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「あした死ぬかもよ?」


”90歳の人のほとんどが「もっと冒険すればよかった」と後悔している。”

「あした死ぬかもよ?」人生最後の日に笑って死ねる27の質問 名言セラピー ひすいこたろう

「死」のパワーで生きる

つい1週間前に「あした死ぬかもよ?」のタイトルに惹かれて読みました。
自分自身も10歳から10年続いた難病の闘病生活で意識を失い「死」を実感したことがあります。

結果的に、完治することができ夢だったアメリカ留学を実現する事ができました。勿論自分以外の家族や友達、支えてくれた皆様のサポートがあってこそですが、「死」を見てからの「生」のエネルギーの爆発力って自分でも信じられない程奇跡的で強力です。

アメリカ留学中の2年間だけでも、何度か命の危機に合う場面もありました。ですが、それでも経験して良かったと今でも思えます。

その経験のお陰で他の人とは違う孤独感、特にLGBTQ(当時はとても公表できなかった)である事に対しての理解の欠如に対する悲しみと自己嫌悪感が「自由の国」で多様性や当事者の友達との交流を通じて全て消えました。当事者の恋人が出来るなど、日本にいては叶わなかったであろう精神的な変化が起こり自分の中の視野が広がり新たな世界が拓けました。

10歳で体験した「死」のパワーは30歳までのモチベーションに繋がり、自分が思い描いていたやりたい事リストを全て叶えるまでになりました。

「何が起きても死ぬよりマシ」

今思うと、本の内容に出てくる27の質問に対する答えを自分でリストにして実現していました。

取り組んでいる最中はひたすら夢中でしたが本を読んでこういう「仕組み」で叶っていったんだろうなとスッキリ腑に落ちました。
その時の言葉にできない感情(勢いでやってきたので)を27の質問という形式で言葉に落とし込んでくれているように思えました。

「健常者」にできる事の準備体操未満しかできない程病弱で制限が多い生活だったので、例えば「ジャンプ3回休まずにできた」それだけで優勝!そんな感じでハードルを極限まで下げて、でも新たにできた事は記録してその度に自ら褒めて自信を積み上げていきました。

一番役立った考え方は「人と比較しない事
そして「何度失敗しても、嫌な事があっても、死ぬよりマシ!」と死と比較して何でもスルーできた事が実現成功の秘訣だと思います。

闘病中の自分はひたすら「このまま病気に激痛で殺されるぐらいなら楽にあっさり自殺できないかな」と考えていました。
ですが、実際「その時」に直面した瞬間考えが一瞬にして180度変わりました。

この人生まだ10年だけど「何も楽しんでない」事がとても悲しくて悔しくて「もっと生きてほんの少しでもいいから今より良くなって今より楽しい経験をしたい!死にたくない!」という気持ちに変わりました。

「死ぬ事以外はかすり傷」論

実は半年前(2021年12月)に糖尿病の診断を受けました。
祖母もそうで遺伝もあるとの事です。が、自分の場合は10歳から闘病生活だったので「またか・・」という印象でした。

健常者になってから12年を楽しんでいたので久々の絶望で「若くして」と言われる年齢での持病が増えた事に、しかも食べる事が好きなので食事制限を一生続けなければならないという事が一番精神的なダメージでした。

そして、末期の人工透析、失明、足の切断・・・と色々嫌な結果が目に入ってきてしまってまた12年ぶりの絶望を味わいました。特に祖母が人工透析で苦しんでいるのを目の当たりにしていた事もあります。

ですが、今回は勿論死ぬ事は一切頭に過りませんでした。
一度、復活してるから今回もできる
逆に「自分で治してやる!」と燃えました。

結果、半年間本を読み漁り最新医療の考え方に基づいた本のメニューや栄養配分を参考にして作った自己流の糖質オフメニューで正常値まで血糖値とヘモグロビン値を下げる事に成功しました

これが「死ぬ事以外はかすり傷」論 だと実感しました。

この本がおすすめの理由3つ

1:「死」の恐怖を一度疑似体験するきっかけになる

自分の様に本当に体験する人はまだ少ない方かもしれませんが、現在ウクライナへのロシア侵攻やコロナの蔓延化、異常気象の猛威による災害で以前よりも「死の恐怖」を身近に感じる場面が多くなってきたと思います。

今まで80年の寿命を全うできる事が当たり前だという謎の自信で生きていた人にとっては、自分も例外になるかもしれないと思ったかもしれません。

現実では「意外とあっさり人は死にます。

2:「本当に必要なもの」を再確認できる

27の質問の中にも出てきますが、死んだら財産も何も失う事になります。
これが当たり前で周知の事実ですが実際頭で理解していても周りの人や流行、見栄によって流されてこだわってのめり込んでしまいますよね。

自分は半年前、正常値の3倍の血糖値で「すぐに倒れてもおかしくない状態」だと宣告された時真っ先に思ったのは「過去に自分勝手に別れてしまった元パートナーへ謝ってない!」という後悔でした。

「いつか時が来たら」という考えはもう通用しない
と12年の健常者ライフで「平和ボケ」していた事を実感しました。

現在は結婚している彼女に、謝罪の気持ちを伝える事を許可してくれた現在の旦那さんと謝罪を受け入れてくれた優しい彼女に改めて感謝です。
その後は夢中でまた取り組んで今回も生き延びる事ができました

そして、自分の持病、身体の事、セクシャリティなど色々あるし将来は猫と一人気ままにやっていこうと考えていた所に運命的な出会いが有り、新しいパートナーができました。

死に直面すると「今を楽しもうとポジティブになれます!」

3:「何もない日々を過ごせる幸せ」を再確認できる

「何もない」をどう定義するかは人によりけりかもしれません。
「何もない」だとネガティブに聞こえるかもしれませんが、自分の場合は「痛みがない」「悩みがない」「(とりあえず明日の)死への不安が無い」など、掘り下げていけばめちゃくちゃポジティブな「何もない」をリストアップする事ができます。

なので、自分は「何もない普通の日々」が過ごせる幸せを毎日感謝しています。

結局、感謝(愛)が全て

スティーヴ・ジョブス氏も言った様に最後に思うのは物質、功績、財産、豪華なデヴァイスではなく友人、家族、愛する人たちの存在と思い出だそうです。

自分も最後にはまだなりませんでしたが、同じ気持ちを何度か味わって彼が言うことは本当だと確信しています。

「敵を作るより友達を作ろう」って映画キングアーサーの言葉が出てきますが、その通りだと思います。人の悪い面が目につくことも多々有りますが、最後謝る事ができないまま一生の別れをするぐらいなら、プライドなども全部捨ててこちらから謝って良い最後を迎えるというのも一つの「終活」かと思います、ポジティブな意味で(笑)

最後は「死んでよかったわ」と思われたい人はいないと思います。
惜しまれて逝ける生き方が大事だと34年の経験ですが思い返しつつこの本から改めて「今を一生懸命生きる事の大切さ」を噛み締めて生きたいと思います。

どこかの誰かの気づきや救いに自分の経験が生きれば幸せです。ご拝読ありがとうございました!良い1日を!

#読書の秋2022

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