は絶句した。
「あらやだ」と言っておばちゃんはレジをいじる。なにやら操作法がよくわかっていないようだ。
ウイーン
レシートが出現した。見たくない。
ピッ
「90円です」
許してください。私は何のためにその90円のキャンデーを買ったんですか?別にほしくもないのに。
しかし後ろにはレジ待ちの列ができている。おばちゃんもレジが不慣れでこの罪に気づいていないようで説明に時間がかかる&改めてのレジ打ちでいくら時間を消費するかわからない。

失った金額も踏まえて考慮した結果、私はなくなくその会計を受け入れることにした。

「10円お返しネ」
慣れない手つきのおばちゃん。泣きそうな表情の私。
するとおばちゃんとどめの一撃
「お弁当と袋いっしょでよかったかしら?」
おめえ早く引退しろ。


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