ドライヴ

2017/2/17 ☆4.5
(ネタバレ有ります)

「ラ・ラ・ランド」も近々だし、明日は「ナイスガイズ!」だなあ、ライアン・ゴズリング予習しとこう。
そんなノリで借りてきた。
先輩もドライヴのゴズリングは最高にかっこいい、濡れるとのこと。
一緒にL.A.ギャングストーリーも借りたかったのだが、どうやら先客がいたようだ。
でもこれはまた別の話。

さて、「ドライヴ」。
いやもうこれ抱かれても良い。
いやいや、抱いてくれ、ゴズリング。お願いだ。
そういうのも過言ではないくらい最高にクールな映画だった。

全編を通してライアン・ゴズリング扮するドライバーの名前は出てこないし、セリフも数えるほどしかない。
それなのに、ゴズリングの表情と間、照明などが合わさって、雰囲気が全てを物語ってくれている。
冒頭、主人公のドライバーは寡黙でクールな印象を受ける。仕事のルールや自分の領分を厳格に決めていて、まさに仕事人だ。
しかし、あの隣人と出会ってしまってから、恐怖や狂気が現れるようになってくる。
あの凶行、なのにドライバーは顔色ひとつ変えない。

エレベーターの一度きりのキス。
エレベーターに乗り込む彼の背中は何を言いたかったのか。

「ドライヴ」における暴力はアクションというよりホラーの印象を受けた。
暴力に溢れた今の映画たちからは感じられない、現実における暴力とは恐怖なんだと。

ゴズリングが銃をぶっ放して、暗闇からあの綺麗な顔が照明にあたると血塗れ、あの顔が現れたとき、背筋がゾッとした。さらに微笑を浮かべるドライバー。
エレベーターで敵をぐちゃぐちゃにしたときも、だんだん肉の潰れる音に変わっていく。

なんて素晴らしい演出だろう。

この不思議なおしゃれな感じはなんだろうと思ったら、監督も音楽も「ネオン・デーモン」の人だった。納得。

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