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タロット講座⑤大アルカナ全体の物語を把握しよう

みなさまこんにちは。
「ちはるのうらない屋さん」
タロット占い師の佐藤千春です。

タロット講座、かなり久しぶりになってしまったので、復習も兼ねて軽く前記事を読んでおくことをオススメします(えらそーに、すみません!)。

前回までの2回は、実際にタロットカードを手にすることと扱い方について、そして占い方までを学びました。
参照:タロット講座③タロットカードを手に入れよう。タロット講座④カードの扱い方を知ろう

今回はその前のタロット講座②でお話していたことの続きです。

タロットカードには物語がある、それを知るのがタロット学習の近道だよ、という話をしました。タロットカード一枚ずつにも物語がありますが、全体も物語として繋がっています。
一枚ずつ学んでいくよりまずは全体の物語を知りましょう。


また、今回の記事もそれ以降もタロットカードの物語や意味については佐藤千春本人が独自で解釈しているものです。いわゆる※所説あります※というやつです。これまで誰かから教わってきたり本で読んだりしたこととは多少違いがあるかもしれません。
その辺りの違いも、占い師による解釈の違い・占い師の個性と考えてもらえればと思います。混乱しちゃう人は、勉強としてではなくまずは読み物としてお楽しみください!



今回の記事で学ぶこと
・大アルカナ22枚の全体を掴む
・22枚全体での物語を知ろう


まずは一枚一文で一気に解説。

大アルカナは0番「愚者」から始まり、21番「世界」で終わります。
ざっくり言うとこのお話は「この世界に生まれ落ちた人間が、全てを悟って神になるまでの物語」です。

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0番愚者から21番世界まで、物語を一文のみで表してまとめました。ザっと目を通す程度で良いので読んでみてください。後ほど詳しく解説します。


0番でこの物質世界に生まれ落ちた命。愚者
1番では生きていく方法を手に入れます。魔術師
2番では知恵を手に入れます。女教皇
3番では新たな命を産み落とします。女帝
4番では世界の秩序を作ります。皇帝
5番ではそれを世界に伝え広めます。法王
ーーーここまでは完全に人間の世界のみですーーー
次から神の存在がちょっとずつ影響してきます。
6番では神の啓示を受けます。恋人たち
7番では神の啓示によって改革が進みます。戦車
8番ではその力を使いこなせるようになります。力
9番ではそれを後世に伝える隠居生活に入ります。隠者
ーーーここまではまだ人間です。ーーー
次から人間の領域を離れていきます。
10番では抗えない運命にそのまま身を委ねます。運命の輪
11番では正義の名のもとに物事を裁きます。正義
12番では神に近づくべく修行の道に入ります。吊るされた男
13番では人間の生死さえコントロールしてしまいます。死神
14番では自然の力までコントロールできるようになります。節制
15番では人間の醜いところ汚いところを受け入れます。悪魔
ーーーこの先は完全に神の領域です。ーーー
16番ではこれまでの間違いを正すべく全てを破壊します。塔
17番ではそこからの希望を見出します。星
18番では希望だけでなく不安や現実も見えてきます。月
19番では希望も不安も超えて明るい世界が訪れます。太陽
ーーーこの先は、もう違う世界です。ーーー
20番ではこれまでのこと全てが再生して復活します。審判
21番で遂に、全てを体験し乗り越えた者は唯一絶対の神になります。世界



グループ毎に解説します。
0番から5番までの解説です。

0番・愚者
今、私たちが生きているこの現実世界に生まれたばかりの命です。赤ちゃんと同じで、右も左もわからない。故にどんな可能性もある。

1番・魔術師
赤ちゃんだった愚者から、この世界で生きていく方法を理解して手に入れることが出来ました。やっと準備が整ったスタートラインです。

2番・女教皇
生きていく方法を手に入れて、それからこの世界の理を知ります。伝説の書「トーラ」を手に入れ、いわばいつでもググれるようになったみたいなもんです。ここでは知識のみで経験は伴っていません。

3番・女帝
ググるだけじゃ満足出来なくなり、経験しました。わかりやすく言うと、女教皇は処女ですが女帝は経産婦です。机上の空論だけではなく、知識を活かした上でアイディアを形にできる、実際に現実化する、そんなイメージ。

