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BUCK-TICK 35周年 横浜アリーナに行って思い出したこと③

(あばれうまのりお の 覚え書き つづきのつづき)

ウクレレでオルタナティブな音楽をやっております。あばれうまのりおと申します。
uranawanaii (ウラナワナイ)というバンドで活動しております。

某SNSにて公開範囲狭めで書いてみた覚え書きを、こちらでも公開します。内容はBUCK-TICKの35周年ライヴに行ったことから、脳と心の記憶の蓋がパカパカッと3つ4つ開きまして、いろいろと振り返って書いてみたものです。

誤字脱字や文章的におかしいところがあったら時間がある時に気まぐれに修正します。

書いているうちに個人情報的なものがダダ洩れになってしまったので、
一部有料とさせていただきました。

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詳細はほとんど覚えていない1991年~たぶん1992年、
中学校1年生~2年生になった頃の私は、初めてのバンド体験をむさぼりつつも

大仁田厚のFMWが川崎かどっかでターザン後藤と団体存続をかけたノーロープ有刺鉄線金網電流爆破デスマッチ、
第2次UWFから高田延彦がUWFインターナショナル発足、
藤原喜明組長の一派が藤原組、
前田日明がリングスを発足、
全日本プロレスは三沢の超世代軍が躍動、
天龍源一郎とメガネスーパーのSWSでは北尾光司の八百長発言、
新日本プロレスでは闘魂三銃士が台頭
といったような「プロレス戦国時代」の真っ只中にいた。

真っ只中にいたというか、週刊ゴングを買って読んでいた。
「俺はミュージシャンになるぜ!」とバンド活動をしていた日々が終了してしまってからほどなくして
「俺はプロレスラーになるぜ!」に変化していた。

とは言っても筋トレをしたりするわけでもなく、週刊ゴングの「新人募集!」とか書かれている道場の募集記事をチェックしたり、プロレス関連の漫画を読んだりするだけであった。心のどこかに「俺はプロレスラーにはなれないぜ!」という俯瞰した気持ちもあった。

音楽については、時々学校帰りに家とは反対方向の「ナガタ楽器店」に行って、お小遣いの1000円で買えるということで わりと世間一般で有名なCDシングルを買って聴いた。
チャゲ&飛鳥とかサザンとかを買うことが多かった。
我慢してアルバム買えよというぐらいシングルを買った。

そういえば当時、サザンオールスターズが復活したかなんかでよくテレビに出ていたので、マジでこの頃にサザンの存在を初めて知った。
「オールスター」といえば野球のイメージしかなく、"サザンオールスターズ"ってなんか変な名前だなと思ったりしたけど、桑田佳祐氏の歌い方とか、わけわかんない歌詞とかに即日衝撃を受けて、モノマネを練習したりした。

当時世間はちょっとしたモノマネブームでもあったので、モノマネ四天王へのリスペクトにも余念がなかった。長渕剛のモノマネは特に練習した。

親戚の前でカラオケでサザンの『ボディ・スペシャルⅡ』という歌を、我ながらクオリティ高めのモノマネで歌ったら、気まずい感じになった。歌詞がエロすぎたんだろう。

「愛し君のshyなman callでぇ~」という2番の歌詞は親戚や親の前で歌ってはいけない事を知った。

ちなみにこの頃のサザンには、
ベースの関口さんはお休み期間かなんかで、いらっしゃらなかった。

だから関口さんはテレビ東京でやってた「タモリの音楽は世界だ」にウクレレ持って出てきた回で見たのが初。なので、私にとっては初めて見たものを親と認識するひよこのごとく、関口さんは最初からウクレレの人という認識になった。

さて、そんなこんなで世間一般で誰もが知るようなシングル曲をひたすら買って聴いていた私だったが、その「ナガタ楽器店」にも当然アルバムのコーナーがある事に気づいた。

アルバムはシングルより高額なので、少ない小遣いの私としては、非常に近よりがたかった。小さなお店なので品ぞろえは限られているが、そこにはBUCK-TICKのアルバムが何枚かあった。コーナーから取り出しては、「(・・・3000円か、ゴクリ・・・。)」と唾を飲んでコーナーに戻す。もちろん取り出して見ては戻す、というアルバムはBUCK-TICKだけに限ったことではないが、ナガタ楽器店に行くたびに特にBUCK-TICKが気になった。ついでに言うと人間椅子と筋肉少女帯も気になった。そこのエピソードは端折る。

