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【日本建築史】農家と町家

前回からの続きです.

ウラ指導流ぶっちゃけ解説してきた【日本建築史】もいよいよ終わりが近づいてきました.民家と城郭建築の紹介で終了します.

民家の空間構成は地域によって多種多様です.民家のうち,農業や漁業を生業とする方たちの住宅を農家といい,商工業者の住宅を町家(まちや)といいます.

ちなみに,コンパクト版建築史【日本・西洋】には,(今西家(町家)と吉村家住宅(農家/大和棟),南部曲がり家(農家)等がプラン付きで紹介されており,そのうち,今西家と南部曲がり家については,平成16年の一級建築士「学科」試験問題として出題されています.

吉村家住宅(農家建築)については,学科試験問題としては出題しずらい内容なので,出題されることはないと思いますが,折角の機会なので大和棟↓について知っておいてください.

さて,今回は町屋に区分される「今西家」についてご紹介します.一級建築士「学科」試験にも下記の知識が出題されています.

【計画科目/問題コード16252】
江戸時代における居住施設に関して,商家は,町家の一つであり,今西家(橿原市(かしはらし)今井町)のように,表通りに面し,片側が土間で奥に座敷を設けたものがある.

【解説】

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今西家は,片側に土間,片側に6室が配置される整った平面をもつ.上画像は,向かって下側が表通りとなっており,そちら側に商業空間を,その奥側(メインアプローチに対して奥側)に家人たちのプライベート空間を配してます.これも町家(まちや)の特性です.オモテに向かって開き,そこを店として利用し,その奥は閉じてプライベートな空間とする.

尚,今西家のある今井町では江戸時代を通じて,家持層の住宅はこのような6室からなる間取りが維持されていました.

また,この今西家では天井高の低い2階が設けられています.

その意匠は城郭建築を思わせる重厚なもので,惣年寄の居宅にふさわしい威厳をあわせもちます.

【解答】〇
 続く


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