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「好き」を言えない

好きなものを、「これが! 好き!」と表明できる人が羨ましい。その言葉には、こちらまで嬉しくさせるエネルギーが含まれている。だから、誰かの「好き!」に触れるのが、わたしは好きだ。

そんなわたし自身は、「好き!」を言うのが苦手だ。好きになればなるほど、「好き!」と言えなくなる。

わたしの「好き」は、デリケートだ。相乗効果が得られる人には伝えられるけれど、 基本的には自分の中で大切に抱え込んでしまう。自分の部屋でだけ大切に愛でているような、そんな感覚だ。

誰かに侵害される怖さと、生の感情をさらけ出す怖さとが同居している。好きって、心が丸裸だと思うのだ。

あと、もうひとつわたしの中にあるのは、「好きだけれどマニアには至ってはいない」という自覚。マニアの人がいるジャンルであればあるだけ、「好き!」と言えなくなる自分がいる。……面倒くさい人間だね。

そんなわたしなので、「好き!」を共有できる相手を見つけたときは、さながらしっぽを振る犬になる。自分から発信できないため、発信している人にすり寄っていくばかりなのだけれど。すり寄られた人は、やさしく迎えてくれたら嬉しい。


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