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BIGスタンプは売上金額もBIGになるのか?!

ラインスタンプには、通常スタンプのほか、アニメーションスタンプ、BIGスタンプなど、単価の高い、いくつかの種類があります。「単価×販売数=分配金」で考えると、分配金を増やすにはどれが有利なのか?!
2024年1月の分配金報告のあとに考察してみます。

2024年1月までの累計

スタンプ種別と分配金の考察を始める前に、これまでの売り上げ推移を見てみましょう。いつものグラフですが、右が過去、左が現在です。

2024年1月までの推移
  • 売上総数:150,867個

  • 売上金額(単品):14,419,846円

  • 分配金総額:6,757,299円(内、プレミアム分:1,614,331円)

グラフを見ると、下げ止まったように見えますが、12月~1月は、あけおめスタンプのキャンペーンがあるので、あまり参考にしてはいけません。
昨年の同時期を見ても、12月、1月をピークに、それ以降は金額を下げていく傾向がみられます。

ちょっといいですか?!

ただ、注目すべき点が1つあります。ラインスタンププレミアムの推移です。昨年の中盤は非常に低迷していたわけですが、11月から盛り返し、13万円レベルが2回続いています。
これも年末年始の効果か?!と思うかもしれませんが、ラインスタンププレミアムは半年以上前のスタンプが対象になるので、あけおめスタンプの効果とは言い難いのです。

このラインスタンププレミアムの売上の躍進はなぜ?

2024年1月の売上

ラインスタンププレミアムの分析に入る前に、昨月(単月)の売上をみてみます。いつものグラフです。

2024年1月の分配金
  • 売上総数:2,553個

  • 売上金額(単品):361,754円

  • 分配金総額:263,683円(内、プレミアム分:134,691円)

先月(12月)とほぼ同じ傾向・金額であることがわかります。半分が単体販売、半分がプレミアムです。
これくらいの金額が続くと嬉しいのですが、年末年始は特にスタンプが売れやすい「特殊な月」なので、年間を通じてこれが上限金額だと思った方がよいですね。

実際にどれくらい「特殊な月」かというと、以下のグラフを見るとわかります。このグラフは、2024年1月の日毎の分配金のグラフです。

2024年1月の日毎の推移

1月1日にものすごく高いピークがあり、あとは、ボチボチです。笑
1日だけで4万円とか、ほとんど見たことのない数字です。

びっくりですね~

さて、ラインスタンププレミアムの分析に戻りましょう。
ラインスタンププレミアムの分配金の内訳は、最初のグラフ(月別の売り上げ)の右のオレンジ色のグラフを見てください。
パンダのアニメーションスタンプが最も多く、その次は、同じくパンダの通常スタンプ(母向けのパンダのスタンプ)が続きます。3つ目はラベルがうまく表示できていませんが、2つ目と同じ母向けのパンダの通常スタンプでした。パンダ強し!母向けスタンプ強し!

ラインスタンププレミアムの詳細

ラインスタンププレミアムの分配金(これまでの累計)の多い、上位10種のスタンプの推移を見てみました。

ラインスタンププレミアムの分配金(上位10)

ちょっと見にくいですが、右が過去、左が現在です。
右に緑色のピークが出ているのが、パンダのデカ文字スタンプです。
そして、ここ3カ月くらい、急上昇してきているスタンプがあります。灰色の棒グラフが、パンダのアニメーションスタンプ、赤色の棒グラフが、パンダの通常スタンプ(母向けのパンダのスタンプ)です。

右側に大きな山が見えるように、ラインスタンププレミアムも、新しくリリースされると徐々に分配金が増えていき、その後は、なだらかに減っていく、という傾向があります。

ここ3カ月くらい上昇している2つのスタンプ(パンダのアニメーションスタンプ、母向けスタンプ)は、まだピークに達していないように見えますので、もう数か月はリターンを期待したいと思います。

まかせなさい!

ここで目につくのが、パンダのアニメーションスタンプが急激に伸びているという点です。ラインスタンププレミアムにおいてもアニメーションスタンプが強い?!と思ったのですが、同じ時期にプレミアム対象になったアニメーションスタンプが同じ傾向を示していないので、必ずしもそうとは言えません。
この結果だけを見れば、これはパンダのアニメーションスタンプ個体の特徴だったとみるのがよいでしょう。

一方、最近のスタンプランキングの傾向を見てみると、アニメーションスタンプが上位を占めているようです。「ちいかわ」のような人気コンテンツを別にして、アニメーションスタンプが強いのかもしれません。
さらにラインスタンププレミアムでは、通常スタンプとアニメーションスタンプの単価の差異を感じることはないので、付加価値の高いアニメーションスタンプの方が使われやすいのかもしれません。

BIGスタンプ

別の記事でも書きましたが、urajoは、過去にアニメーションスタンプを数種類リリースしたことがあります。通常スタンプとアニメーションスタンプでは、コンテンツとしての魅力が大きく異なるため、主観的ではありますが、通常スタンプとの対比でみると、アニメーションスタンプの方がたくさん売れているような印象があります。

通常スタンプは120円で販売しており、アニメーションスタンプは250円で販売しています。一方は、動きがない、もう一方は動きがある、という点で、この差額は妥当であり、購入する人にとっても、大きな抵抗感はないように思います。

では、動きがない/ある、というわかりやすい差異ではなく、「サイズが大きい」という違いしかない「BIGスタンプ」だと売り上げはどうなるのでしょうか?

