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【ラジオ】僕らの好きなフリーフォーク.mp3 <後編>

*ポッドキャスト番組「アーバンぱるNEW」の文字起こし記事です。

前編はこちら

<メンバー>
店長 / ダモリ / ファグ






<Jackie-O Motherfucker>


ファグ「イギリスのVibracathedral Orchestraと結構仲良かったグループに、Jackie-O Motherfuckerがいて。結構、集団即興系のフリーフォークの人達の英米交流の象徴的な動きとして、Jackie-O MotherfuckerのメンバーがVibracathedral Orchestraに入ったりとか。Jackie-O MotherfuckerがATP(All Tomorrow's Parties)に最終的に所属するようになったりとか。イギリスのレーベルね。とかっていうのがあって、フォークってやっぱり前も言ったけど、英米の交流っていうのか結構肝になってくるので、それが即興系の人達でもあったっていうのが面白いなと思って見ている、というとこですね。」

店長「なんか個人的には、Jackie-O Motherfuckerって割となんか特殊な立ち位置やと思ってて。ちょっと調べてても、あんまり横の繋がりみたいなのが分からんかってんけど。なんか今の話は面白かったですね。」

ファグ「あー、そうっすか。」

店長「地理的にもポートランドとか西海岸の北の方やったりして。なんかカルフォルニア系の人達とも、ブラトルボロ系の人達ともなんか違う感じ、っていう立ち位置がちょっと。でも、フリーフォークって言うとJackie-O Motherfuckerって結構出てくるよね、みたいな所がなんか不思議やってんけど。」

ファグ「うん、そうね。なんかイギリスと結構付き合いがあるっていうのと、あとなんかやっぱ人数が多いから、結構自主企画みたいなのがあったのかなって。なんかU-Sound ArchiveっていうCD-Rの自主レーベル持ってたりとか。」

店長「だし、なんかTom Greenwood以外は割とアルバム毎にメンバーがほとんど変わってるとか、そういう感じやねんな、Jackie-O Motherfuckerって、確か。」

ファグ「なんかそういうノリに近いのがさっき言った、イギリスのA Bandとかはなんかベニュー毎にメンバーが一人増えへんとライブをしいひん、みたいな狂ったことをしてて。で、メンバーが増えすぎてどうなったやっけな?なんかメンバーがとにかく増え続ける、みたいなことをやってて。そういうとこもなんか即興系フリーフォークのムードみたいなもんが、共通するところがあるなって思ったりしますね。」

店長「そうね。だし、なんかそのコレクティブ感っていうのが、ちょっとゼロ年代前後のムードとしてあったような気はしますけどね。」

ファグ「うんうん。なんか集団即興ではないけど、だからアニコレとかもコレクティブっていう名前を付けるっていうのは、結構時代のニュアンスっていう感じがするよね。」

Jackie-O Motherfucker




<Animal Collective>


ファグ「アニコレとか聴いてましたか?」

ダモリ「アニコレちょっと聞いてましたよ。”Campfire Songs”とか。なんかキャンプファイヤーのような音楽を作りたくてやったみたいな。ウィキペディアに書いててんけど。あの話がスゲー良かったっていう。」

Animal Collective / Campfire Songs (2003)

店長「なんかフィールドレコーディングと混ぜた、みたいなアルバムやんな。」

ダモリ「そうそう。なんかあれめっちゃローテーションしてました。あれなんかめっちゃ気に入って。やっぱそのフィールドレコーディングをちょっと混ぜてる、みたいなんが合致したんやろなっていう。」

店長「あー、ニューエイジ好きにはたまらない、みたいなところはあるんすかね?」

ファグ「あー、ニューエイジャーとして。」

ダモリ「フィールド・レコーディングはいいからね。」

ファグ「なんかアニコレ、やっぱPanda Bearが凄い良いっすね。アニコレ本体よりPanda Bearのソロの方が良くて。なんか凄いフォークトロニカ以降のフォーク感があるというか。あのアコギのかき鳴らしとか、アルペジオがビートとして機能してて、かなりエフェクティブなボーカルが乗っかって、それがアンビエントな上モノとして機能するみたいな。フォークの要素を特化して拡張するみたいな方向性のアルバムというか曲。結構なんかソロはそういうテイストのやつが多くて、その感じっていうのがなんかスピリチュアル感というか祈り感みたいなのも強くて、結構いいっすよね。」

