見出し画像

【西洋建築史】ヴォルムス大聖堂(ドイツ)

前回からの続きです.
平成28年の一級建築士試験には,次の知識が問われました.

ヴォルムス大聖堂(ドイツ)は,東西両端にアプスを対置させた二重内陣と身廊の両側に側廊を設けたバシリカ形式で構成され,東西の内陣と交差部とに六つの塔をもつロマネスク様式の建築物である.


【解説】

↑図のように,ラテン十字の足の部分を西に,頭の部分を東に向け,日が昇る東側に祭壇(アプス)を配置し,東側からの自然光を取り入れる.礼拝者は,そこへ向かって,西側からアプローチするのがバシリカ式教会堂の基本プランとなる.ラテン十字の左右の腕の部分は,側廊や翼廊と呼ばれる.

なお,アプスは祭壇のことで,後陣とも呼ばれ,教会堂の中で最も神聖な部分である.内陣や周歩廊,放射状祭室等をまとめて,アプスと呼ぶこともある.

教会堂の交差部の上部には,ドームや塔が設けられることが多い.その交差部より奥(東)側の中央部を内陣といい,聖職者席,聖歌隊席,祭壇などが設置され,聖職者しか入れないエリアとなる.中央交差部より東側の部分をまとめて内陣,または,アプスと呼ぶこともある。

Google Earthより(西側から東側を見る)
Google Earthより(東側から西側を見る)
平面図

ヴォルムス大聖堂(ドイツ)は,東西両端にアプスを対置させている.東側の内陣(礼拝が行われるエリア)とは別に,西側には神聖ローマ帝国皇帝のための内陣を設けた二重内陣が特徴.身廊の両側に側廊を設けた三廊式のバシリカ形式で構成され,東西の内陣と交差部とに六つの塔をもつロマネスク様式の建築物である.

【解答】◯ 続く


【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?