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ごじゅーいちのてならい。

四十の手習いとは言うけれど

いくつになっても始めるのは遅くない
とか
四十の手習い
とか

まあいろいろ言いますが、実際に始めるのはなかなか難しいもんです。
忙しいとか、いまさらとか、お金がとか、言い訳いろいろしのごの。

私もここ何年か、ギターや三味線…なにか弦楽器やりたいなーなどと言ったり思ったりしてきて、その割にご多分に漏れず言い訳しのごのでずっと手をつけずにいたんですが、この夏とうとう

ウクレレ、始めました。

四十どころか、五十一の手習いです。
でも、めっちゃくちゃ楽しいです。
毎日、目から鱗のような気づきがある。

ほんときっかけはささいなことでした。でもそのささいなことこそ大事なのかもしれません。
大上段に構えて始めるぞ!より、あれなんかやってみる?くらいのほうが。

どうでもいいけど私の音楽遍歴(飛ばしていい)

音楽はね、好きだったんですよ。

3歳の頃、ピンクレディーのアルバムを親にかけてもらってコタツの上でワンマンショー開いてたんだって(覚えてねえわ)。

中学生のときは、吹奏楽部と合唱部。高校生のときは吹奏楽部。大学には残念ながら吹奏楽部がなかったので漫研に入ったけど、あれば吹奏楽部入ったと思う。オーケストラはあったんだよな、でもオーケストラはちょっと違うんだな。

大学時代に演奏することからは距離を取って、聴く一方で、このころはラジオばかり聴いていた。
未だに洋楽には疎いけど、ふんわりざっくり当時(80年代後半〜90年代)のヒットチャートは掴めてるのはラジオのおかげだと思う。佐野元春、渋谷陽一、ピーター・バラカン、ジョン・カビラ。
あと、このころ仲の良かった先輩がハードロックにドハマリして、いっぱいいっぱいいっぱいCD聴かされた(当時はそんな好きじゃない、と思ってたけど、今になると感謝だな…)。ボン・ジョヴィ、AC/DC、ヴァン・ヘイレン、エアロスミス、ガンズ・アンド・ローゼズ。ジャーニーも借りた記憶がある。ハードロックは先輩ほどは好きにはなれなかったけど。シン・リジィとかも聴かされた記憶。曲はほぼ覚えてないが。

就職してからは同じ部署の人がベースをやっていて、その人からはジャズやフュージョンを聴かせてもらった。一度だけT−SQUAREを聴きに行ったなぁ。オルケスタ・デ・ラ・ルスや上々颱風なんかも行ったなぁ。

そうこうするうちに演劇にハマって、生活の中での音楽の比率はどんどん下がっていったんだった。

劇場には年に100回以上行ってたのにライブハウスなんてほんと年に数回行けばいいかな~って生活を20年も過ごした果てに、今さらになってここまで音楽中心の生活に変わるとはちょっと予想できなかった(勘三郎さんが亡くなったのが大きな転機…ご存命なら今でも髭男もRADWIMPSもあいみょんもハチもAdoもAimerもYOASOBIも知らない歌舞伎阿呆をしてたと思う)。

音を奏でたい

弾き語りのライブに行ってると、自然、自分でも弾きたくなるんです。

ここ数年、何度かギター習おうかなぁ…と思ったことはあったんだけど、家庭環境的に実家暮らしで大きな音が出しづらいのと、弦楽器へのトラウマが尾を引いて実行には至らなかった。

というのも、中学生のときに一度、クラシックギターに挫折してるんですな…。わざわざ買ったのに。教則本も買ったのに。
自己流でやろうとしたのがいけなかった。どうしてもコードの概念が理解できなかった。あと物理的に手が届かなかったのは大きい。
挫折に弱い中学生、あっという間に諦めました。

かあさん、僕のあのクラシックギター、どこに行ったんでしょうね…

今はいいねー、YouTubeにいっぱい教えてくれる人がいる。昔はほんと本か教室に頼るしかなかったんですよ。あのとき勇気を出して母にギター教室に通わせてくれって言えたら今は違ったかなあ。
(ちなみになんでやろうと思ったかというと当時、アルフィーにドハマリしてたから)