店長「そうっすね。個人的にはあのアニコレのボーカルの感じっていうのが。やっぱりフォークって詞が重要じゃないですか?」

ファグ「うん。」

店長「けど、何かそういうとこにあんまり囚われてない感があっていいなぁって思ったりはしたけど。声も楽器として捉えるみたいな流れは、ちょっと感じるかなと思ったけどね。」

ファグ「うんうんうん。」

ダモリ「なるほどね。」




<John Fahey〜James Blackshaw>


店長「フィンガーピッキング系で、ダモちゃんがよかったアーティストとかはいるんですか?」

ダモリ「いや、僕はやっぱJohn Faheyっすね。John Faheyばっかり聴いてたなぁ、と思って。ゼロ年代やとやっぱり、フェイヒーを聴いて出てきた世代っていうのもいるんやけど。ともかく、その辺はあんまり聞いてなかった感じがしますね。でも、あれ聞いてたかな、誰やっけ?」

ファグ「Jack Rose?」

ダモリ「Jack Roseは聴いてない。」

ファグ「Bonnie Prince Billy?」

ダモリ「12弦のあれ誰やっけ?あ、James Blackshawか。結構聴いてたな、あれ。」

店長「Young Godのね。」

ダモリ「そう、Young Godの。何回か来日もしてる。やっぱ12弦の華やかな響きが良かったって、いうのもあるんやけど。その辺は聴いてたけど、やっぱりひたすらJohn Fahey聴いてたっていうね。」




<Six Organs Of Admittance (Ben Chasny) >


店長「そう。俺はなんかSix Organs of Admittanceは、非常に好きですね。」

ファグ「あ、そうなん?」

店長「そうなんです。で、なんか余談としては、Six Organs of AdmittanceP.S.Fからアルバムを1枚出してるのかな。」

ファグ「あ、そうなんや?へぇー。」

ダモリ「それは知らんかった。マジで?」

店長「そう。で、それがなんかAZULっていう、ex不失者の臼井弘行さんとか田畑(満)さんとかがやってたバンドと一緒に、なんかP.S.Fからアルバムを1枚出してる、みたいな話があって。」

ダモリ「そこにも繋がんねや。」

店長「そう。そこら辺にも繋がんねんなぁって思ったな。」

Six Organs Of Admittance / Azul - ST (2009) LP
P.S.F. Records

ファグ「なんかさ、Ben Chasnyの、これ何で見たのかな?あ、フリーフォークの紹介サイトか、海外の。で見たけど、なんかPtolemaic Terrascopeっていうフォーラムに結構入り浸ってたらしくて。その”Ptolemaic Terrascope”っていうインターネットのフォーラムは、サイケの海外雑誌音のインターネットコミュニティみたいなんで。なんかその辺でちょっとずつ有名になっていった、みたいな。”志を同じくする他のレコードコレクターと連絡を取り始めた”みたいなことも書いてて。なんか結構、元々サイケフリークみたいな感じの人やったのかもなぁと思うところはあって。で、Ben Chasnyはネオフォークの人達とも交流があったよね?」

店長「David Tibet?」

ファグ「そうそう。David Tibetと交流があったりとかするから。結構なんかインターネットっぽい人なのかな、もしかして?とか思ったり。インターネット時代のオタクというか、サイケ好きみたいな。なんで、我々の先輩みたいな感じですよね (笑)」

