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リモート保守の利便性

ESP32 で作り、社内リリースに向けて試験中の装置が複数あります。温度制御をするものや(低圧)ガス配管の圧力を監視するものなどで、稼働させれば10台程度の予定です。

ソフトウェアの更新や保守の面を考えた時に、「このままリリースして良いのか?」と言う疑問を感じるようになりました。

ESP32(現行案)の保守

仮に稼働中にソフトウェアの更新を行おうとすれば、現状では装置を外してケースを開け、書き込みツールを接続して内容を書き換える必要があります。
手間がかかる他、保守作業の手順書も複雑になります。

既に Raspberry Pi を使った機材を導入している現場では異質の作業になってしまいます。

ESP32 で作った機材のメリット(Raspberry Pi 比較)
1.省電力
2.必要な時だけWiFi接続出来るため、固定IP無しでも可
3.起動が早い
4.安価

デメリット
1.リモート接続による保守が出来ない
2.microPython なのでチョットだけ異質

Raspberry Pi による機材の保守

ESP32 で作った装置を、Raspberry Pi Zero を使って作り直した場合、保守性が向上すると思います。

機材のケースやハードウェアに触れることなく、以下のようにリモートで接続し git でクラウドから更新を行います。

git status
対象ファイル(ID等の設定ファイル)を退避
git reset --hard
git pull
退避ファイルを上書き

社内規定に従い、更新の記録(日時、内容、担当者)

保守対象が増えれば重要な視点だと感じています。

タイトル画像は自宅で「温湿度露点ロガー」に接続する様子です。
リモート接続は以前(Jessie) は リモートデスクトップを使っていましたが、現在(Buster)では Real VNC を使っています。

方針変更

ESP32で作って常時稼働させる装置については Raspberry Pi Zero で作り直すことにしました。

固定IPにする必要がありますが、前述のデメリット(ESP32のメリット)を考慮しても、メリットが勝るように思います。

既に機械的な構造が仕上がっているので、基板とハーネス交換だけで入れ替え可能にする予定で頑張ります。
現行品は複数ソフトですが、ハードウェアは同一で、一部外付け基板があるだけですから、何とかなりそうです。

使い分け

それでは ESP32 は使わないのかと言うと、そうではなくて次のように考えています。

以前の記事「RasPi, ESP32, PIC 使い分け」に加えて、次のような視点で使い分けようと思います。

ESP32 を使う用途
1.一時的(例:1か月)の測定と記録(DHCP接続)用途
2.動作検証が終われば修正(更新)不要の用途

ESP32 の方が作りこみに時間をかける必要があるのかも知れません。
(使える時点でリリースし、改善を繰り返す用途はラズパイかな?)

少々使い分けの線引きが曖昧ですが、漫然と混在させることは避けようと考えています。


以上、何らか参考になれば幸いです。

賛否、他の選択肢を問わず、コメント大歓迎です。

今後とも宜しくお願い致します。


出来ればサポート頂けると、嬉しいです。 新しい基板や造形品を作る資金等に使いたいと思います。