平常心の在り方。
わが家のJCは受験生。
はっきり言って勉強は苦手な子である。
先月行われた三者懇談。
それはもう厳しいお話の嵐で、私の方がかなり落ちこんでしまったのであるが、本人はというといつも通りの表情であった。
ちなみにいつも通りの表情というのはコレだ。
( ˙-˙ )
希望する高校は正直相当厳しいと先生は繰り返し仰っていたし、志望校を下げるのが現実的なのは誰が考えても同じだという状況なのであるが、ちゃっかり本人はピクリとも表情を変えぬまま、「いえ、この学校しか考えてません。」と譲らない。
「あんたな!この状況でなんで平常心やねん!聞こえてますかー!!」
私の心の声がうっかり出てしまったのは無理もなかろう。
「お母さん、ここまでやりたいことがはっきり決まっているお子さんを見るのは初めてです。好きなことをやりたいってことで志望校を決めてるんですね。大体の受験生はやりたいことがあっても、ともかく無事に入れる学校を優先して考えるのがこの時期なんですけどね。だけどやっぱり本人が好きな道を選ぶのが一番いいのだと思いますよ!」
先生も呆れておられるのだろうな。
もう笑うしかない。
何が何やらの三者懇談は終了したのだった。
そんなこんなで、もう後がないという崖っぷちの道を前進するしかなくなったJC。
正月の元旦を除く全ての時間、コリコリ鉛筆の音を立てながら勉強を始めたのだ、ノロマな亀さんは。
「今から始めて間に合うのかよ!」
家族のそんな声など全く気にしない様子で。
そして冬休み開けの実力テストの結果が全て返ってきたのが昨日のこと。
5教科で100点近く上げてきたのだ。
1教科平均だとおよそ20点ずつ。
「相当厳しい、志望校に受かるには、あと何点必要だ」と言われていた点数キッチリの数字分、得点したことに対して学校はどう思ったのだろう。
年末の三者懇談での会話が思い出され、モヤモヤする私にちゃっかり本人は。
「担任の先生がね、めっちゃ勉強したでしょ!?すごいすごい!めっちゃ上がってた!って言いに来てくれてね!他のクラスの先生にもね、ちゃっかりさん、今回めっちゃテスト上がってたね!!って声をかけてもらったの!」
( ˙-˙ )
からの
(*´︶`*)
である。
今まで勉強で認めてもらったことなどなかった子の心の奥底の気持ちは、表面上だけでは計り知れない。
すごい繊細だとか、熱い頑張りやさんだとかいうキャラでないタイプの子が他人から理解してもらうには時間もかかる。
今回の件で、誰にでもわかりやすい努力の形というのが、テストの点数なんだという現実を肌で感じたのだとしたら、しょっぱい体験なのかもしれないが、自分を見る他人の目を変えるという経験を積んでいくことは大切。
人の心は移り変わりやすいもの。
自分にとって、心地よい風を感じる時も、逆風に向かって泣きたい時も、何かのきっかけで世界が自分に優しくなることもある。
逆転サヨナラホームランみたいな美しい奇跡じゃなくてもいい。
「あぁ、アイツか、、、もう無理やな。」
そんな心無いヤジが聞こえる中で立つ最終回満塁のバッターボックス。
飛んできたボールをバットではなく身体に受けて「アイタタ、。、」と言いながらの逆転サヨナラ。
それだって勝ちは勝ち。
むしろ人々の記憶に残る。
……ってこういうことを上手くちゃっかりに伝えられたらいいけど、野球のルールをそもそも覚える気もないのだから、自力で道を切り拓いてもらうしかないわけだ。
私がこうして完全なるひとり芝居をnoteに書く動機は、平常心を取り戻そうとするセコイ親心である。
いつも通りの顔文字の表情を保てるちゃっかりの方が、実は平常心を保つプロなのかもしれない。
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