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UPHYCA 結成時の概要

※この記事は2013年8月、ウフィカ結成時に谷崎榴美により書かれたものに修正を加えてあります。

■ウフィカの概要
縄文時代の女神が「火を産む女神」「生まれ、育み、食い殺す三相の女神」「自らの汚物と死骸から食物を生じさせる女神」などの様々な顔をもっていたことは大量に出土する縄文土器や土偶から読み取ることができます。彼女は現代に伝わる神話や民俗信仰のなかでは「イザナミノミコト」「オオゲツヒメ」「コノハヤサクヤヒメ」「山姥」「山姫」「竃神」などの名を借りて登場し、そのおぼろげな気配は今も私たちの心の片隅に受け継がれています。しかし縄文時代が無文字文化であったため、彼女の正確な名前を私たちは知る由もありません。そこで私は、まずは縄文人の末裔であるといわれているアイヌの「アペフチカムイ」(=火の老婆神)に彼女の面影を求めました。そんなこんながご縁となって、ウフィカという名前をアイヌ語からいただくこととなったというわけです。
でもあらためてよくよく考えてみれば、20世紀初頭の異教主義運動の雰囲気を現代の日本に置き換えるとするならば、仏教でも神道でも弥生時代でもない縄文時代の日本にルーツを求めることになるっていうのはしごく当たり前の、つまりは必然だったのかもしれません。
「人間と動物の純然たる違いは道具の使用ではなく、火を扱う事ができるかどうかである」という説があるそうです。

火は私たちにあらゆる恵みと庇護を授ける一方、一瞬ですべてを奪い尽くす猛威でもありますから、火の扱いには細やかな気配りと剛胆な行動力、そして未来を見通す想像力が必要不可欠です。
街中で生まれ育ち、簡単かつ安全にエネルギーを扱える環境に住居を構える私たちは、まるで火をすっかり飼いならしたかのような気分で日々を過ごしていました。でも火はそんな簡単に飼いならせるような代物ではないのだということを、2011年の春に思い知らされます。奇しくもuphycaとnuclearはゲマトリア換算すると同じ444という数になります。

このまま原発と共に生きて行くことになろうとも、すべての原子力発電所が廃炉になろうとも、いずれにせよ日本の私たちが残留放射能と共に今生を(もしかしたら来世すらも)過ごすことになろうことは、現時点でほぼ間違いないでしょう。私自身はこの問題について明確な主張を持ちあわせてはいませんが、縄文時代の出土品の大多数が東北地方に密集していること、そしてそれらからインスパイアされた火の女神を祀る日本の魔女グループが2013年に産まれたということに、わたしは少なからずの女神の意志と導きを感じています。

参加者は縄文時代の「火を産む女神」に献身し、各々が「現代の火の巫女」として日々を過ごす事となります。

◼︎ウフィカ参加者には三つのルールが課せられます。
「奔放であれ」「蠱惑的であれ」「創造せよ」

・奔放であれ
あらゆる戒律から自由であってください。
あなたを押さえつけるあらゆる柵を焼き払い、あなたをつなぎ止めるあらゆる枷をひきちぎり、あなたの内なる炎を蘇らせてください。
そしてこのウフィカの三つのルールすらあなたを縛り付ける事はできないのだということを片時も忘れないでいてください。
すでにご承知の事と思いますが、ウフィカは現代を生きる私がつくりました。ですからあなたを縛る伝統も無ければ戒律も存在しないのです。

・蠱惑的であれ
火の周りには自然と人々が群がります。そして夜の虫たちは本能に抗う術なく、危険を忘れ松明に吸い寄せられます。
火の巫女(=火の入れ物)である私たちもその名に恥じる事のないよう、何者にも抗えぬ魅力を発しましょう。

・創造せよ
無から有を生み出す創造力こそが、この世で最も美しく尊い力です。参加者は女神への供物として「なにかを生み出す作業」に日々勤しんでください。

◼︎ウフィカは三位階制です。
参入希望者は「未来の巫女」とよばれます。ここではまだウフィカの巫女ではありません。その後しかるべき課題提出とイニシエーションを経て、「奔放の巫女」「蠱惑の巫女」「創造の巫女」の位階に順に属してゆきます。

◼︎ウフィカはいろんな魔術・妖術・民間伝承・ヒーリング・魔女術のごった煮です。
「縄文」「巫女」などという言葉を連ねているので、ぱっと見、純日本趣味的な新興妖術結社のような印象を与えてしまうかもしれませんが、実践の場においては、巫女たちの提案する洋の東西を問わない新旧織り交ぜた様々な技法を自由に取り入れて、共に新しい祈りの形を日々模索してゆきます。それらの中から、未来のウフィカの術は生まれてゆくのです。

◼︎ウフィカは女性限定の魔女グループです。
多くの魔女グループが男性性と女性性のバランスを尊び男女同数のカヴンを好ましいとしている事は承知していますし、私もそれに大いに賛同しています。けれどもウフィカは原則として女性限定のグループとしました。理由としては、ウフィカ構想時参考にした資料の中の「イザイホー」(久高島出身者同士で結婚した三十歳以上の妻が神職者となるべく受けるイニシエーションのこと)に関する記述に共感をおぼえたことが一つとしてあげられます。男女を強引に同種としてまとめてしまうのではなく、それぞれの特色を生かしきることこそが真の意味の男女平等である、というのが今の私の考えです。また、ウフィカでは古代シュメール時代に聖婚儀式を執り行っていた巫女の意志を継いだ性魔術的エクササイズを行う予定です。その術の探求者であり考案者となるであろう私自身が女性であるため、もし男性参加者が居たとしても同じクオリティのエクササイズを提供できない可能性があるというのも、女性限定のグループにした理由の一つです。

とどのつまりウフィカの巫女術の修行と実践は霊的花嫁修業であるということです。

ウフィカの活動により参加者各々の潜在的女性性を最大限開花させ、火を前にして恐れ戦き同時に敬愛する裸の心を取り戻し、産み育む女性の身体感覚、愛する家族を守る術、現在のもしくは未来の旦那さんや子供を癒し守り祝う術を獲得してもらえたらいいなと思っています。

■具体的活動内容
月に一度か二度のオンラインミーティング。
年に一度か二度のオフラインミーティング。
不定期もしくは定期的なオンライン上合同儀式。
それ以外は原則的に各自のソロ活動と平行して、参加後にお伝えする日々のお勤めに精を出してください。

■参加資格
・インターネット使用可能な環境に居る以下のいずれかの条件を満たし、パソコンを必要最低限使用できる肉体的に女性である者。
(肉体的に女性であれば、精神が男性であっても参加可能)
*自己参入儀式を終えたソロ魔女もしくは検討中のソロ魔女見習い。
*なんらかの存在(神々、悪魔、天使、精霊など)との個人的な関係を一定期間維持している者、もしくは関係を築く予定のある者。

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