たまに母に連れられて一緒に行ってた(母の職場の)設計事務所にはいつも有線放送のしおり(有線で流れる曲の歌詞がたくさん載ってるやつ)が置いてあって、それを読んでいたらBUCK-TICKの「スピード」という歌詞が載ってたりして、それがまた視覚的に強めの歌詞で、何とも言えない感動というかショックのようなものを受けた。

中西保志の「最後の雨」だとか
和田アキ子の当時の新曲「よくやるね」とか
そういう歌詞が並んでる中に突然、

『人差し指を頭に突き立てブッ飛んでいる
いつでも頭ギリギリ××××嚙み砕いて』だ。

中学1~2年生にとっては、歌詞2行これだけでも強烈にドラッギーだった。なんたる歌詞!タイトルが「スピード」でド頭から「××××」という歌詞が眼球に飛び込んでくる。この××××は何なんだ?と。※逆再生で『錠剤』と歌っているという。

そしてある日、私は買いました。BUCK-TICKのアルバムを。
そして浴びるように聴き狂いました。

シングル3枚買うよりアルバム1枚買ったほうがコスパいいじゃん!と気付いた頃に初めて買ったアルバム。それがBUCK-TICK。

それまでアルバムはレンタルでしか買ったことがなかったし、ブルーハーツは2枚目"Young & Pritty" を初めて聴いてブッ飛んで
1つ戻って1枚目を聴いたらそりゃもう「リンダリンダ」で、当然ものすごくハマってしまったわけだけど
3枚目、4枚目と聴いていくとテーマが大きめに感じてしまってなんか心が離れていってしまった。

「青空」とか、もちろんいい曲って言われてるものは いい曲 に違いないけど、私のようなバカな中学生のミニマムな世界に対してテーマが壮大すぎたのか、"効き"が弱かった。その点、BUCK-TICKは壮絶に効いた。
これは未成年男子14歳にとっては超危険ドラッグだ。禁止薬物指定したほうがいい。ほぼ全曲ドラッグソングと言っていいかもしれない内容。

そのアルバムタイトルは『狂った太陽』。

1.スピード
2.MACHINE
3.MY FUNNY VALENTINE
4.変身[REBORN]
5.エンジェルフィッシュ
6.JUPITER
7.さくら
8.Brain,Whisper,Head,Hate is noise
9.MAD
10.地下室のメロディー
11.太陽ニ殺サレタ

1曲目で錠剤を噛み砕いて摩天楼にダイブして、
2曲目でたぶんバイクかなんかに乗って飛ばして
なんやかんやあって(3曲目)
変身して(4曲目)
またなんやかんやあって(5曲目)
大切な人を失ってさよならして(6,7曲)
脳内のささやきがなんか壮大な感じになって(8曲目)
とうとう狂っちゃって(9曲目)
幽閉されちゃって(10曲目)
死んじゃいましたとさ(11曲目)
※なんやかんやはSEXの歌でしょうね。

もはや落語。中二病落語。
中学生の私にはこのストーリー・テリングは破壊力がありすぎた。
脳も心を撃ち抜かれた。
退廃的でクールなサウンドに酔いしれた。
耽美で刹那的で男なのに美しいVocal の櫻井敦司、変態的かつエロティックで天才感溢れるギターの今井寿、
普通にカッコいいサイドギターの星野英彦、
ヤンチャだけどどことなく可愛げのあるベースのU-TA、
ロックなお兄ちゃん感あふれるドラマーのヤガミトール。

特にこの「狂った太陽」こそ、いまだにファンの間で語り継がれるマスター・ピース。ビートルズで言うところのサージェント・ペッパーズ。
ビーチボーイズならばペットサウンズといったところ。

とにかくハマった。

芸人の永野も言っていたけど、「M.A.D.」という曲の「僕は狂っていた」という歌は、自分の歌だと思った。見事にBUCK-TICKにドンハマり。

そしてしっかり出来上がった頃に、学園祭の日がやってきた。

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