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OSCAライブレポート「ビヨロックLOW TON」(10/20@アメリカ村BEYOND)

OSCAにとって結成から通算3回目のライブとなる、アメリカ村BEYONDでのcallslowとのツーマンライブ。今回はコロナウイルスの影響により、少数の入場客と配信を組み合わせたライブとなった。ステージに向かって右手の壁には、配信視聴者のツイートがリアルタイムで映し出されるなど、普段とは少し雰囲気も異なる中、OSCAは2組目として登場した。

トランペットの音色が印象的なイントロから始まったのは、彼らの代表曲の【愛したのは】。リズミカルかつアップテンポなナンバーで、開始から一気にボルテージを上げていく。田中捺久(Vo/Gt)が彼の強みである多彩なビブラートを駆使し、情熱的な歌詞を巧みに歌い上げる姿が、OSCAらしいドラマチックな世界観へと聞き手を誘っていく。
続く2曲目の【dance】では、カラフルな照明と、細野孝介(Gt)の軽快なギターリフで、曲名通りのダンシングなムードを演出する。大サビ前の4人それぞれのソロパートでは、結成から一年余りにして各種オーディションで頭角を現している、彼らの実力を裏打ちするような、一人ひとりの確かなテクニックを見られたのが印象的だった。

続いて、これまでの2曲とは打って変わり、静かなギターメロディから始まったのは【】という楽曲。青い照明と繊細な演奏をバックに、田中(Vo/Gt)が切なさを込めたハイトーンボイスで歌い上げる光景は、まさに雨の夜をイメージさせるようで、本日のハイライトと言える見事な演奏となった。
MCによる挨拶を挟み、次に始まったのは【ヒロイン】。西村友佑(Dr)がつくり出す、自然と体が踊ってしまうリズムと、ドラマチックな歌詞の世界観に引き込まれ、しばし日常を忘れて音楽を楽しむことができた。

続くMCで田中(Vo/Gt)が、「OSCAはメンバー4人全員がそれぞれ曲を作っており、曲調が多様である」という興味深いエピソードを説明する。そしてそれに続けて始まったのは、言葉通り、ここまでとは違うギターロック調の【simple complex】。「止まることなく走り続ける」という彼らの決意を表すような歌詞を、田中(Vo/Gt)が力強いビブラートで歌い上げる。
そして最後の【Cricism】も、米谷裕哉(Ba)の軽やかなベースラインと、細野(Gt)の疾走感のあるギターリフとともに一気に駆け抜けていき、爽やかな余韻を残して終演した。

今回は、6曲という短いセットリストであったにも関わらず、ダンシングな曲からしっとり聴かせる曲、ギターロック的な力強い曲まで披露され、OSCAの音楽の幅広さ、引き出しの多さを知ることができるライブだった。
まだ結成から一年余りということもあり、演奏面では荒削りな部分も目立ったものの、そこの改善の余地も含めて、多様な音楽性を持つOSCAが今後どのようなバンドへと成長するのか、ますます楽しみになる1日であった。

取材・文:山本恵大
写真:貴志美優 

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