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UPHYCA 結成時 ステートメント

※この記事は2013年8月、ウフィカ結成時に谷崎榴美により書かれたものに修正を加えてあります。


先日Twitterでお伝えした「ソロ魔女グループ(みたいなもの)」の詳細を発表します。

魔女をはじめた当初は、なんとかしてどこかの流派に属して先輩の教えを請いたいと考えていた私ですが、最近はすっかりソロ魔女の立ち位置が気に入ってきて、一人は気楽でいいもんだなーと思っていたりしたのですが。そんな私が何故、今、魔女グループを結成するに至ったかと言えば、今年になって続々と産まれだしたソロ魔女たちが口にする「私がほんとうに魔女なんて名乗っていいのかしら…?」というまったくもってお門違いの不安と彼女たちのニーズに追いつかない魔女関係の情報の少なさと偏り、そして「本来の魔女運動」の動機から乖離した「伝統重視」の横行があまりにも目に余ったからです。

そもそも、魔女運動というのは、仕掛人であるガードナーやクロウリーやそのまた先輩のピッキンゲルそれにその他のたくさんの先輩達によるクリエイティビティと遊び心、そして「人間のあたりまえの感覚を取り戻したい」という時勢に対するちょっとした反抗心の下に再構築されたのが私たちの言わんとする魔女術なのであって、歴史なんてあってせいぜい百年か二百年くらいのものでしかないのです。

そのうえ私たちが暮らしているのは東の最果てニッポン。たとえ私たちが直輸入の魔女術を一生懸命トレースしようとしたとしても、例えるならアメリカ人が「OH!裏千家デハHOTなWATERをポッタリーにPOUR IN TOスルガーワビサビネ」とか言いながらソファーでグリーンティーを楽しんでいるような面白げな感じになり兼ねないのは、あたりまえのことなのです。けれども同時に、海外にもアニメや華道や茶道や禅の精神に強く共感する方々が少なからず居るように、私たちのなかにも、欧米の魔女術の精神に魅了されてしまってもうどうにも止まんないわっ!って人が居ても何ら不思議はありません。

何故なら今はGoogleがあってWikiがあってtumblrがあってFlickrがあって、たとえ英語が読めなかったとしてもいくらでも新鮮な資料が集めたい放題なんですから。実際のところ、私もインターネットで情報収集をしているうちにどっぷり魔女の世界に浸かっちゃったうちの一人。国書刊行会の魔女の世紀シリーズよりも、tumblrに流れる今の魔女さんたちの「今日のサバトの祭壇♡」なんて記事からの方がずっと多くの生きた魔法と生の熱意を学ばせてもらったように思います。

しかしながら海外の魔女をいくら忠実に完コピしたところで、やはり違和感は残りましょう。「日本で魔女は流行らない」とよく言われていたそうですが、当たり前です。なぜなら、そもそも現代魔女術というのは、日本を視野に入れてデザインされたものではないのだから。

魔女術がもしも現代儀式魔術のような、洗練され尽くした教義とスタイルの完コピを重んじるようなものであったとしたら、資料さえ丁寧に翻訳すればそれでも事足りたのかもしれません。でも魔女術は自然と交じり合う体感の術、本能の宗教です。自分なりの実践を続けるうちに、もしかしたら日本に生きている私たちが見落としているけれど現地に住む魔女さんたちが当たり前のように毎日感じている「何か」があるんじゃないかな、と私は思うに至りました。

それはいわば「ゲニウスロキ」のようなものとの交流。

そんなものはもしかしたら無いのかもしれないけど、もしかしたら有るのかもしれないでしょ?

もしも有るんだとしたら、みすみす逃すなんてもったいない!

そこで私はグループの名前を「ウフィカ」とすることに決めました。「ウフィカ」とはアイヌ語で「燃やす」という意味です。

2013年の日本に生きる私たちだからこそ出来る魔女術の可能性を探るために、おそらく世界初の日本製ソロ魔女グループ ウフィカは産まれました。

あえてジャンルを定めるとしたら
Jomonian Witchcraftってことにでもなるのかな?

ということで、ウフィカの概要をまとめました。
ざっと目を通してください。
参加資格のある方の中で興味をそそられた方、もしくは「参加資格あるかな…ないかな…?」って不安な方も、どうぞお気軽に谷崎にメールください。

願わくば、すべての月の娘達に、古の炎の女神の祝福がありますように。

2013.8.21 東京汐留
水曜日 雷まじりの水瓶座の満月の下で

LATHU ALUGOD
GIBU ALUGOD
BAPHOME-TERAS OROCHI *

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