【書評】文系でもプログラミング副業で月10万円稼ぐ!

結論から言う。タイトル詐欺と言っても過言ではないレベル。

本書はごく簡単なHTML、CSS、JavaScriptの説明をしながら、ペライチのLP(ランディングページ)を作るのがゴールとなっている。

「はじめに」に書かれている一文を引用する。

本書では、その謎の文字列を用いて、次図のような「ランディングページ」を自力で制作する力を身につけて、副業収入を得てもらうことをゴールとしています。

本書を読んでも「プログラミング」のスキルはほぼ学べない。「謎の文字列」を用いて、LPを作るために必要な手順を書き連ねているだけだ。

確かにプログラミング副業の入り口としてLP作成という切り口は、5000億歩譲って理解できるが(?)、本書で完成するLPでクライアントが満足するとは到底思えなかった。

デザインも非常に質素で「えっ、これで完成…?」と口に出てしまうほどである。

というか「はじめに」に書かれていた次図を見て「えっ…えっ??えっ…?えぇ……?えぇ?????」となった。

5度見した。2019年にこれで月10万円稼げてしまうのか。
(まぁ稼げてしまうので書いているのだろう…たぶん、おそらく、きっと)

なお「月10万円」の内訳としては、LP作成1案件の平均単価を2万円前後と定義して、2〜3時間で作成できるため(?)、土日を使えば副業的に「月10万円稼げる!」という概算らしい。

しかしながら、本書ではクライアントとのやり取りに関する言及が割愛されている。そのため「簡単なLPが作れる = 月10万円稼げる」と結論付けるには根拠の土台があまりに弱すぎる。経験者から見れば、実に短絡的な構図である。

さらにLP作成の概算2〜3時間というのも、おそらく単純な開発工数での見積もりと思われる。実際には案件受注、クライアントへのヒアリングや要件定義、仕様確認、デザインチェック、テスト、納品など、開発以外の工数が必ず発生する。場合によっては差し戻しが繰り返し発生するケースもありえる。そして最悪の場合はポシャる。

その上で、副業としてこのスキル感で月10万円を稼ぐというのは、決して容易ではないことが明白に感じ取れた。あなたがエンジニアであれば、終始眉根を寄せながら読むことになるだろう。

もちろん長期的に見れば、表紙に言及されているような「コスパ最強の副業」と言えるかもしれない。……が、本書を読み終えただけで稼げるという保証は一切無い。そういった点をよく理解した上で読むべき本である。

追記:重大な点を見落としていた。本書ではサーバー環境構築まわりの話が出てこないため、ローカルでのHTML作成&ブラウザ表示確認で完結していた。作成したLPを外部公開するための手段は、また別で学ぶ必要がある。せめてドメイン取得やレンタルサーバーなどの話にでも軽く触れてもらえると救いはあったのだが…

「文系でもプログラミング副業で月10万円稼ぐ」というタイトルを掲げるのであれば、以上のような要素が絡むことを、本書内でもう少し伝えて欲しかった。

総括すると、個人的にはおすすめできる本とは到底言えない。蛇足となるが、冒頭に貼ったAmazonリンクもアフィリエイトリンクではない。察して欲しい。

追記:noteの仕様でnoteのアフィリンク付いてた(´・ω・`)

noteに貼ったAmazonリンクに見知らぬアソシエイトタグが勝手に付与されていた件

この記事を読んで、何かしら感じるものがあれば幸いである。


投げ銭すると翼が生えます。