ロドリゲス

漫画を愛し、漫画に愛されたい男マチルダです! 漫画に携わりたく、絵が描けないので脚本…

ロドリゲス

漫画を愛し、漫画に愛されたい男マチルダです! 漫画に携わりたく、絵が描けないので脚本の勉強をして漫画原作者になる道を追っています。 小説や脚本をnoteには載せていこうと考えてます。 気軽に声をかけて下さい! 絵師さんや、漫画の作画してくれる方、大募集中です。

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人物 明神竜也(32) 三好潤三(48) 若い男A・B(20) 社員A(24) 警察官A(28)   ○路地裏(夜)    火の用心マッチ1本火事の元という声    と拍子木を鳴らす音が響く。    パーカーのフードを被った男がニヤリと笑い、マッチに火を点ける。何かを呟くが、車の音に隠れる。 ○竜崎ハイツ・明神竜也の部屋(朝)    テレビを見る明神竜也(32)。    画面には「殺人事件!20歳の女性が死亡。犯人は未だに不明!」 竜也「可哀想に」    顔を歪めながら呟

    • フォーゲットミーノット

      人物 井川司(5)(15)(16)(20) 山本愛(20) 司の彼女 井川優(30)(40) 司の母(故人) クラスメイトA.B.C 〇井川家・居間(夜)    居間の仏壇の前に、井川司(20)が座っている。井川優(40)の写真が飾られていて、ニコッと笑っている。写真の横には白地に青色の花柄がプリントされたハンカチが置いてある。 司「母さん、今年も花が咲いたよ」 司は悲しそうに呟いて、お線香に火を点け香炉に差し、正座をしてグッと握った両手を膝にし写真を見る。 ○(回想)井川

      • あいつと俺

        駅に着き、大学までの通い慣れた道を歩いていると、麗大ボクシング部の練習着を着た部員達がロードワークをしている。 4月にしては暑い気候と、部員とすれ違った際の汗の匂いは酷く懐かしく、思わず走り出してしまいたい衝動に駆られた。 ボクシングを始めた日も、同じくらい熱い春だった。 毎日毎日ひたすら、走って走ってまた走る。 足に豆が出来ても、その豆がやぶけて血が出ようとも走り続けた。 何度も何度も辞めようと思った中、隣を見るとあいつが、ニコニコしながら走ってたんだ。 あいつ

        • オールドチャンピオン

          あの夏の日、俺は頂点に立った。3年のインターハイで大接戦の末、相手を下し、俺はライトウェルター級のチャンピオンになった。あいつはライト級の頂点に立った。 それから3日後、俺はあいつとボクシング両方を失った。 ミーンミンミンミーン。例年よりうるさく感じるセミの声で、無理やり現実世界に引き戻される。俺は、まだ寝ていたいのに、暑さとセミのうるささがそれを許さない。 クーラーのリモコンを酒と灰皿の間に見つけ、エアコンをつけて、横になる。一向に涼しくならない……むしろ暑い!俺は上

          日常

          結依は成仏した。あの日から、みんな、それぞれの日常を生きている。 蝦名さんは、あの後、俺にお礼を言いに来てくれた。 君に出会えたのは、人生で2番目に幸運な出来事だった。と言ったので、じゃあ、人生で1番の幸運は?と聞いたら、照れ臭そうにして、笑ってごまかした。もちろん、答えは分かっている。 それと、1つ苦情をもらった。あの日から、どうやら霊感体質になったみたいで、度々幽霊を目撃するということらしい。 それは、治しようがないので、困ったことがあったら来てくれ。と言ったら、

          またいつか

          それからしばらく、二人は、抱き合っていた。 どんなに、この瞬間を待っていただろう。 どんなに、あの日を悔いただろう。 どんなに、謝りたかっただろう。 あの日、起こったこと、今までの思い、全てがこの瞬間、報われるような気がした。 「結依……本当にまた会えるなんて……夢みたいだ」 蝦名は涙を浮かべ、微笑みながら言った。 「ふふ。本当だね。私、ずっとずっと、この日を夢見てたの。 もう一度あなたに、会いたい。あなたに、会って謝りたいって、ずっとずっと願ってた。でも、何

          またいつか

          再会

          街灯に照らされて、こちらに近づいてくるのは、やはり蝦名さんだった。 ゆっくりと1歩ずつ、確実に歩みを進める姿からは、ある種の決意を感じさせられた。 俺は、正直ほっとしたんだ。もし、来てくれなかったらどうしよう。本当に蝦名さんを、結依を救えるんだろうか。突然、押し掛けて結依が成仏できてない!って騒ぐし、得たいの知れない、キモイ奴だって思われてるかもしれない。 色々な不安が頭の中を駆け巡っていたんだ。 でも、蝦名さんの姿を見て、浮き足だった自分から、いつもの自分に戻れたん

