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4 皇帝


彼は椅子に堂々と腰かけている。視線の先は左側を見ている。過去を見ているか、部下を見ているか、はたまた女帝を見つめているのかもしれない。女帝が王笏を身体で支えているのに対して、皇帝は突き出している。権力を実行に移しているように思える。

頭にはコンパスが刺さっている。とことん現場主義である。女帝が建てたイデアの世界である計画を、現実界で実行に移すのが彼の役割である。

アイデアがなければ、何も生まれない。また現実でアクションを起こさなければアイデアはただの空想になってしまう。

女帝と皇帝がカップルとして見つめあうからこそ、この世には生命プロセスがもたらされるのである。

2人は鷲というシンボルで関係している。女帝の鷲が抱えられているのに対して、皇帝の鷲はまさに地面に着地しており、卵を産んでいる。可能性を具現化するという意味がここからも浮かび上がるだろう。

状況を冷静に見極め、攻めることも守ることも出来る判断力と行動力が、戦場では必要になるが、彼はそのバランス感覚に優れており、部下のモチベーションを高く維持できる理想的なリーダーである。

足の形は4の字に組まれている。これは木星(♃)の象徴である。木星はポジティブで希望を表す吉星である。きっと彼は自分が支配する国や部下たちが領土を拡大して、実りを膨らますことを本気で考えているのだろう。

戦場という現場で、冷静に状況を判断して、アクションを起こす彼の姿勢に敬意を表したい。彼の指示で多くの人が右へ左へと動く。成功すれば英雄だが、失敗すれば全ての責任を負うことになる。

責任力がある人間だ。しかし、木星のポジティブな力が働いているので、例え失敗しても、それを成功に変える、大らかさをも持ち合わせている。

自分の領土を増やし、守ることが彼の使命だ。とことん優しく男性でありながら、母性も実は兼ね備えているのだ。

真の支配者とは、「支え」「配る」ものである。その本質を彼はとことんこの現実世界で、体現しようとしている。


戦いましょう。守るために。そして増やしましょう。仲間と幸せを。


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