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12ハウスと三つの格の話

 noteの記事でいちばん人気は8室と12室の記事なんですけど、これを書いたころよりハウスの理解と解像度が上がって、いまならもっと詳しく具体的にお話できるのになあと毎日思っている。

 どこから話せばいいか考えたんですけど、今回は西洋占星術基礎講座のハウス回のテキストをもとにハウスの成り立ちと、ハウスの三つの格から命運、運勢、相性をハウスの三つの格から読む方法をお伝えするよ。

サインは一年、ハウスは一日

 サインは春分点を起点に季節に準じて構成されていますが、ハウスは日の出を起点に一日の時間帯によって構成されています。太陽は時計回りに日の出から日没、真夜中から夜明けへと進みます。サインは反時計回りに進みますが、ハウスは時計回りにすすんでいきます。

 「えー!ハウスの番号はサインと同じ反時計回りについてるのに?」と思いませんか。私は思った。でもハウスが時計回りに構成されている証拠はいくつもあり、その証拠はハウスを理解するためにとても役立ちます。

 「それって古典のルールでしょ?」って思うじゃん?違うのよ。古典とモダンがあるんじゃなくて、ベーシックな方法が忘れられてるだけなのよ。

 ということで、まずは現在主流の西洋占星術から説明するね。

ハウスの三つの格

上がって落っこちてまた上がる

 サインには活動宮、不動宮、柔軟宮という三つのクオリティがありますが、ハウスにもアングル、サクシデント、カデントという三つの格があります。

 アングルは1室、4室、7室、10室。これら4つのハウスはチャートの骨組み、いわば家の屋台骨。続いてサクシデントは2室、5室、8室、11室で、アングルを支える屋根や壁、最後のカデントは3室、6室、9室、12室で、室内の窓や扉、間仕切りのようなものです。

 屋根が飛んでも土台と骨組みが残っていれば再建築できますが、立派な扉はそれをおさめる枠がなければ取り付けられません。このハウスの格の情報は、とくにトランジットを読むとき大変重宝します。ハードアスペクトが発生した!衝撃にそなえろ!さて、その衝撃をどこで食らうのか。ドアが吹っ飛ぶのか大黒柱が折れるのかを知るにはハウスの格をみればよいのです。

 たとえばカデントハウスは外界への影響力がもっとも薄いと考えられているハウスで、物事をはじめるのに都合のよい日付を見極めるエレクショナル占星術では、マレフィック天体はカデントハウスに押し込めておくとよいというアドバイスをしている占星術師もいます。

 さて、ハウスの仕組みを理解するさいに注目したいのはサクシデントとカデントです。

 サクシデントはサクセスする(成功する、出世する)ハウスで、アングルのひとつ手前にあたります。ハウスは日が昇る方へ進むので、1室のひとつ手前は2室、4室のひとつ手前は5室、7室のひとつ手前は8室、そして10室のひとつ手前は11室です。

 そして3室、6室、9室、12室のカデントには落っこちる、脱落するという意味があります。サクシデントから上り詰めてアングルに達した太陽が落っこちたのがカデント。

 つまりハウスは地平線の1室アングルからカデントの12室へ、再びサクシデントの11室へ上って、10室アングルに到達するという具合に時計回りに組み立てられているのです。

 ハウスは日の出から日没、真夜中から夜明けという太陽の動きにあわせて組み立てられている、言い換えると、ハウスはおはようからおやすみまでの人の営みをもとに組み立てられています。そこがわかればハウスの役割をより具体的に理解できるようになります。この理解を深めるにはハウスの名前を知ることが役立ちます。

 ハウスの三つの格は、初心者向けの占星術書籍ではサインの三区分同様あまり注目される機会がありませんが、これら三つの格を把握することは出生図であるネイタルチャートはもちろん、相性を見るシナストリーや、運勢を読むトランジットで非常に役立ちます。

 「えー!ほんとにー?」というあなたにもこの便利さを今日からさっそく知ってほしいので、どう役に立つか格ごとに命運、運勢、相性について書いちゃうよ。

アングル 1室・4室・7室・10室

アングルは大黒柱で屋台骨

ネイタルチャートでアングルに星が多い

 運気の波も人との出会いも屋台骨に影響するので、何かとインパクトが大きい。リフォームするときは耐震構造からリニューアルするし、やられるときは土台からやられる。よくも悪くも人生はドラマチック。とくに10室に星がある場合は何かと世間に騒がれる。才能の有無より運の強さがモノをいうので、追い風向かい風の見極めが大切。

トランジットでアングルに星が集まる時期

 運気の大波が寄せてくる時期。穏やかに当たれば追い風になって楽に進むが、激しく当たれば転覆の恐れがある。舵取りは慎重に。追い風が吹くときはこれまでの実績がモノをいう。積み上げてきたものに応じて手にするものも変わるので、同じアスペクトが出来ても結果には違いがある。運気を見るときはこういう時期に備えておくことが大切。

シナストリーでアングルに星をくれる人

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