ダモリ「マニア出身、みたいな?」

ファグ「そうそうそうそう。音楽ヲタ出身みたいな感じなのかなって?その紹介記事を見て思った。Ben Chasnyってどこの人やったっけ?」

店長「Ben Chasnyはカリフォルニアやな。」

ファグ「カリフォルニアか。だから、なんかブラトルボロとはちょっと毛色が違うのかね。」

店長「うん。ちょっと違うよね、やっぱり。」

ファグ「確かにね。だから、なんかジャンクさとフォークの振り幅みたいなのがあるよね、音楽性の中に。」




<Willie Lane>


ファグ「なんかアメリカン・プリミティブ系とはちょっとまた離れてまうねんけど、MV&EEとよく共演してる人でさ、ブラトルボロ・フリーフォーク・フェスにも出てた人でWillie Laneっていう人がいんねんけど。なんか詳細が全然分からん人やねんけど。Bandcampに3枚ぐらいかな?アルバムが上がってて。この人の曲すごい良くて、なんか滋味のあるフォークというか、やねんけどMV&EE的な軽さがあるっていうのかな。なんか軽い感じのフォークやけど、ちょっとこうタイム感がストレッチしたりするアシッドな感じっていうのが好みで。それに割とハマる人としてWillie Laneっていう人がいて。ちょっと一回聴いてみてもらいたいですね、どっかのタイミングで。あんまり聴かれてない感あんねんけど、すごい良かったっていうので紹介させていただきました。なんかMV&EEと共演してるみたいな盤もあったりして、ソロとは別に。なんかよく分からん人やねんけど。多分近所の知り合いみたいなノリやと思うねんけど。なんかそういう関係性の近さもフリーフォークっぽくっていいなと思ったり。」

ダモリ「確かに。」




<Sunburned Hand Of The Man〜まとめ>



店長「Sunburned Hand Of The Manとかはさ、なんか演奏をすごい重視してる感じがして。なんかとりあえずライブしまくって、それを録音してリリースしまくるみたいなスタンスはどっちかっていうと、インプロの人とかノイズの人とかと近い感じの活動の仕方やなぁ、って思ったけどな。」

ファグ「うん。なんかサンバーンドってさ、”Freak Funk”って自分で名乗ってたか、音楽誌が付けたか分からへんけど、そんな冠付いてたって、何かの記事に書いてたけど。何なんやろうな、あれ?Freak Funkって書いてたで、Freak Funk!」

ダモリ「リズムをちょっと重視してる、みたいな?」

ファグ「まあ、Fourtetともな、2〜3枚やってるしな。」

店長「ああ、EYEさんがジャケをやったやつとかね。」

ダモリ「ああ、それそれ。」

Sunburned Hand Of The Man / Fire Escape (2007)

ファグ「俺、あれが好きやねんけど。確か、Thurston Mooreのレーベルから出てんのかな?Ecstatic…、何とか。」

店長「Ecstatic…えーと、Peace!か。Ecstatic Peace!

ファグ「そう、Ecstatic Peace!から出てる”A”っていうのが、結構ぐちゃぐちゃしてていいっすよ。赤子のイラストのジャケットのやつ。」

店長「うん。サンバーンドとかはなんか、俺的にはちょっとフォーキー加減が少ないので…」

ファグ「うん、嫌い?」

店長「いや、全然嫌いじゃないけど (笑)」

ダモリ「あのEYEちゃんのジャケのやつも、結構トライバルなって言うか結構リズムな感じ…」

店長「普通にサイケやんと思うけどな。」

ダモリ「そう、サイケなね。」

店長「なんで、フリーフォークかっていう所で考えると個人的にはちょっと微妙なラインかな、と思ったりする感じですね。」

ファグ「あー、なるほど。フォークさが重要なんすね?」

店長「フォークさも重要、って感じ。」

ファグ「でも、フォークさ1・物音感9、みたいなのも結構いるやんか?アルバム1枚だけフリーフォークっぽい、みたいなのとかもいるから。それで言うとやっぱ、アニコレをどれぐらいフリーフォークとして見るか、っていう所がポイントかもね。アニコレ全部有りやと、サンバーンドはめっちゃフリーフォークやなって感じ。」

ダモリ「全部有りやとそうなるもんね。」

店長「そうっすね。そことちょっとリンクする所で言うと、ゴールデンアップル系の人をどう捉えるか、みたいな所もあって。”The Golden Apples Of The Sun”の1曲目がVetiverなのかな。で、これにHope Sandovalがフューチャリングされてて。で、なんかVetiverの1stとかにはマイブラのドラムの人とかも参加してたりしてて。なんか広義のフリーフォークって考えると、薄っすらドリームポップとか、シューゲイザー的な流れもちょっと合流したりするのかな?ってちょっと思ったりしたな。」

