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広報・PRにまつわる肩書きを言語化してみた

以前、広報やPRに関連する肩書きを細分化した方がいいのではとポストしてみたら反響があったのでもう少し細かく言語化してみました。

PRという言葉自体が軽蔑対象にされた10月前に公開しようと思っていたのですが、世間の風向きが結構厳しかったので、実は一度お蔵入りにしようと思っていました。

ただ、やはりちゃんと向き合って、言語化するのは大事だと考え直す期間もあり、せっかくだし今年のうちに出してしまえ!と一念発起して公開します。

こういう領域に強い人を求めていたのに、実際には全然違うスキルを持っていた!みたいな得意のミスマッチをなるべく解消することに貢献できれば幸いです。

すべて独断と偏見なので、常に異論や反論、加筆修正を受け付けており、より良い表現があれば書き換えていくつもりです。

集合知的なプロジェクトにして、自分の役割を言語化できる人が今よりずっと増えるといいなと願って。

広報/PRに関連する肩書・役割一覧


(どちらかというと)支援会社サイド

PRスペシャリスト

極めちゃった人。特技=全部。名乗るのには結構な勇気が必要。戦略も描けるし全方向にリレーションを持ってるし、いうことありません。みたいな。ただ、もう少し広義に捉えてクリエイティブディレクター方面に役割を拡張した方が期待値コントロールがしやすいかもしれない(?)。これを自称していて、その通りだなぁ...と感じられる人にまだお会いしたことは残念ながらない。

PRスペシャリスト

PRストラテジスト

全体戦略を考える人。緻密な設計や消費者インサイトの把握。抽象と具体のバランスを取る。ただ、実行まで一気通貫でやるケースは少なくて、実働パートは別のメンバーが担うケースが多い。とにかく優れた戦略・全体像を描ける人で、この領域に達するのも至難の業。

PRストラテジスト

PRコンサルタント

課題を掘り当てて、適切なアドバイスができる人。PR代理店の営業職種にも多い肩書き。PRに特化した部分最適の戦略提案や、実効性の伴う具体的な提案などを行う。一気通関で全部をやるというよりは、戦略〜体制構築くらいまでが多い。

PRコンサルタント

PRプランナー

課題解決に向けた企画を考える人。公益社団法人日本パブリック・リレーションズ協会(PRSJ)による公式な資格制度もあり、意外と名乗る人が多い。こうすればもっと話題になる!とか、この文脈でこういうアクションするといい、というような攻めの提案ができる人のイメージ。広告代理店に属するPR職種の人とかもこの辺りを名乗っていることが多そう。

PRプランナー

PRプロデューサー

人と人を繋げたり、マネタイズを得意としたり、0−1で物事を考える人。クライアントありきというよりは、自ら事業起こしをするのもこのタイプのイメージ。

PRプロデューサー

PRディレクター

ストラテジスト/コンサルタント/プランナー/プロデューサーと協業しながら、形にしていく人。広がった風呂敷の畳み係。多様なステークホルダーに間に入りながら、「実現」に向けて推進していくイメージ。PR会社やフリーランスPRなどに多い。このゾーンの人がいないと仕事が締まらないこともある重要な役割。

PRディレクター

PRコーディネーター

調整役。ディレクターよりは柔らかく、心地よい着地点を模索。激しく推進するというよりは、軋轢を最小限にしながら、ステークホルダー皆にハッピーが訪れるように進めるイメージ。あんまり数は多くない気がする。

PRコーディネーター

PRエヴァンジェリスト

PRの可能性を信じ、それを伝える人。PRについて詳しく、その良さを広く伝達するような役割を担うイメージ。業界にとってはありがたい存在ではある。PR好きな人は皆誰しもが心の中に飼っている肩書きだと思う。インフルエンサーのタイアップ投稿に付けられる「#PR」のような、ちょっと本来の意味と違う使われ方とかも将来的には是正していきたいと願っているとか、いないとか。

