私が鍼を打たなくなった理由 Part 2

ずいぶんと放ったらかしにしてあったこのロンドンのクライアント向けブログですが(笑)、これからはまた頻繁に更新していくつもりですので、よろしくおねがいします。

ちなみに同業者向けの本家ブログ(note.mu/fascia)は定価5000円で絶賛公表中ですので、よろしくおねがいします(笑。

さて今回のテーマは「私が鍼を打たなくなった理由」のパート2です。パート1はこちら。

このパート1では、私が鍼治療であまり効果がだせない(私も鍼を受けて効果を感じたことがない)ということを書いてありました。今回はもうちょっと詳しくなぜ私が鍼を打っていないかを書いていきます。

1,痛みの治療に必要なこと。

まず徒手療法家として必要なことは、レッドフラグ(治療してはいけない、すぐに病院に送る)かそうでないかの鑑別です(私はレッドフラグに内臓疾患からの痛みも含めます)。それは常識として、次に必要な鑑別が、急性痛か慢性痛か。急性痛でも怪我の場合はそれに適した処置が必要なので、その場合は鍼やマッサージの出番はほとんどありません。ですので、ここでは慢性痛について述べていきます。

慢性痛は急性痛が慢性化したもので、痛い部位に組織の損傷がありません。例外として、不全治癒という状態があって、組織はまだ損傷していますが、治癒自体はそれで終了しているので、なんら問題はありません。

ではなぜ組織に損傷や炎症もないのに、痛みや凝り感を感じるのか。それは脳が関与しているからだそうです。決して、背骨が歪んでいる、骨盤が曲がっている、筋肉の凝りが原因だ!ではありません。詳しくは本家ブログ「痛みについて勉強しなおす」シリーズをご覧ください。

その慢性痛について、ざっくり説明していくと、要は脳がなんらかのネガティブな感情にある時(怒り、落ち込み、塞ぎ込みがち、ストレス、悲しみなど)に、体の痛みや凝り感を引き起こすということです。これは痛みの科学の最前線の先生達の研究結果からです。決して私一人の考えではありません。

2,では、我々治療家がどのようにクライアントの慢性痛に接していけばいいのか?

それは

その慢性痛(凝りや痛み)が決して心配するようなことではないということをクライアントに知らせて、痛みを恐れずに積極的に動くことを勧めること

です。

そう、治癒過程は自分で動くことでしか起こりません。受動的な刺激(マッサージや鍼)では治癒に必要な刺激には全く足りていないのです(詳しくは本家ブログ「プロセス・アプローチ」をご覧ください。)

だったら人は鍼やマッサージは必要ないのでは?という疑問があがると思いますが、実をいうとそうなんです・・・(涙)

3,じゃあ、我々治療家の役割は?

ズバリ、気持ちのよい刺激でリラックスしてもらうこと!だと考えています。それと先程述べたように、積極的に動くように促すことです。つまり気持ちのよい刺激でリラックスさせ、痛みも一時的に少し解消された上で、積極的に動くように促すことです。この「痛みも一時的に解消された」というのがポイントで、そこに治療家の腕の良し悪しがでるのだと思います。よい治療家にあたると、きっと痛みの軽減度と、軽くなった持続時間が長いのだと想像しています。

4,だから私は鍼ではなく、手を選ぶ!

気持ちがよくて、リラックスできて、痛みも軽くなってという手法は私にとっては手(マッサージ)なのです。もしかしたら他の治療家は鍼のほうが得意なのかもしれません。それはそれでいいのです。クライアントがどの刺激を選ぶか(好む)か、でいいのです。カレーが好きかラーメンが好きかと同じことなんです。

決して 鍼治療>マッサージ 
    整体治療>マッサージ ではありません!!!

あえて言うなら

「正しい知識」>>>各種徒手療法(鍼やマッサージや整体)
 

なのです!

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