ファグ「あー、なるほどね。」

店長「ちょっと違うテイストのフォーク、みたいなのを。」

ファグ「うん、なるほど。そこからさらに拡張しようっていう志向があったのかもしれへんね。なんかさ、Redditのスレの話をまたすんねんけど、その人達が言ってたので、Brattleboro Free Folk Festivalに出てた面々と”The Golden Apples Of The Sun”。ちょっとメンツは被ってるとこもあんねんけど。そっからブラトルボロ系の人達が躍進しなかった理由は何か?みたいな明らかに違うのにみたいなことを書いてる人がいて。それに対する一つのレスとして、時代的にフェスっていうのがひとつ大きい、認知・収入の元になっていた時代やっていう風に書かれてて。で、それに対する準備がブラトルボロ系の人たちは出来てなかったって、いうことを書くわけね。」

店長「うんうん。」

ファグ「で、サンバーンドとかはそういうイベントの夜中の2時ぐらいから出てたかもしれないけど、メインは張れなかったんじゃないか?で、メインを張る準備が出来てたのが、Devendra Banhartであるとか、Joanna Newsomであるとか、Vetiverであるとか、そういうメンツだったんじゃないか?そこが悪い言い方で言うと、売れ専みたいに見られる、というか。だから、そこにもしかすると大きな切断線ていうのが引かれていて、フリーフォークっていうものの、イメージ受容っていうとこに違いが出てきてしまう要因だったんじゃないか?みたいなことを書いてたと。」

ダモリ「フリーク・フォーク!」

店長「確かにね。野田(努)さんも、なんかブラトルボロ系の人たちは、商業的な野心がなさ過ぎる、みたいなことを書いてたような気がするけど。」

ファグ「書いてたね。なんかやっぱこう、CD-Rとかを作って自給自足してやってく、みたいな夢が多分ゼロ年代の最初ぐらいにはあったんですよね。なんか大きいレーベルとかとは別の動きとして、自分達でやっていけるんじゃないかみたいな。なんかそういう理想は共有されてたんじゃないかな?そのCD-Rでめちゃくちゃ音源出しまくってる系の人達は。」

店長「うんうん、そうね。だし、なんか割とブラトルボロ系の人達とかは、コミューナルな生き方を望んで選んだ感じはするんで。その辺がね、なんかサイケ感というか。と、繋がるところはあったりするのかなと。」

ダモリ「コミューン感がね。」

ファグ「はい。」


前編はコチラ





【REFERENCE】


WEB SITE

○No Neck Blues Band redux: my 2006 (or 2007?) interview with Dave Nuss https://alienatedinvancouver.blogspot.com/2021/03/no-neck-blues-band-redux-my-2006-or.html

Allan MacInnisによるNo Neck Blues BandのDave Nussへのインタビュー。即興と匿名性を重視しており、フォークというよりはニューヨークのフリーな即興コレクティヴという様相(ESP的な)が強いことが伺える。Jim O'rourkeを介したJohn Faheyとの繋がりや、Embryoとの共演の話も。


○弧高のギタリストからマルチ・インストゥルメンタル奏者への変化を目指したSteven R. Smithの新なるユニットUlaan Janthina
https://hiroshi-gong.hatenablog.com/entry/2020/11/19/231131

Steven R.Smithは90年代後半のサイケ・ジャムバンドMirzaなどで活動していたギタリスト/マルチ奏者。前回でも紹介したhiroshi-gongさんによるブログ『ディスカホリックによる音楽夜話』の2020年の記事。ここではUlaan Janthinaとしてリリースした神秘的なパッケージのカセットテープ作品を紹介。

○An Aquarium Drunkard Guide to Jewelled Antler https://aquariumdrunkard.com/2021/09/28/an-aquarium-drunkard-guide-to-jewelled-antler/

フォークドローン/ノイズグループのThujaのLoren ChasseとGlenn Donaldsonが作ったレーベル/音楽集団であるJewelled Antlerの来歴といくつかの音源を紹介している。この集団にはFursaxaやSteven R.SmithやDonovan Quinnらも含む。その場限りのコラボや少数の手売りCD-Rとして作られており聴くのが難しいのもあるが、Steven R.Smithの作品などBandcampで公開しているものもある。

○WIDE-EYED WONDER: AN INTERVIEW WITH BEN CHASNY OF SIX ORGANS OF ADMITTANCE
https://www.popmatters.com/110153-wide-eyed-wonder-an-interview-with-ben-chasny-2496073229.html


○Six Organs Of Admittance - Interview https://pennyblackmusic.co.uk/Home/Details?id=15211

