そんなところで主張しないでほしかった

頰の下あたりにシミが出来始めているのに気付いたのは、次男を出産してからのことだった。

「うわ」

薄っすらとしたシミに、思わず心の中で声を上げる。当時、まだ20代。シミの存在がショックだったこともある。でも、それだけではなかった。

わたしの母親には、まったく同じ箇所にシミがある。現れたきっかけは知らない。いつからそこに鎮座しているのかも知らない。だけど、わたしのシミとまったく同じ位置に、同じような形のシミがある。


鼻の上、目に近い部分には、いつかはっきり現れるのだろうなという、小さな小さなホクロがある。これも、はじめて見つけたときは「うわ」と思った。

父のまったく同じ位置に、はっきりとしたホクロがある。そして、父方の祖母にも。

いつかわたしの小さなホクロも、ある程度見える大きさまで成長するのかなあ。なんて思っている。


ふだんの生活の中で、わたしはあまり「親子だなあ」とは感じない。父と母の特徴を偏ることなく受け継いだわたしの顔は、どちらかに明確に似ているわけでもない。「似てるね」と言われたことも、これまでにほとんどなかった。

どちらかというと、内面的な部分で「親子だなあ」と感じることの方が多い。ものの考え方であったり、好むテレビ番組であったり。


それでも、やっぱり親子なのだなあ。

シミもホクロも喜ばしいものではまったくない。お金が許すならシミは消し去りたいと思う。だけど、こうして何かが親に似ていくのかなあと考えると、それはそれで、「そういうものなのかなあ」という気持ちになる。


子どもに、「わたしの子どもだなあ」と思うことは、まだほぼない。異性だということもあるかもしれない。けれども、いつの日か、「親子だなあ」と感じる日がくるのだろう。そのときに浮かぶのは、微笑ましい笑みなのかな。それとも、苦笑いなのかな。


それでもやっぱりシミは憎らしくて、ついそこにだけ下地やファンデーションをたくさん塗ってしまう。

母も同じだったのかな。……なんて思いながら。

#エッセイ #コラム #雑記 #わたしのこと #思っていること #親子

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卯岡若菜

宛先のない手紙 vol.2

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