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豊洲スマートシティ構想の実証実験として開発したマルシェ用のARナビゲーションアプリをアップデート。Magic Leap 2や都市OSを活用し、UXを向上。

アップフロンティア株式会社(代表取締役社長: 横山 隆之)は、豊洲スマートシティ推進協議会 代表企業 清水建設株式会社(代表取締役社長: 井上 和幸)、株式会社インフォマティクス(代表取締役社長: 齊藤 大地)と共同でスマートシティでの活用を目的としたARグラスによるナビゲーションアプリを開発しました。
本プロジェクトは2022年1月からスタートし、4月にメブクス豊洲で開催された「豊洲場外マルシェ」での実証を実施。
今回はハードウェアを刷新して屋外利用の最適化とUXの向上を目指し、段階的に一般ユーザーへの体験公開を行う予定です。

豊洲場外マルシェARの表示イメージ

開発背景

豊洲エリアは2019年5月に国土交通省スマートシティモデル事業において、先行モデルプロジェクトの都市として選定されました。
また翌2020年7月には東京都よりスマート東京先行実施エリアプロジェクトに選定されるなど様々な先端技術の導入に取り組んでいます。

前回はその一環として、観光・購買体験の最適化を目的とした評価用デモアプリを3社共同で開発しました。
今回はターゲット・コンセプトに「ARグラスが普及した未来を見据え、豊洲に住んでいる方々がより快適に周辺環境・施設を活用して過ごせる為のナビゲーション」を目的とし、様々な機能の追加を行いました。また、デバイスには近日発売となるMagic Leap 2を採用し、ARグラスとして初めて登場したディミング(調光)機能を活用して、屋外でも快適に利用できるマルシェARガイドを目指しました。

アップフロンティアの担当内容
 ・観光・購買体験に最適なデバイスの評価・選定
 ・屋外への最適化(Magic Leap 2の機能・特性を生かしたUX提案)
 ・評価用デモアプリの開発

※ 都市OS … スマートシティ構想を支えるデータ連携基盤。豊洲エリアの魅力・施設、スマート化された食や移動などの都市機能をつなぎあわせ、街の課題を解決するとともに、多様な施設・個人が共存共栄しながら、未来の働き方、住まい方、遊び方を実現する「ミクストユース型未来都市」を目指しています。
※ Magic Leap 2 … Magic Leap社が開発したARヘッドセット。ヘッドセットを装着することで、目の前にある現実の世界とデジタル映像やデジタル情報を重ねて表示することができる。旧モデルより約20%軽く、視野が2倍広くなり、より現実世界との馴染みがよくなっています。

Magic Leap 2 着用イメージ

開発概要

前回のアプリに対して、最新のマルシェ情報の表示 および 周辺施設のレコメンド機能追加(都市OSとの連携) / 将来的な都市機能向上を見据えた、分析・レコメンド用 行動ログの収集 / Magic Leap 2 対応といったアップデートを行い、豊洲市場の新鮮な鮮魚や地方の青果を販売する「豊洲場外マルシェ」の商材を中心に、様々な機能追加でARナビゲーションをアップデートいたしました。また、先述の通り屋外利用のUX向上にあたり、新デバイス Magic Leap 2への最適化も行っています。

・お買い物/イベントガイダンス
人が集中するマルシェでもARグラス越しであれば販売商品情報をはじめとする付加情報を確認でき、同日開催のイベントやキッチンカー、ワークショップの内容も確認ができます。前回は店舗情報をアプリへ埋め込んでいましたが、今回のアップデートで都市OSと連携し、最新情報が取得できるようになりました。

マルシェでのARイメージ(枠はMagic Leap 2での視野)
都市OSと連携したトイレの満空ARのイメージ

・周辺レコメンド
豊洲の方々に「マルシェだけ」で体験が完結しないよう、お買いもの後も魅力的な豊洲の周遊を促す周辺情報を表示しました。現在は表示店舗数や、レコメンドの為のユーザーデータが少ないですが、将来的には個人の属性・行動に合わせたレコメンドの最適化を目指しています。

豊洲周辺レコメンドのARイメージ

・交通ガイダンス
交通結節点となる1階フロアに移動後の様々な交通手段へのアクセス方法をアナウンスするARコンテンツを実装しています。

1階フロア 交通結束点のARイメージ

・行動ログの収集
実験的に体験者の属性や、ARヘッドセット装着後の視線情報、アクション等の行動ログを計測し、ARグラスでのインターフェースに対してユーザーの方々がどういった利用をされるのかを研究として収集しています。今後の都市機能向上に向けたヒントの発見や、ユーザー行動の分析に役立てます。

AR表示にはアップフロンティアのAR開発サポートツール「CFA」でも採用しているVPS(Visual Positioning System)「Immersal」を使用しており、現地の地形にフィットした演出を実現しています。観光や地方創生にご利用いただけますので、興味のある方はお気軽にお問合せください。
AR開発サポートツール「CFA」:https://up-frontier.jp/cfa-sales

今後の展望

ハードウェアの発売情報や普及状況といった外的要因の情報も収集しつつ、本実証でのユーザーの行動ログ等からARヘッドセットを使ったUXの最適化検討やコンテンツの拡充を引き続き検討します。

国のデジタル田園都市構想や都市のオープンデータ発信など、ICTを通じた社会の改善機運が高まる中、技術屋として「何があると便利か、何があると楽しいか」を意識しながら今後も開発を進めていきます。

もし、スマートシティ×ARについて関心・相談がありましたらお気軽にご相談ください🙇

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