          告白

          海老名さん宅を後にした後、俺は、結依に報告をしにいった。 結依はいつも通り、ブランコの上にいて、俺を迎えてくれた。 「海老名さんに会って来たよ」 「うん」 結依は不安な顔をして、俺をじっと見つめている。 「海老名さん、結依のこと忘れてなんかいなかったよ。結依が死んだのは自分のせいだって、ずっと自分を責めてた……」 「うん」 「だけど、ずっとずっと、結依を思ってたって。毎日結依のために、線香をあげてたって」 「うん…うん……」 涙を浮かべながら、何度も何度も頷

          戦い

          何だろう。 この月に数回訪れる、胸の高まり。 抑えようにも抑えない、この思いはいつもあの場所を思う。 そうそれはスーパー! の半額寿司(笑) 半額された500円程度で、1人前の寿司が食えるお得感は、ちょっと異常だと思う。 半額惣菜は沢山あって嬉しいけど、寿司は王様。 しかし寿司の半額Timeは戦争。 忙しくなるな。 ライバルはこの街に住む、寿司好き全員だから。

          苦悩

          俺は、大人になってから初めて、幽霊の頼みを聴くんではないだろうか。 幼い頃は、幽霊を怖いもんだとも思わずに、一緒に遊んだり、簡単な願いは叶えてきた。 でも、いつしか、それもしなくなり、霊なんか邪魔者以外の何者でもなくなった。 だけど、俺は今、幽霊の為に動いてる。もちろん結依だからだけど、最初からこうなる運命だったのかもしれない。 霊なんか知らねー。って思ってても、知らず知らずに霊のいる方に引き寄せられ、結局は霊の為に動いてる。でも、それも悪くはないかもしれないと今は思

          激震

          俺のお気に入りだった、静かな公園はもうない。今や、夜な夜な幽霊が大量に集まる`幽霊大運動会会場´と化している。 俺以外は皆、幽霊だが唯一の人間件、霊能力として俺は幽霊達とも、上手くやれてるように感じる。 あんなに厄介だと思っていた連中だったけど、いざ話してみたら、思っていたより皆、きさくで話しやすかった。少し驚いたけど、考えてみれば皆、元人間だから、ちゃんと話せば分かり合える。 今まで、ただただ厄介な連中に思えていた俺には、この事実がたまらなく嬉しく感じた。幽霊だって元

          やさしい時間

          あれから、変わらずチョコチョコ結依の元には、通っていた。しかし前と比べて変わったのは、公園の幽霊が結依以外に増えていることだ。 俺の霊力の影響で、幽霊を引き寄せてるのか。しかも集まった霊達は、驚くべきことに、みんな結依の虜になってるみたいだ。 今日も、公園でワイワイやっている。 おっさん幽霊 おっ。現代の安倍晴明が来なさったぞ 小太りのおっさん幽霊がちゃかしてくる。 伊織 うるせぇ。ん?なんかお前見たことあんな 目を凝らして良く見てみると、なんだか見覚えのある

          やさしい時間

          彼女は人気者

          あの夜から、俺は前にも増して公園に通うようになった。 最初は、珍しい幽霊もいるもんだと思って、興味本意で通っていたが、段々と彼女の人柄に惹かれていくのが分かった。しかも、ガッキーと名前が同じ……。こいつは、本当に偶然だ。 絶世の美女の幽霊に魅せられた男が、女に会いに、健気に通った挙げ句、幽霊に精気を吸い取られる。良くある怪談話だが、少し気持ちが分かる気がする。 まあ、俺の場合、霊能力者だから、幽霊だって分かってるし、精気を吸い取られてはいないけど。 ただ、男は本当に美

          彼女は人気者

          幽霊との交流

          家に帰った俺は、しこたま酒を飲んだ。ビール、焼酎、日本酒、ウイスキー。チャンポンにチャンポンを重ねた結果、まぁ、案の定吐いた。 マジで気持ち悪い。さすがに飲みすぎた。最後にウイスキーに日本酒を割ったのが悪かったのかな。 フラフラになりながら、なんとかトイレから出た俺は、外の空気にあたりたくて、家を出た。 俺には、最近お気に入りの公園がある。町の外れにある、その公園はブランコがあって、滑り台があって、ジャングルジムがある。 まぁ、少し小さいがそれ以外は至って普通の公園だ

          幽霊との交流

          柳田少年と幽霊と美女

          幽霊なんか大嫌いだ。俺は、こいつらが見えるせいで、随分と損をしてきた。歴代の彼女には、橘君といると、寒気がする。誰もいないのに一人で喋りだして怖い。付き合いだしてから悪夢を見る。これ以外にも枚挙に暇がないほど、幽霊のせいで気味悪がられてきた。 今日だって、やっとの思いで出来た新しい彼女とのデートに向かうため、町を歩いてたら、おっさんの幽霊達が俺を見つけて おっさん幽霊 よう。お前、見えてるんだろ~。分かってるんだぜ~。なぁ、ちょっと願いがあるから叶えてくれよ 伊織

          柳田少年と幽霊と美女