4番・皇帝
女帝がたくさんの物質を生み現実化したところで、それを秩序を持って整理整頓していきます。色んな民族をまとめあげて争いが起きないように住み分けを徹底した王様とか、作物の流通で揉めてるから法を整備した有力者とか、そんなイメージです。

5番・法王
皇帝が成したこと、それまでのこと、伝えて回ります。愚者として産まれたんですよ、女教皇はこうやって知恵を手に入れたんですよ、とか話す先生みたいな役割。僧侶とか牧師とかのイメージです。

ここまで、完全に今の私たちと変わらない世界のお話です。
赤ちゃん、大人、大学生、母親、父親、先生、そんな風に置き換えることも出来ます。


6番から9番までの解説です。

6番・恋人たち
初めて神の存在が明らかになります。カードの下部分は人間ですが、これは実はアダムとイヴです。アダムとイヴの神話そのままのカードではありませんが、人間が神の啓示を受ける、という現実世界とは少し離れたお話です。上部に描かれた羽を生やした人物は天使です(神の使いということですね)。

7番・戦車
啓示を受けただけだったところから、実際に動き始めます。神の啓示って、そのままやろうとしても難しい。神という大きな存在から受けたアドバイスにも関わらず、それを上手く理解し、伝え、実践できる人のイメージです。

8番・力
戦車のカードでは、神の啓示から実践するまで少し時間がかかりました。神の啓示を受けてから動くのではなく、神の加護により動く感じです。「戦車」は人間の力で進んでいく感じで、「力」は神様の加護により無理なくスムースに進んでいく感じ。

9番・隠者
もう、自分自身でやれることはやり切った。あとは過去を振り返りこれを後世に伝えていくだけ。語り部になるわけではなく、残った者たちが自分の生き様を見てそれを理解できるように、という感じです。

法王までと比べると、6番から8番は他人との関係が濃くなっていく感じです。そして、神の存在がチラ見えしています。2人になり、周囲を巻き込み、力をコントロールして使いこなし、それを後世に残す。人間の一生の後半のような感じですね。


10番から15番までの解説です。

10番・運命の輪
運命というものは、天災や耐えがたいことだけではなく自分が上昇していくものも含めてのこと。世の理や神様からのメッセージが理解できるので、それをそのまま実践します。

11番・正義
裁判官のイメージです。現代的な裁判官というよりは、絶対的な権力を持ち、また絶対に判断を間違わない人。上から目線だけど絶対的に信頼できるのは、やはり神の声を聞けるからです。

12番・吊るされた男
神様の真似をしてその存在に近づこうとします。世界のカードに描かれているのが神様ですが、ポーズを真似ています。でもちょっと違うしポーズを真似したところで神になれるわけではない。ムダな努力だけど本人はそれで満足しています。

13番・死神
もしかしたら吊るされた男が間違った方法で神になったのが死神かも。生死をコントロールするなんてもはや人間技ではないですね。ここには生が善で死が悪という価値観もありません。ただ、終わりと始まりがあるだけです。

14番・節制
人間の生死のあとは自然物。陰陽五行やエレメントなどにあるように、火・水・土・風・木…これらのバランスが取れて世界は成り立ちます。

15番・悪魔
改めて人間に焦点が当たります。人間とは、誘惑に弱く揺らぎやすく怠惰で自分勝手で、どうしようもない。そう思うのになんとも愛おしく感じてしまう。

ここは隠者までと比べるとちょっと違う世界のお話のような感じがしますね。同じ現実世界の出来事なんですが、ちょっと視点が違いますよね。常に、神の存在を近くに感じながらなかなか近づけない、神にはなれないと悟る。それなら似て非なる存在になろうとでもしているようです。


16番から19番までの解説です。

16番・塔
これまでの過ちを全て壊して浄化してあげましょう、という神の愛です。生まれてきて知識を得、それを広め神の言葉も実践し神の真似事もしてきて、人間らしい醜さも受け入れた。それを全部、神の御業により壊してしまうのです。

17番・星
更地になったところで、新たな希望が生まれます。色々とクリアになったその地で視界もクリアになり、純粋に望んでいるものが見えてきます。

18番・月
希望があるからこそ不安が見えてきます。望むものが具体化してきたということですね。今度は、悪魔のカードのような社会性ある人間の生々しさではなく、人間の生物として獣としての生々しさにクローズアップしています。