BIGな疑問

最近「超ちいさいスタンプ特集」なるものが開催されています。

・パッケージ内の8個以上のスタンプの画像サイズが、最大サイズの縦横共に半分以下であること
※推奨する画像サイズは「縦120px × 横120px」程度です。但し、登録可能な最小サイズは「縦80px × 横80px」です。

LINE Creators Market: https://creator.line.me/

BIGスタンプが通常スタンプの倍の価格になるのであれば、「超ちいさいスタンプ」は、通常スタンプの半額の60円でもいいじゃないか?!となってしまいませんか。あるいは、BIGスタンプの単価は、120円でもいいじゃないか!?ということかもしれません。

逆に、BIGスタンプが250円で売れるなら、通常スタンプを250円で販売しても同じ数が売れるのではないか?!という疑問もでてきます。

この疑問は、実験して確かめてみるしかない!!

やったるでー

というわけで、BIGスタンプをリリースして、その売り上げ状況を観測してみました。現時点までに3つのBIGスタンプをリリースしました。
1つ目は人気キャラクターの「パンダ」、2つ目は根強いファンのいる「地蔵」、3つ目も根強い人気のある「ハチワレ猫」です。
※それぞれ購入URLのリンクを付けておきましたので、興味がありましたらクリックしてみてください。

さて、これまでの売上状況はというと、以下の通りとなりました。

BIGスタンプの売上状況

まず一つ言えるのは、価格が250円(通常スタンプの約2倍)になったとしても、大きく売り上げが下がるわけではない、ということです。

一番下の「カエルの帽子をかぶったパンダ」は通常スタンプです。厳密にはパンダとは言えませんが、BIGスタンプとの比較のために掲載しました。
「カエルの帽子をかぶったパンダ」から9日間遅れでリリースした「パンダ★全国の母に捧ぐ ビッグに登場」が、金額ではすでに追い越しています(売り上げ数は、通常スタンプより少ないですが、売上金額は大きいです)。

この結果を見る限り「BIGスタンプは通常スタンプを大きくしただけのものであり、250円の価格設定は高い」という見方をされているわけではないと言えます。

地蔵のBIGスタンプは、パンダのスタンプの1週間後の販売開始であったものの、すでに2倍以上の売り上げになっています。このペースは、最近リリースした通常スタンプのペースよりも速いです。要因としては、BIGスタンプならではの広いスペースを使って、文字の見やすいスタンプにできたからではないかと考えています。

この結果を見ると、通常スタンプを250円で販売したら、120円の場合と同じだけの数が売れて、結果的に売上金額が倍になるのではないか、と思うかもしれません。果たしてそうでしょうか?!

倍になるじゃろ~??違うの?

おそらくそんな都合のよい結果は得られず、単価が倍になった分、売上個数が減って、通常スタンプを120円で売り出した時と同じくらいの金額になるのがせいぜいかと想定されます。それどころか「通常スタンプを250円で販売する」ということ自体が「高い」という印象を誘発して、結果的に売上金額は120円の価格設定をした時よりも下がってしまうかもしれません。
※一度、試してみたい。でも、うまくいかなかった時のことを考えると、チャレンジに踏み切れない。笑

重要な点は「BIGスタンプの単価の最低価格が250円である」ことです。

つまりクリエイターが250円を設定したわけではなく、最低価格が250円に設計されている、という点です。この条件であれば、250円のBIGスタンプを見て「高い」と思う人がいないのです。

この点に関しては「特集スタンプ」でも同じことが言えます。「猫の日」「犬の日」などの特集では最低価格が250円になっていますし、さらに売り上げが猫・犬に還元される仕組みになっています。
LINEさんが決めた条件のもとで高い価格になっているものは仕方ない、高いと思わない、ということです。

どのスタンプ種別で戦うべきか

いろいろ考察をしてきましたが、では、どのスタンプ種別で戦うのがよいのでしょうか?

いま、ラインスタンプストアを見ると、以下のような数字でした。

スタンプ種別ごとの数

やっぱり、競争相手は少ない方がいいですよね。
そうだとすると「エフェクトスタンプ」は999個なので、狙い目かもしれません。

でも、ちょっと待ってください。エフェクトスタンプ、ポップアップスタンプ、アニメーションスタンプは、いずれもアニメーション形式のコンテンツ作成が必要となり、作成の難易度が上がります。

urajoも数種類だけアニメーションスタンプを作ったことがあるので、通常スタンプと比べて大きな労力が必要だということが実感できます。

この点を考慮すると、通常スタンプとあまり変わらない労力で作成できる、BIGスタンプ、メッセージスタンプ、カスタムスタンプがコスパが最もよいスタンプ種別かもしれません。

urajoは、もうしばらく、BIGスタンプをリリースし続けて、BIGスタンプと通常スタンプの特徴の差異を掘り下げてみたいと思います。

がんばるけん

おわりに

クリエイターによって得意不得意があるので、どこで勝負をするかはクリエイター次第です。アニメーションを作ることが苦にならない人は、エフェクトスタンプが狙い目かもしれません。静止画が得意なら、urajoと同じようにBIGスタンプを試してみるのがよいかもしれません。
一つ言えるのは、BIGスタンプと言っても売上金額がBIGになるわけではない、ということでした。
クリエイターの皆様のBIGな夢がかないますように。

urajoのクリエイター活動を気に入っていただければサポートいただけると嬉しいです。スタンプを購入いただけると、とっても嬉しいです。