吹奏楽部や合唱部を経験してるので音楽を奏でることが嫌いなわけじゃない。カラオケも好きだし。
ライブハウスの企画で素人の遊びみたいなもんだけど、みんなでアカペラやったり、ハモニカ吹いたりしたこともある。

それでもなかなか踏み出せなかった。
ダイエットは明日から!って言ってる肥満児みたいに、頭の隅っこにやりたいなーって気持ちだけペンディングしてた。

それがどういうわけか、この夏、急に始めてしまいました、ウクレレを。
きっかけは5月のステイホーム期間中に本屋でこれを見かけたことでした。

へー、ウクレレって、作れるんだ…

このときもまだ、買ってもなあ、やるかわかんないしなあ…って見送ったんだけど、6月にある方の誕生日にプレゼントしてみたところ、ご家族共作の超かわいいウクレレが出来上がっていて、しかも、音も悪くなさそう。

人に差し上げておいて自分で作らない手はなかろう(なんか順番が逆な気もするけどさ・笑)と、8月の緊急事態宣言を受けてほとんどのイベントやライブが飛んじゃって時間ができたときに夏休みの自由工作気分で作ってみた。

製作過程は別でまとめてるのでこちらをどうぞ。

できあがったウクレレはこんな感じ。
じゃじゃ~ん。

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かわいいでしょ!?

カッパのコタロウくんのシールを使わせてもらってツイートしてたらコタロウに見つかって「コタレレ」と命名してもらいました。


作ったからには弾こうじゃないの

今は便利な世の中でウクレレ教室の初回~3回くらいで習うようなことは無料のYouTube動画で覚えられちゃうんですね~~。

ガズレレさんの動画をベースにいよいよ弾いてみた。
(You Tubeで習おうとする人はまず最初にガズレレに出逢う気がする…)

ガズさんはとにかくやってみよー!派なので、ストロークについては他の方の動画もかなり見た。
トモSunはわかりやすかった。


で、やり始めたんだけど、どうもなんか違う気がする…

めっちゃ左手の指先が痛い! 切れそう!
3日くらいで指先の皮がベロベロになっちゃった…こんなにみんな辛い思いしてるのか…???

続けられないぞ、こんなのー(ぴえん)

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(これはもうだいぶ治りかけのころ。あまりにずるむけて、なんとスマホの指紋認証ができなくなったという…今はもうできます!)

どうも変だなあと思ってあれこれ確かめてみたらですねー、安いキットなので弾きやすい弦高になってなかったらしくて。
1フレット側がなんと3ミリくらいある。
サドル側で4ミリ。
(一般的に弾きやすいとされるのが、1フレット側0.75〜1ミリ、サドル側2.5〜3ミリ)
弦をフレット棒のすぐそばに当たるくらい押さえなきゃいけないんだから、そりゃ離れてるほど力はいるよな。

弦高調整のブログや動画を見た限り、サドル側のセル棒は底面を削ればよく、1フレット側のナットは溝を削ればよいらしいのであれこれ試してみたんだけど…そんなに簡単には低くならないし、溝は削りすぎると今度は弦が溝の中で揺れて「ビビリ」という状態(びびびび~んってなる)になってしまう…ぬおおお、これ、直すの無理じゃない??

新しいウクレレを買い足しちゃった!!

数日で痛みのガマンの限界を超えたので、ともかく「弾きやすい弦高」ってのを調べに行こう!と、会社帰りに山野楽器さんへ。

今、対面で買う人ってきっと少ないんですね。安いウクレレがほとんどなく、50000円以上するものばかり並んでる…うっ、試奏しづらい。二桁するのとかもあるー!ひー!(でもフライングVの形してるやつとかほしーい!)

躊躇しつつもふと足元を見ると、KIWAYAのウクレレ、カバー、チューナー、教則本がセットになった、初心者向けキットが!
本体も出てたのでお願いしてこちらを試奏させてもらう。

ちょっ、なんこれ、全然、力いらんやんけぇええぇえ!

あんまり楽ちんなので大笑いしてしまった。
わーわー騒ぐ私を不思議そうに店員さんが見てたので事情を説明して、件の弦高を告げた途端、絶句されました。そりゃそうよね(笑)

しかも、音が全然違うよ~~~。柔らかいよー!

