uracon

ゲーム作家です。「破局ダイス」「勇者、27歳、独身」などを作っています。

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  • ura話

    自作ゲームについて書きます

  • ゲームの感想

    遊んだゲームの感想を書きます。デジタル・アナログ問わず幅広く取り扱っていきます。

最近の記事

個人ゲーム開発者の「このゲームは、本日配信」から1ヶ月

闇鍋人狼のSwitch版・Steam版をリリースしてから1ヶ月が経ったので感想とかを書きます。 デザインの話とかはなくて、起きたことと思ったことを書いていくので、あのとき大変だったなあ……とか、うまくいってやったぜ! みたいな話が中心で、誰かにとっての知見になるというよりは日記です。 ただ、多くの人が個人でゲームを公開する昨今、リリースの前後でどうすべきか? というのは議論の尽きないトピックだと思うので、事例を公開することで多少は何か有意義なものになればいいなとも思います

    • 配信ありきでゲームをデザインする

      闇鍋人狼には観戦モードがあり、遊んでいる人達のゲーム画面を見れるだけでなく、観戦者も鍋に食材を投入することができます。これは、ゲーム配信文化を強く意識しており、またそこに付随する問題に何かしらアプローチしたいという意図もあります。 既存の問題意識やこれまで試されてきた事例を参照しつつ、闇鍋人狼をどうデザインしたかの議論を紹介します。 問題意識ゲーム配信が一般的になった昨今、配信されたときどうなるか?というのはゲーム制作では避けて通れない要素です。過去にはフラッピーバードや

      • 誘う者・誘われる者

        前回、闇鍋人狼では野良マッチを実装せず代わりにゴーストマッチを実現したという話をしました。既に知っている人同士で遊ぶものと割り切ってしまった以上、遊ぶ相手を探すのが大変という問題は依然として解決していません。 ゲームの内容さえ面白ければ勝手に卓は立つのかといえば、そんなことはありません。ゲーム側でできることに限度はあるものの、少しでも助けになるよう工夫を凝らすべきです。 卓が立たない、あるいは一緒に遊ぶ友達がいないというのはそもそもどういう問題なのかを掘り下げ、それに対し

        • トークゲームと野良マッチ

          闇鍋人狼に野良マッチが無い話をします。リリース以来、様々なフィードバックをもらうんですが、中でも特に「一緒に遊ぶ人を探すのが大変」という意見が多く、同時に「野良マッチを実装してほしい」という要望を受けます。 たしかに、ボードゲームである以上人と遊ぶことを前提に設計されており、いくらCPUが代わりに入ってくれるとは言っても人と遊ぶ楽しさには及びません。また、同じジャンルのゲームで野良で参加できるオープンな部屋を建てられるタイトルはいくつもあります。 ただ、闇鍋人狼ではゲーム

        個人ゲーム開発者の「このゲームは、本日配信」から1ヶ月

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          やさしい人狼とは何か?

          もうすぐSteam版がリリースできそうなので、いま闇鍋人狼について考えていることを書きます。 去年、モバイル向けに闇鍋人狼をリリースしてからちょうど1年くらい経ちました。まさかリリース済みのタイトルにずっと時間を使っていることになるとは思わなかったんですが、PC版/ゲーム機版への展開でなんやかんやしてたらあっという間の1年でした。 主にプラットフォームごとの最適化を中心に進めていたので、ゲームの内容は大きく変えることがなく、おかげで「お客さんの前に出した上でこのゲームにつ

          やさしい人狼とは何か?

          闇鍋人狼で参考にしたアナログゲーム

          闇鍋人狼はアナログ・デジタルまたそれらのジャンル問わず様々なゲームを参考にしており、ルールのほぼ全てに元ネタがあると言っても過言ではありません。この記事では特に影響を受けたものを正体隠匿系のアナログゲームに絞っていくつか紹介します。 闇鍋人狼は正体隠匿系のスマホゲームです。 お邪魔者お邪魔者は『皆で協力して宝探しをするけど、お邪魔者が潜んでいて妨害してくる』というゲームです。かなり昔からあるゲームで古典と言えるほどですが、今改めて遊んでも面白く、基礎の作りがしっかりしてい

          闇鍋人狼で参考にしたアナログゲーム

          闇鍋人狼デザインノート

          闇鍋人狼というゲームをリリースしたので企画意図とかを書きます。作り始めていたときに考えていたことや、何がしたかったのか、何ができて何ができなかったのか等を振り返っていきます。 闇鍋人狼とはおいしい鍋を作る店員陣営と、それを邪魔しようとするスパイ陣営に分かれて遊ぶ正体隠匿ゲームです。最大4人までのマルチプレイはもちろん、1人でシナリオを読みながらゆっくり練習できるソロモードでも遊べるほか、直接ゲームをプレイしていない人とも一緒に鍋が作れる点などが特徴です。デジタルゲームとして

          闇鍋人狼デザインノート

          そして死体は石油王になった「マダミ屋」デザインノート

          マダミ屋というアプリを作ってもうすぐ1年くらいになるので、デザインノートを書きます。作ったときどういうことを考えていたか?どういう意図で開発に取り組んでいるのか?などを紹介します。マダミ屋はマーダーミステリーが遊べるアプリです。 この記事の結論はマダミ屋はマダミを拡まりやすくしようとしているで、筆者のやりたいことは問題解決です。文中では既存のシナリオに触れますが、公開されている情報以外のネタバレはありません。また、読むにあたってはマーダーミステリーが何か知ってる・やったこと

