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リジェクトなんかに負けない

ラインスタンプを創っている人が必ず1度は出会ったことのある「リジェクト」。今回は「リジェクト」がテーマです。

リジェクト(reject)

そもそもリジェクトってなんでしょう?weblioさんに尋ねてみました。

拒絶する、却下する、拒否する、不合格にする、申し出を断わる、のけ者にする、除く、捨てる、受けつけない、戻す

https://ejje.weblio.jp/content/reject

拒絶、却下、拒否、不合格、のけ者。何ともまあ、聞きたくない言葉が並んでいること。

イヤな予感

Google先生に聞いてみた

次にGoogle先生に聞いてみました。
「ラインクリエイターズスタンプ リジェクト」で検索すると、約 48,500 件がヒット。少し絞り込んで「ラインクリエイターズスタンプ リジェクト理由」で検索しても、約 29,700 件がヒット。こんなにリジェクト理由をテーマにしたブログやWebサイトがあるのです。

検索上位のサイトをいくつか見てみましたが、なるほど、大変役立つ情報がもりだくさん!もう私が解説できる新しいことはないですね~。笑

みなさん、リジェクトされないスタンプを創ろうと思ったら、まずはGoogle先生に相談してください!

3分あれば納得させます

スタンプ審査ガイドライン

あらためて「スタンプ審査ガイドライン」を確認してみましょう
ここにあります:https://creator.line.me/ja/review_guideline/

随分昔に確認した記憶がありますが、その時から記載が充実しているように思います。ときどきガイドラインを見ることは大事ですね。反省。

まず、前文(抜粋)。

以下の項目に該当し、または該当する恐れがあるとLINEが判断するスタンプは、審査で不適切とされ、却下または販売中止となる場合がありますので、審査へ提出する前にこのガイドラインを確認してください。ただし、以下の項目に該当する場合でも、スタンプの内容や配布地域、クリエイターの属性などの事情により、適切と判断されることがあります。

https://creator.line.me/ja/review_guideline/

この最後の1文「ただし、以下の項目に該当する場合でも、スタンプの内容や配布地域、クリエイターの属性などの事情により、適切と判断されることがあります」。ここ大事。試験に出ます!笑
(あとの実例で出てきます)

次に、本文。全部を書くと私のnoteを埋め尽くしてしまいますので、項目タイトルだけ抽出します。

1.画像(スタンプ画像、メイン画像、トークルームタブ画像)
2.テキスト(スタンプタイトル、商品説明文、クリエイター名、Copyright)
3.モラル
4.ビジネス・広告・その他
5.権利・法律

https://creator.line.me/ja/review_guideline/

以上のカテゴリで、全51項目もありました。ビジネスをしようと思ったら、このような観点で、これだけの数をチェックしないといけないということです。勉強になります。

最後に、後文。

上記内容にかかわらず、LINEが、LINEの裁量において不適切と判断したスタンプについては販売を制限、停止、変更、終了する場合があります。LINEの設置する窓口への通報により、LINEが不適切と判断したスタンプについても同様です。

https://creator.line.me/ja/review_guideline/

この文章は強力ですね。LINEさんの権限は絶大です。まさにプラットフォーマーの権利と責任。これぞ、ビジネス。

いかがでしたか?これを全部クリアしないとリジェクトされるってことです(※中身のある解説は何もしていないですね。失礼しました)

難題ですね

実例を見てみましょう

さて、前置きは以上にしておきまして、実際の例を見てみましょう。

はじめてのリジェクト

3.12.宗教、文化、民族性、国民性を攻撃し、または特に不快感を与えるもの

https://creator.line.me/ja/review_guideline/
ほくろ観音

2015年1月頃の作品です。今でも販売している「ほくろ地蔵」の続編として作成した「ほくろ観音」でした。この時は、ガイドラインをよく確かめずに作成し、待ちに待った審査結果が、リジェクトという悲惨な結果となりました。

「ほくろ地蔵」が審査通過したから「ほくろ観音」という単純な思考でしたが、「地蔵」と「観音」は根本的に違います(後で調べてわかりました)。「観音」は明らかに「宗教」の範疇ですが、「地蔵」は厳密には宗教ではないのです。別のブログ(http://urajostamp.blog.fc2.com/blog-entry-694.html)でも書いていますが、その後「地蔵」も審査通過しなくなり、さらに「販売先が日本限定であれば審査通過する」という変化を経て現在に至っています。

