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2024年最初のコケ活動

野山に行ってコケを見る。図鑑を調べたり博識な人に聞いたりしてコケの名前を知る。一応わたしの主軸はコケ活動にあります。
サボり気味ですが……

2024年最初のコケ活動は、冬虫夏草や菌類やありとあらゆる生物に詳しい人やコケに詳しい人に交ざって、某渓谷に行ってきました。
Google Mapで見て、ここはまちがいなくムクムクゴケがいる、いや、いてほしいなと電流が流れたのです。

ムクムクゴケ

国会図書館でとある論文を調べていたら、ムクムクゴケはだいたい標高1000mくらいが限界らしいと書かれていて、ここはその条件にもぴったり。
さっそく探しに行きましょう!

と思ったら、最初に見つけた小さな滝にムクムクゴケが!?
今回のコケ活動、早速目的達成しちゃいました……
7年くらいコケを見てきて、こんなこと初めてだよ。
ただ、ここにはシーロカウレという蒴の手前状態はなかったので、もっと探すべ、と先に進みます。


ジャゴケの蒴は春のはじまり


ケゼニゴケも準備開始


先端が赤くなるヒシャクゴケも、蒴がはじまっています


ツボミゴケの仲間の蒴。割れた後の十字型も美しい

現地で教えてもらったミドリコケビョウタケ。
詳細はhttp://toolate.website/kinoko/fungi/mniaecia_jungermanniae/index.htm が詳しいです。育成しちゃうなんてすごい!
苔類を選んで生えているというのもおもしろいですね。これはたぶんツボミゴケの仲間。
ロクショウグサレキンの色に似ています。

群青色の粒がミドリコケビョウタケ


ノコギリコオイゴケの上などにミドリコケビョウタケ

最初からムクムクゴケの洗礼を受けながらも「言うてここがピークだったりしてね」なんて軽口を叩いていましたが、ちょっと移動するだけで全くちがう種が顔を出すこの渓谷に、みんなどんどん盛り上がっていきます。
「最近アブラゴケ見てないんよねー」
「いた!」

アブラゴケ。蒴は見つからず

「春といえばコケ界のアイドル、タマゴケだよねー」
「いた!」

タマゴケ

「ムクムクゴケがいるなら、イヌムクムクゴケもいたらいいのにねー」
「いる!」
「しかもシーロカウレまで!?」

イヌムクムクゴケのシーロカウレ


イヌムクムクゴケの裏側はすごいもじゃもじゃの中に袋状の丸まりがいっぱい

奥多摩や秩父を中心に7年くらいコケを見てきましたが、それほど標高が高くない場所でこれだけの種を見たのは初めてです。
天国かな?

ひときわ青く目立つコケは、「ハウルシゴケ(旧名ジャバウルシゴケ)」のようです。
コケを見てるときって基本緑色を探すのですが、先述したミドリコケビョウタケやハウルシゴケのように、今回は群青色に出会ったことがとても新鮮でした。

こんな青いコケ見たことない!


腹葉の猫耳ぶり、腹片の丸みが最高です

他にもクジャクゴケやコウヤノマンネングサ、ヒノキゴケなどなど、普段は1日平気で撮れるカメラの充電池がなくなりかけるほどに大豊作でした。
個人的コケの森殿堂入りです。

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