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3 女帝


彼女が手に抱えているものは鷲だ。鷲は風に乗ってどこまでも飛んでいく。風のエレメントはアストロロジーではふたご座、てんびん座、みずがめ座が担当する。彼女の鷲は知的好奇心を食料とする。
 
彼女は誰よりも美しく、誰よりも遊びを楽しむ。プレイフルである。彼女の竹色に輝く瞳は遠い未来を見つめている。いま・ここに縛られることはない。彼女がイメージをしてアイディアを創造することでこの世界は思春期のようなワクワク感をその手にすることが出来る。
 
彼女は女性でありながら青年である。青年期に描いた夢はその人の人生を豊かにしてくれる。恋を楽しみ、今よりも美しくなることに歓びを見出す。芸術的で美的センスも誰よりもある。楽しくて仕方がない。
 
彼女の左手側には手水鉢が置かれている。中には水が入っている。感情的な起伏も激しい。彼女が楽しい時は世の中を楽しく捉え、怒りに満ちているときは世の中を怒りの目を通して見てしまうだろう。客観的な正しさではなく主観的な正しさで我が道を行く。わがままは「わが・の・まま」で生きることだ。
 
彼女の喉元にはなぜか男性の象徴である喉仏が見られる。ちなみに喉仏は英語で「アダムズアップル」と呼ばれるそうだ。彼女の右足のそばに白いものが見える。これは蛇なのかもしれない。そう。蛇は【彼のかかとにかみつく】のである。
 
蛇が象徴する性的なエネルギーは新しいものを生み出すために必要不可欠なものである。蛇は脱皮をするたびに、象徴的に死にそして生まれ変わる。
 
生み出すことや生まれ変わる作業には、痛みを伴うものだ。芸術とは、怒りや痛みといった生のエネルギーが投影されていることはよく知られていることである。
 
彼女が生み出そうとしない限りこの世には何も生まれない。今目の前に広がる全ての物や作品は、女帝の竹色の目が映し出したビジョンであり、あなた自身が写し出したビジョンでもある。
 
目の前にあるリンゴが、赤色なのか、あなたが赤色をリンゴに投影しているのか、、それはわからない。
 
ここで考えなければならないのは主観と客観である。きっと彼女は主観的な世界を大切にする。地球が太陽の周りを動いているなどという考えは、それを最初に考え出した人にとっては創造的でワクワク感があるが、教科書を読んで理解した人にとってはそうではない。
 
唯物論と観念論があれば、現代は前者の思考に偏る。しかし、きっと彼女はとことん後者である。自分が信じたもの、映し出したものは、イデアの世界で創造される。
 
私たちがリンゴに赤色を見ることは、私とリンゴの2つの存在のみでは決して出来ない。そこには光というパートナーが必要なのだ。
 
彼女のビジョンを現実に具現化させるパートナーがいるとすれば、彼女の視線は彼の方向を向いていると考えることも出来るだろう。
 
このカードは恋愛の相談においても非常に重要である。恋のワクワク感は全ての物を創り出すソースとなるのだから。
 
 
創造しましょう、楽しむことを。楽しみましょう、創造することを。
 

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