19番・太陽
獣っぽさを残した人間は、まるで太陽の子供のように。明るい未来です。強い力に支えられ、それを自然とコントロールでき、正しい明るい未来に向かっています。

神と似て非なる存在になろうとしたことは間違いで、直接鉄槌を下されてしまう。でもそれは神の愛で、破壊は浄化でした。破壊された中から目覚めたほんの少しの人間たちが新たな生命を生き始めます。それはこれまでと違い、正しい人間としての生き方でした。


20番と21番の解説です。

20番・審判
16番の塔で全てが崩壊し、それから眠っていた人々が目覚め始めます。復活の時です。星から太陽まで生きた人たちは自身で気付きを得て生まれ直したのですが、今回復活した人たちは神の使いから選ばれた人々。

21番・世界
愚者として生まれた彼。吊るされて神になりたかった彼。どこかでその他大勢だったかもしれない彼。ついに神になったのです。それはこの世界にたった一人の神とは違う。でも彼の世界では彼だけが神なのです。彼と表記していますが性別も超越しているので男性でも女性でもありません。


※補足※「神」という存在について

何回も話の中に神様が出てきますが、今のところの理解としては「特定の宗教の神様」ではなく、一般的な日本人(仏教徒だけど他の宗教も受け入れているような)の感覚としての「神様」の認識でいてください。

なんか困った時に「神様、お願い!助けて!」みたいに思うことってありますよね。あの神様のイメージです。

これはハッキリしっかりと話そうとすると、タロットカードの成り立ちから説明しないといけないので長くなります。いつか説明することもあるかと思いますが、今のところはフワッと捉えておいてください。


物語として捉えるのが大事、の意味

今回は、大アルカナ22枚全体をひとつの物語として捉えるための説明をしています。1枚ずつの物語を語ろうとした時にはまたちょっと違うお話になるかもしれません。根底にある物語は同じですが、細かい設定などが……。

タロット講座②でもお話したように、カードの意味だけを覚えてのリーディングには限界があります。そのためにまず、カードの意味ではなく物語を語ることにしました。

例えば、3番女帝が出た場合。女帝の意味は妊娠とか成功とか実りだよね、だけではなくて、女帝の前には知識を詰め込んだ聖女だったしその後は秩序をもたらすのかもしれない、という想像までして欲しいんです。複数枚のリーディングでも、関係する位置に出た各々のカードの間になにがあったか想像する。それは、大アルカナ全体の物語を把握していないと出来ないことです。


この講座は、自分占いができるようになるのが目標です。自分の中にたくさんの豊かさがあるということを絶対に知って欲しい。そのためには、カードの意味だけ調べて当てはめていくだけのリーディングは寂しいもので中身が伴ってないよ、ということをずっと伝えていくしかないんです。既に何回も書いてますけどね!


最後に

やっとタロット講座の本チャンぽい記事が書けましたぁ!!この記事、書き始めから仕上げるまでに3ヶ月以上かかってるんです。やる気出なくて途中で全く触らない期間があったのも事実ですが。

さて、以前からお知らせしている通りこの先は、一度「大アルカナ22枚のカードの意味一覧」の記事を投稿する予定です。

カードの意味から学ぶのはダメだー!と言っておきながらですが。物語を1枚ずつ記事にしてたらすっごく時間かかっちゃうもんそれ私わかるもん。1枚引きからでいいのでやっぱりカードを使ってなんかやって欲しくって、そしたらやはりカードの意味が書いてある記事があった方がいいよね、という考えです。

ただ、私が1人で書いてる記事なので、カードの意味一覧も後に投稿する1枚ずつの物語と必ずリンクします。一覧記事が上がれば、それを見ながらちょっとずつカードと遊んでみてください。そして1枚ずつの物語がちょっとずつ上がっていけば、照らし合わせて理解を深めていって欲しいと思います。


カードの意味一覧も、
ちょっと
かなり

そーとー
お待たせするかもしれませんが

待っててね☆☆☆



2020年5月24日追記

ただいま、noteでのタロット講座及びカードの意味一覧記事については更新停止しております。オンラインでのプライベートレッスンを開催しておりますのでご検討ください。


なにかしら心が動いたらサポートくださると嬉しいです。私の好きなことに使わせていただきます!変態記事を量産していきたいです😊