BEN CHASNYの2009年の『Luminous Night』リリース時のインタビューと2007年のインタビュー。John FaheyやRobbie BashoよりもLeo Kottke、米国勢よりもBert Janschなど欧州勢ギタリストを好んでいるのが興味深い。

○The Wire 300: David Keenan locates the roots of the UK’s current DIY underground in the anarchic activities of The A Band https://www.thewire.co.uk/in-writing/essays/the-wire-300_david-keenan-locates-the-roots-of-the-uk_s-current-diy-underground-in-the-ana

David Keenanによる記事で、Richard Youngs、Neil Campbellの参加していたA BandのUKアンダーグラウンドシーンでの重要な位置を示しているほか、A Bandの1993年の録音『*Artex/A Lot*』にフリーフォークとの類似性を見出している。


○Neil Campbell Interview
http://www.furious.com/perfect/neilcampbell.html

2003年のNeil Campbellのインタビュー。即興のスタンスとしては、フリー・インプロより古き良きジャミングが好きとのこと。A Bandの記事と併せて読みたい。AMMやPharoah Sanders、Peltにも言及あり。


○Nontraditional folk in Brattleboro https://www.rutlandherald.com/news/nontraditional-folk-in-brattleboro/article_eafb70cf-240a-5132-ab5b-cdcbf7d6be52.html

ブラトルボロのある地元バーモント州の新聞Rutland Heraldによるブラトルボロ・フリーフォーク・フェスティバル2003年当時の記事。出演者の紹介など。「Joan Baezを想起させないフォーク・フェスティバル」


○Amplitude Equals One Over Frequency Squared - Jackie-o Motherfucker Interview
http://frequencysquared.blogspot.com/2005/02/jackie-o-motherfucker-interview.html

『Fig.5』リリース時の2001年のTom GreenwoodとJef Brownへのインタビュー。サウンドチェック的には作られたこの作品について語っている。また芸術教育での商業主義においての失望など、素朴さを失っていく社会について語っており、当時のムードというか、ある種の閉塞感からの動機も感じられて面白い。


BOOK

〇REMIX NOV.2005 特集:森へ、フリー・フォークへ、フリークド・アウト・フォークへ

フリーフォークを巻頭特集にした数少ない国内誌。この時点で言及すべきアーティストが出揃っていることがわかる。クラブ系の雑誌なので、アニマルコレクティブを巻頭に持ってきたのかと想像。デヴェンドラバンハートとアリエルピンクの扱いが現在とは少し異なっていて気になる。


〇別冊クロスビート ULYSSES no.1 AUTUMN 2009

フリーフォークの旅という特集冒頭で「60~70年代のイギリスアシッドフォークを(中略)継承するのは、今やイギリス人ではなく主に西海岸のアメリカ人であるという歴然とした事実なのだ」と書かれている通りThe Golden Apples Of The Sun以降のフリーフォーク観か。21世紀のフォーク英米交流としてのフリーフォークという側面に焦点があてられており、Devendra Banhart、Bridget St John、Linda Perhacsのインタビュー。


〇FEECO magazine extra issue MUSIC + GHOST (2022)

憑在論をテーマにGhostboxからネオフォーク、BBC Radiophonic Workshopなどの軌跡を結び合わせ、英国でかつて夢見られ既に失われてしまった未来の痕跡と、それによって逆照射される現代、そしてその幻影を追い求める人の性に考えを巡らせる一冊。 「大いなる古きアメリカ」と題された節で、フリーフォークは米国版憑在論として取り上げられる。ネオフォーク、マイケルジラとの関係に光を当てながら、英国憑在論との比較によって、伝承なきがゆえにひとつのフォークロアを夢想しつづける宿命を負った米国の姿が浮かび上がってくる。
https://atochietebura.com/HD/h024.html


〇ele-king vol.29 Summer 2022 特集:フォークの逆襲─更新される古き良きモノたち

Big Thiefを筆頭にじわりと盛り上がりを見せる近年のフォークシーンをとりあげながら、そこに至るまでの歴史も紐解く濃密な内容。フリーフォークについてのコラムもあり。

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【What’sアーバンぱるNEW】 アーバンぱるNEWとは、ゼロ年代に培われたサイケデリック感覚のフィルターを通し、音楽にまつわる様々な事象を語り合う精神の旅番組です。

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