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アークナイツは文学

2023年12月21日から始まったアークナイツのイベント「空想の花庭」。
実は前のラテラーノイベントはいまいちぴんときてなくて、くなちん(フィアメッタ)たのしかわいそうというネタで笑っていました。せっかくフェニックスという死なない鳥がモチーフなのに、配置しただけでライフが減っていくデメリットを背負い続ける。それを不死鳥じゃなく🐔と評されたのがはじまりだったようです。個人的にはS3好きでどかんどかんやってます。

しかし、今回の「空想の花庭」はストーリーがえぐい。
辺鄙な場所にあるラテラーノの教会では、貧しいものの住みながらえた人たちによって平和な世界が保たれていた。そこにはアークナイツ世界で悪魔と蔑まされ恐れられるサルカズの一団も同じように暮らすことができ、種族間の差別もなく「楽園」として機能していた。
貧困は常に続いていて、ラテラーノ本部から使者が来るもある理由でとどめ置かれる。不審に思ったラテラーノ本部が送った第2弾の調査隊が遭遇する偶然の悲劇から物語ははじまります。

文学って、個人的にはStruggleに価値があると思っていて。
謎があって探偵がいて事件が解決されるという一般的なミステリのテンプレートがどうしても苦手で、謎や事件は解決されなくていいのではと思うのです。謎や事件とともに苦しみながらも生きていくしかない、「生きていくしかない様」が文学だと思うんですよねー。
なので、いわゆる転生ものも『無職転生』以外はあまり接してないです。アイデアはおもしろいと思うんですが、全体のストーリーとしては「死なないんでしょ」という読者側の安心感を拭うことができない。

アークナイツだって、キャラとして実装されてるなら死なないではないか、ロドスという製薬会社を隠れ蓑にしてよい生活を送ってるではないかと言われればそれはそう。
更に最近は「どのつらフレンズ」も増えてきた(敵として対峙したにもかかわらずロドス入りしてプレイアブルになるキャラ)。引けたけどホルハイヤは使う気になれないな……。
商売なのでしょうがないけど、今回登場したアルトリアも結果として教会の崩壊を早めて人々に衝動的な行動を促したという点ではあんまり好ましくない(キャラ造形はすてきだけど)。

一番ぐっときたのがイベリアの子どもたち。
おかあさんとのふれあいは涙なくしては読めません……。
ところであのおかあさんはラストで知性を取り戻していましたが、変身している数日間は一時的に知性を失って安定したらまた取り戻すことができる、ということなんでしょうか?
それと、ジェラルド〜😭 アークナイツらしい罪と罰の物語でした。

今回のイベントに通底する、「楽園を維持するにはどうしたらいいか」をみんながそれぞれの立場で考えたら悲劇につながるというのが、○スラエル〜という気持ちになります。みんなが世界を良くしようと行動しているのに、どうして悪化してしまうのか。司教様の述懐も、信仰だけでは腹が膨れないの分かるますってなりました。たとえアレを実行したとしても誰が彼を責められるだろうか。
あらゆるStruggleが美しい。今回もアークナイツらしいアークナイツなのでした。

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