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嘘と本当、善と悪

嘘ついたらハリセンボン飲ーます、指切った、とか。

嘘つきは泥棒の始まり、とか。

嘘はいけない。嘘つきはよくない。そんな風に、子どもは教わる。わたしも子どもたちに「嘘をつくな」と教えている。嘘が発覚して叱ったことも、何度も、何度もある。

嘘のほうがよかった。

そんな言葉を見た。正直さを「ずるい」とする声だった。そもそも、元の言葉が本当なのか嘘なのかは本人にしかわからないのはさておき、少なくともその言葉が本当だったとして、その場では本当のことを言ってはいけなかった、とその人たちは感じたらしい。

自分を正当化させるため、つらさから逃げるための正直がある。相手を守るための嘘がある。使い分けはむずかしい。相手の性格、相手との関係性によっても異なる。みんなはどうやってさじ加減を学ぶのだろう。

すべてを白にしなくてもいい。反対に、黒に白を混ぜたっていい。

嘘はつかないけれど、本当のことも言わない。そんな選択肢だってある。上澄みを掬って見せるだけだ。加減さえつかめば、掬いとるのはむずかしいことではないだろう。

誠実ってなんだ。嘘つきは不誠実なのか。嘘をつかないひとなんているのか。そんなことを考えている。

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