PRエヴァンジェリスト

PRプロモーター

メディアに対して顔の広い人。多方面に鮮度の高い情報ネットワークを張り巡らし、メディアサイドからも信頼される人。PR会社で歴の長い人、あるいはフリーランスで強い人は多い。なにぶん、たくさんの引き出しが必要で骨が折れる役割でもある。

PRプロモーター

PRライター

事業会社や広告代理店などをクライアントに持つライター。メディアお抱えのライターとは対極に位置する?広報noteなどでオウンドメディアっぽく記事を書いている。オウンドメディアで記事を書くこと=広報活動と認識している会社もたまに見かける。

PRライター

(どちらかというと)事業会社サイド

企業広報/コーポレートPR

会社自体の取り組み、経営者、代表者、人事制度、研究開発、CSR活動などをテーマに広報を担当する。時に企業広告と連携することも。経営情報がネタの材料となるため、ビジネス系メディアとの接点も多い傾向がある。昨今の働き方改革や人的資本開示の文脈で注目を浴びているが、本質を見失うとなかなか上手く機能しない難しさもある。

企業広報

製品広報/プロダクトPR (マーケティングPR)

商品、製品に関する広報。新商品の発売タイミングや、既存商品のリブランディング、アップデート。販促・マーケティング予算と合わせて大型キャンペーンが組まれることもあり、キャンペーンPRのようなことに関与することも。主に専門分野の業界関連のメディアとの接点が多い。売り上げに直結する可能性もあるので、マーケPRと称する場合もある。

製品広報

危機管理広報

有事の際に適切な情報コントロールをする担当。未然に防ぐリスクマネジメントと、危機発生時のクライシスマネジメントがある。メディアとの接点としては、社会部や報道になることが多いが、悪い意味で接点を持たないにこしたことはない。当事者にならないとあのヒヤヒヤした感覚は身につかないと思うので、座学で学ぶよりも実践を通して得るスキルを信じた方がよい。

危機管理広報

社内広報

社内報を担当したり、社内表彰制度を企画したり、主に社内情報の社内共有がメイン。社外情報にアンテナを張って社内に還元したりもする。従業員エンゲージメントを高めて、社内環境を改善していく効果も期待される。

社内広報

採用広報

オウンドメディアやブログメディアを使って、社内のキーパーソンインタビュー記事を公開したり、特殊コンテンツを編集したり、採用系のメディアとの調整をしたり、イベントに出展したり、主に採用で有利な状況をつくるための発信をメインで行う。KPIがその他広報と異なる。

採用広報

技術広報

テックブログなど、社内技術の先進性を公表あるいはエンジニア採用を目的に活動していくことが多い。展示会への出展やプレスリリースなども。自社技術力=ブランド力になることも多い。KPIがその他広報と異なる。

技術広報

SNS担当

広報という役職名がついていても、実質SNSだけをやっているケースもある。企業によっては公式アカウントに人格を付与してやっているので、「中の人」と呼ばれることもある。SNSはひとつのメディアであり、パブリックリレーションズにおいてもその重要性が高まりつつある。広報と呼ばれる人の中でも実態はSNS担当であることがある。

SNS担当

周辺職種

インベスター・リレーションズ(IR)担当

主に投資家向けコミュニケーションを担当。適時開示や決算など、上場企業としての責務もあり、ひときわ責任感が求められる。

IR担当

パブリック・アフェアーズ(PA)担当

官公庁や自治体、政党などへの働きかけとコミュニケーションを担う。変化の激しい時代において法制度などがそのまま事業環境に直結することもあり、戦略的に取り組む企業が増加しているが、ノウハウがあまり流通していないので、専門会社を外部アドバイザーに据えたり、自治体出身者や政党関係の出身者が役割を担うこともある。

PA担当

いかがでしたでしょうか。ひとえに広報といっても役割や仕事内容が違ったりしますので、どういうタイプの人に協力してほしいか?や、どういう機能を社内に備えたいか?など検討するにあたって、少しでも参考になれば幸いです。

プロと言われるような人でも、得意不得意があるので、たった一人の広報にすべての役割を全うするようにプレッシャーをかけるのとかは、おそらく無理なのでやめましょう。笑

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