キットのはおそらく本体はベニヤ、ネックは多少丈夫でしたがさすがにマホガニーなんてことはなかろう。
KIWAYAのは初心者向けとはいえマホガニー(ボディは合板)。サドルもナットも牛骨。
そりゃーちがうよなーー!

こりゃ、あのキットで弾いててもダメだ、とその場で即決。KIWAYAちゃんを連れて帰りました。
キット完成から10日後のことでした(笑)

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見比べるとわかりますが、左のキットのほうがボディは大きいのにネックは短い不格好…。チューニングも確かに合いづらいはずだ…。
結局、コタレレちゃんはこのままではだめだ!ということで、Amazonで牛骨のナットを取り寄せ、付属のナットは剥がして替えちゃいました。
溝はPカッターでうすーく削り、底はヤスリでかなり削り…それでもまだ今、弦高1.5ミリ位はありますが、前よりは弾きやすくなりました。

練習はKIWAYAで、緑のコタレレは野外や遊び用にするつもりです。
真面目に続けるならやっぱり試奏して、予算の中でも弾きやすいものを探すべきだなーと思った夏休みでした。
(ちなみにKIWAYAのセットはチューナーもカバーもついて12000円でした。ちゃんと店員さんが音程チェックしてくれますしね)

というわけで。
いきなり2台持ちになる展開ですが(笑)そもそも作ってみなきゃ弾こうとは思わなかったので(最初から買う気はなかった)、キッカケなんてどうやってくるかわからんもんだなーと思います。

新たな視点を得る

さらに、自分でやるようになってみて、ここのところずっと聴いて&見てばかりいた音楽の演じることの大変さも身体でわかるようになってきました。

チューニング。
身体のリラックス。
姿勢の正しさ。
汗!(ガチで1時間も弾いてると汗ビッショリです。もう聞間さんを笑えない…)
暗譜しきれないお年頃(笑)
気持ちよく遷移するコードのパターン。
左手と右手のつながり。
アルペジオってくっそ難しいな! タブ譜読めねーな!

これからは弾き語りアーティストのライブを見るのも以前よりさらにリスペクト強くなりそうです。

…ほんとだよ?(笑)

「いくつになっても新しいことは始められる」は本当だった

実際にやってみた今、ほんとだったな~ってそう思います。
2カ月ほど経ちますが、最近は課題曲を決めて1日1〜2時間ほどコツコツ練習しております。
私、大変に飽きっぽいので、

・エイトビート練習曲
・4ビート練習曲
・シャッフルビート練習曲
・アルペジオ練習曲

とテーマごとに課題曲を決めて、ちまちまちまちまやっております。
今は「ハナミズキ」「上を向いて歩こう」「SWEET MEMORIES」「デイ・ドリーム・ビリーバー」「Hallelujah」ってとこですかね。

つい数日前から佐野元春の「SOMEDAY」を練習し始めまして。
これ、コードそのものは割と簡単なんですが、三連の変拍子のところがあって、そこに来ると途端に歌えなくなるという、弾き語りあるあるの壁にただいまぶつかっております。

吹奏楽部の基礎練習が大嫌いで逃げまくってた高校時代から早30年、こんなところでサボってたツケが来るとは!(笑)でも毎日、あれをやろうこれをやろうと考えるのは楽しいです。

ウクレレは比較的音量は小さいので(とはいえ、KIWAYAに変えたらコタレレの倍くらいの音量でビビったけど)、部屋でも練習しやすいです。
4つくらいのコードが覚えられれば結構な数の曲が弾けますし。
COVID19禍に入って、アコースティックギターの売れ行きが伸びてるそうで、多分、ウクレレもじゃないかなー?
ギターでもベースでも、ウクレレでもなんでもいいんだけど、皆さんに「きっかけ」が来たらその尻尾をギュッと掴んで、日々の楽しさを増やしてみてはどうでしょうかね。

音楽は聴くのもやるのも楽しい!

いまさらの発見に日々、喜んでます。



いただいたサポートは私の血肉になっていずれ言葉になって還っていくと思います(いや特に「活動費」とかないから)。でも、そのサポート分をあなたの血肉にしてもらった方がきっといいと思うのでどうぞお気遣いなく。