さて話を2015年に戻しましょう。

「観音」がだめなら「魔女」にしよう。この頃の思考は我ながら単純ですね。笑

ほくろ魔女

魔女に仕立て直して審査依頼しましたが、同じ理由(3.12.宗教、文化、民族性、国民性を攻撃し、または特に不快感を与えるもの)でリジェクトとなりました。

さすがに2度同じ理由でリジェクトされると、へこみます。このスタンプはしばらくお蔵入りさせることにしました。
 リジェクト=拒絶、却下、拒否、不合格、のけ者
リジェクトの言葉の意味が染み入ります。

しょんぼりん

1.8.スタンプ内の文字に誤りがあるもの

このときのリジェクトされた画像が残っていないので、LINEさんからの通知を貼ります。2016年2月のリジェクトです。

リジェクト事例

このスタンプ画像には、日本語の「ドキドキ」をそのまま英語にした「doki doki」というテキストを貼り付けました。それがリジェクト理由の補足
「※19 翻訳が適切ではないため、不自然な表現になっています」
の意味です。

同じリジェクト理由でもう一つ。2016年3月のリジェクト。

黒くまスタンプ

1.8.スタンプ内の文字に誤りがあるもの
>IMG29 (諸 => 緒)

なんて親切なんでしょう!!誤字までチェックしてくださるとは。さらに「どこが悪いのか」の補足説明までついています。親切ですね~、ありがとうございます、LINEスタンプ審査員さま。

インドネシアショック

皆さんご存じの通り、LINEの普及率でいうと、日本、台湾、タイ、インドネシアが有力な販売地域となります。
urajoのスタンプもインドネシアでそこそこの売り上げがありました。
ところが、突然、インドネシアでスタンプ販売できなくなったのです(正確に表現すると、審査の基準がかなり厳しくなったのです)。

お客さまに申請いただいたスタンプは、世界の異なる文化・習慣の観点より販売国を限定していただく必要がございます。
お手数ではございますが、インドネシアを削除のうえ、再度リクエストをお願いいたします。

LINEからのリジェクト通知より

これがリジェクト理由でした。こうなると、もう、どうにもなりません。販売国を再設定して、ポチっと再申請して、はい完了!

別のパタンもあります。

お客さまに申請いただいたスタンプは、世界の異なる文化・習慣の観点から販売国を25カ国に限定させていただきます。
アルゼンチン
オーストラリア
ベルギー
ブラジル
カナダ
デンマーク
イギリス
フィンランド
フランス
ドイツ
アイスランド
アイルランド
日本
ルクセンブルク
ニュージーランド
ノルウェー
ポルトガル
南アフリカ
スペイン
スウェーデン
台湾
タイ
オランダ
ウルグアイ
アメリカ合衆国
大変お手数をおかけいたしますが、販売エリアにて「選択したエリアのみ」を選択し、日本を除いた上記販売国にチェックのうえ、再度リクエストをお願いいたします。

LINEからのリジェクト通知より

対象のスタンプは、この猫スタンプ「猫ざんまい」の海外版。
https://line.me/S/sticker/1438884

これも指示通りの修正をして、はい完了!(ところで、この国を選択するのが結構面倒でした。まとめて「カテゴリx」みたいな選択ができると楽でいいのに。笑

これ以降、ネコのスタンプを海外で出すときは、上記の25か国だけにすることにしました。

さらにもう一つ。

お客さまに申請いただいたスタンプは、世界の異なる文化・習慣の観点より販売国を限定させていただきます。お手数ではございますが、販売エリアにて「選択したエリアで販売する」を選択し以下の国家のチェックをはずしたうえで、再度リクエストをお願いいたします。
・韓国
・中国
・香港
・マカオ・インドネシア

LINEからのリジェクト通知より

対象のスタンプは、ブタさんのスタンプ。

実は、これは凡ミスでした。
日本語(それも九州のことば)も入っているし、日本でしか販売するつもりがなかったのに、審査依頼するときに販売国を選択し忘れた、というものです。
でも、この凡ミスの結果、ブタさんキャラを海外で出すときは注意が必要だということがわかりました。