          そして死体は石油王になった「マダミ屋」デザインノート

          「7日後に死ぬミギ子」デザインノート #unity1week お題「逆」に参加しました

          1週間でゲームを作るイベント #unity1week に参加して「7日後に死ぬミギ子」というゲームを作ったので、企画意図や考えていたことを書きます。 お題「逆」まず、逆というお題で作られるゲームはおそらくいくつかのパターンに分類できると考えました。 ・逆のつく言葉をテーマ → 逆転、逆襲など ・立場や世界観が通常と逆 → 魔王vs勇者 ・操作方法や知覚が逆 → 画面が上下反転、操作方法が左右逆 ・ルールが逆 → 早くゲームオーバーになる、なるべくロースコアを取る 筆者は

          「7日後に死ぬミギ子」デザインノート #unity1week お題「逆」に参加しました

          遊んだボードゲームの感想#5

          メジャーアルカナ 0~21までのカードを使って相手の手札を予想して当てるゲーム。単純に記憶力を競うゲームながら、宣言する順番や揺さぶりなど駆け引きも楽しめる。暗記と予測に夢中になりすぎて自爆してしまうこともあり、意外と難しい。モチーフがタロットなのも可愛い。 ゴリラ人狼 ゴリラの村に潜んだ密猟者を探し出す人狼。プレイヤはウホしか喋れず、ドラミングや指差しなど決められたジェスチャーしか行えない。 一見何もできないように見えつつ、なんとなく人狼用語を表現することができて、

          遊んだボードゲームの感想#5

          謎解きゲーム「パスコードを探せ」デザインノート #unity1week お題「さがす」に参加しました

          1週間でお題に沿ってゲームを作るイベント「Unity1週間ゲームジャム」に参加して、謎解きゲーム「パスコードを探せ」を投稿したので作ったときに考えていたことを書きます。 まず初めにこのゲームのタネ明かしをするので、もしまだ未プレイで「自分で謎を解きたい!」という方は下記のリンクからどうぞ(PCブラウザで遊べます)。 ゲーム内容と解き方パスコードを探せは謎解きゲームです。ゲームが開始すると導入が流れた後すぐに入力を求められます。 間違った答えを入力するとヒントが表示され、

          謎解きゲーム「パスコードを探せ」デザインノート #unity1week お題「さがす」に参加しました

          マーダーミステリー『双子島神楽歌』

          双子島神楽歌を遊びました。このゲームはリアル脱出ゲームと人狼を組み合わせたようなゲームで、マーダーミステリーというジャンルです。 とある島で置きた殺人事件を舞台に、プレイヤは登場人物となって事件の真相を探ります。人狼のようにプレイヤごとに知っている情報と勝利条件が違うので、村人になれば事件の解決を目指しますが、犯人になれば捜査の妨害をします。登場人物としてロールプレイする部分はTRPGにも近いかもしれません。 初めて遊ぶタイプのゲームだったので、このゲームを中心にマーダー

          マーダーミステリー『双子島神楽歌』

          遊んだボードゲームの感想#4

          WING SPAN 鳥を集めて点数を競うゲーム。ワーカーを配置し、餌や卵を生産しながら生息地ごとに鳥を呼び込んでいく。とにかく大量の種類の鳥が出てくるので見てるだけでも楽しい。 CRYPTID ボード上に隠されたUMAを探すゲーム。プレイヤはそれぞれ1つずつ自分しか知らないヒントを持っており、お互いに質問を繰り返しながら答えを絞っていく。アクションが単純(はいかいいえの質問だけ)ながら、推論やブラフなど論理的な駆け引きが楽しめるので、誰でも遊べて奥が深いゲーム。 TI

          遊んだボードゲームの感想#4

          遊んだボードゲームの感想#3

          四季折々 和菓子を並べて得点を競うタイルゲーム。自分のボードには一切触れず、他プレイヤのボードが高得点になるよう並べるシステムがユニーク。頭の使い方が独特で、季節や和風イメージが花札を彷彿とさせ綺麗。 ナインタイルパニック 9枚のタイルを並べてお題に沿った街を作るタイルゲーム。プレイヤ全員が同じ目標でやってるはずなのに全然違う街ができるのが面白い。一度ハマってしまうと中々完成まで辿り着けず、お手つきと時間制限が緊張感を産む。 おばけキャッチ 指定されたコンポーネント

          遊んだボードゲームの感想#3

          遊んだボードゲームの感想#2

          クラッシュアイスゲーム ペンギンを落とさなように氷のブロックを崩していくゲーム。タイルが六角形なので、崩れるか崩れないかがパッと見で難しく緊張感がある。 ひっつきカメレオン 粘着性のあるゴムを使って素早くタイルを集めるカルタ。コンポーネントが独特で、投げるアクション自体が楽しい。 RainbowKnights 透明のタイルを繋げて道を伸ばしていくゲーム。単純ながらも、最終的に出来上がったボードが綺麗で映える。 人生ゲーム令和版 インフルエンサーになってフォロワー

          遊んだボードゲームの感想#2

          遊んだボードゲームの感想#1

          アグリコラ(2人用) 牧場を作って動物を増やすワーカープレイスメント。元々のアグリコラの楽しさをそのままに、「社員の給料が払えなくて火の車」といったストレスが軽減されてシンプルに。2人用なので相手のボードもよく見るようになり、ゼロサムゲームをより強く感じる。 タイムボム 爆弾魔と警察に分かれて戦う正体隠匿系。お互いの手札だけでなく、味方陣営の正体も分からなくて緊張感がある。運ゲーのように見えて、「自分の手札を引いてほしい/引かないでほしい」という態度からお互いの正体を推

          遊んだボードゲームの感想#1