わかるわかる

世界の異なる文化・習慣って難しいですよね。これはリジェクトされるかどうかという問題に加えて、「世界の異なる文化・習慣」で使われるスタンプになっているか?!という重要な問いかけです。やはり海外版スタンプの難しさを感じます。このあたりは、別の記事でも書いていますので、興味がありましたらご覧ください。

1.5.スタンプ全体のバランスを著しく欠いているもの

2016年3月のリジェクト。これはなかなか判断が難しいです。どこまで類似したらだめなのか、「全体のバランス著しく欠いている」かどうかの判断基準次第です。

リジェクト事例

作者としては、問題ない範囲と思いましたが、審査ではNG。仕方ないので修正して出しなおしました。

※ちなみに、このスタンプはやりすぎました。ほとんど売れていません。「作りたいもの」≠「売れるもの」
の代表的な事例です。リジェクトされるかどうか、というより、売れるかどうかという点で、良い勉強になりました。

確かに

1.1.LINEが定めるフォーマットに合致しないもの

この理由はよくあるケースです。「背景の透過漏れ」あるいは逆の「イラスト内部の透過」です。

※背景の一部が部分的に透過漏れしています

※イラストの内部が透過されています

2つ目の事例は、意図的にそのように作成したものでしたが、それを主張して再度リジェクトされても面倒なので、素直に修正してリリースしました。

5.1.当社または第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの

これも注意が必要なケースですね。聞きなれている言葉も、よく調べると誰かが著作権を持っているケースがあります!

リジェクト事例

この画像ですが、リジェクトされたものは「ビビデバビデブー」の言葉を入れていました。「ビビデバビデブー」って、呪文の表現のひとつで一般的な言葉と思っていましたが、実は、

ビビディ・バビディ・ブー(英語: Bibbidi-Bobbidi-Boo)は、ディズニー映画『シンデレラ』で使われた魔法の歌として有名なノベルティソングである。1948年、作曲担当のアル・ホフマン、マック・デビッド(英語版)、作詞担当のジェリー・リビングストン(英語版)によって製作され、1950年に作中でフェアリー・ゴッドマザー役のヴェルナ・フェルトンによって歌われた。

https://ja.wikipedia.org/

ということなんです。

もうひとつ。これは一番最近の事例。2022年1月のリジェクト。

リジェクト事例

ちょっと攻めすぎました。ギターをもって、この言葉を書いたら、やっぱり駄目でしたか。残念です。

この審査項目はすごく大事なことなので、販売開始前にLINEさんにチェックいただけるというのは大変ありがたいことです。感謝、感謝♪

1.10. 既にスタンプショップで販売または審査されているスタンプの複製

これは最も悩ましい問題の一つです。何度か記事に書いていますので、今回は省略します。気になる方は、以下の記事をご覧ください。

以上の記事に振って終わりにしようと思いましたが、どうしても書いておきたいことを思い出しました。

最初に書いた通り、審査のガイドラインに「ただし、以下の項目に該当する場合でも、スタンプの内容や配布地域、クリエイターの属性などの事情により、適切と判断されることがあります」という記載があります。

クリエイターの属性などの事情により、適切と判断される」のです。

ラインスタンプのストアを見てください。どうみても複製としか思えないスタンプがあるのです。これは、「スタンプの内容やクリエイターの属性などの事情によって、適切と判断された」ということだと理解しますが、基準が示されないので、どうやったらそういうスタンプが販売できるのか、よくわかりません。そのうち、チャレンジしてみようかな~。

燃えてきた

おわりに

これまでのリジェクト事例を振り返ってみました。少しは参考になったでしょうか?実はurajoはそんなにたくさんリジェクトされたことがないのです。最初に書いた通り、Google先生に聞けば、リジェクト理由を研究している方がたくさん見つかります。ぜひ、ネット上の記事を参考にリジェクトされないスタンプ創作を目指してください。

成功しか見えない

PS. 審査基準ばかりを気にしていると、ありきたりのスタンプになります。審査ラインぎりぎりを狙うと差別化できる作品になるかもしれませんね。


urajoのクリエイター活動を気に入っていただければサポートいただけると嬉しいです。スタンプを購入いただけると、とっても嬉しいです。