ハロウィンコラボ解説最終回。みなのんたちの前に現れた最後の守護者とは何者なのか――？

エコちゃん
　うわっ!?　な、何なの!?　いきなり何か降ってきたよ!?
トリ
　まさか覇王丸さんか!?
イケメン
　みんな、いったん距離を取れ！　覇王丸さんの得物のリーチは危険だ！
？？？
　……よく来たな、挑戦者たちよ。
ギャル
　えっ？　この声……まるるんじゃなくね？
ゲーマント
　私はネオジオボウルを守る第５の守護者。――人呼んでゲーマント！
みなのん
　げ、ゲーマント……？
ゲーマント
　きみたちに超ド級の試練をあたえよう……。さあ、どこからでもかかってくるがいい！

　不動老師が黒子を通じて覇王丸の代役を任せた「あの男」……それはゲーマントだった！　ちなみにゲーマントが登場の時にいきなり上から降ってくるというのは、『KOF2000』でのストライカー動作を再現しているのかもしれない（よく判らんが）。

トリ
　なあ礼司、ウチの学園、今は何十人も格闘家がいるけどよ、こんなのいたか？
イケメン
　いや、知らないな。……覇王丸さんが仮装をしているだけなんじゃないのか？
トリ
　いーや、筋肉のつき方がぜんぜん違うぜ。マントをしてても俺様の目はごまかせねー。
ウサタロー
　さすが筋肉ソムリエの酉原だぜ！　そこまで分かっちまうのかー！
エコちゃん
　で、でも、じゃあこの人はいったい……。ここの守護者は覇王丸さんじゃなかったの？
トリ
　落ち着けよ。どっちにしても、こいつが正体不明なことには変わりねーぜ！　……おい、おまえいったい何モンだ!?　まさか怪人てことはねーよな？
ゲーマント
　フフフ……人は私をこう呼ぶ。すごいゲームを連れて帰る男、謎の怪人ゲーマントと！
トリ
　怪人!?　マジかよ!?
イケメン
　……相手が怪人なら、俺たちも本気を出さざるをえない！　行くぞ、みんな！

　最後の相手は覇王丸、という予想を裏切って登場したゲーマントと、雪崩れ込むように最後の戦いに突入したみなのんたち。
　そしてその戦いをモニター越しに見守る大人たち。

Mr.KARATE
　不動老師、あのマントの男ですかな、覇王丸殿の代役というのは？
不動老師
　いかにも。
Mr.KARATE
　なるほど……モニター越しにもよく分かる。あの男、恐るべき使い手と見ました。邦弘殿といい、そちらの黒子殿といい、この学園はまさに多士済々ですな。
黒子
　恐れ入ります。
Mr.KARATE
　いつか私もお手合せ願いたいものです。黒子殿にも、ゲーマント殿にも。
不動老師
　いずれにしてもこの戦い、見ものですな……。

　そしてみなのんたちは、ゲーマントとの戦いにかろうじて勝利する。

みなのん
　ど、どうだ！　これが僕たちの力……今の全力だ！
ゲーマント
　ふふ……フハハハハハ！　まったく、元気のいい子供たちだ。
トリ
　こ、こいつ……まだ余力があるってのかよ!?
エコちゃん
　でもおかしいよ。この人の力は能力者のものとは少し違うみたい……。
イケメン
　確かにそうだ。――本当に怪人なのか？
ゲーマント
　私は怪人ゲーマントと呼ばれているだけで、きみたちがいうところの怪人などではない！
ギャル
　はぁ!?　だったら最初からそういえし！　まぎらわしいじゃん！
ゲーマント
　だが、おかげできみたちの力が、ヒーローの名に恥じないものだとよく分かった！　そんなきみたちにこれをあたえよう。……モモ味のネオジオボウルだ！
ウサタロー
　やっぱりニンジン味じゃなかったかー！　勝ったのに何だか負けた気分だぜー！
ゲーマント
　フハハハハ！　それではいつかまた会おう。――さらばだ少年少女たちよ！
イケメン
　何っ!?　――な、何て速さだ……。この俺がまったく反応できなかった……。
エコちゃん
　でも、結局は怪人じゃなかったし、悪い人でもなかったみたいだね。
ギャル
　いやいや、中身が超気になるんだけど！　ホント誰だったわけ、あれ？
覇王丸
　お～い、おまえら～！
みなのん
　あ、覇王丸さん。……と、楓さん？
覇王丸
　す、すまんすまん、ちょっと、その……酔って寝すごし、う、うぷっ――。
ギャル
　うわあ……！　ちょ、まるるん、酒臭い！　あんま近寄るなし！
覇王丸
　いや、今日は西洋のお祭りなんだろ？　それで、街に出てちょっとな……。
ギャル
　ちょっとってレベルじゃなくね!?
トリ
　そもそも俺ら、もうあんたの代役と戦って、ネオジオボウルも手に入れちまったぜ？
覇王丸
　な、何……？
イケメン
　ああ。気分が悪いのを無理して来てくれたのに悪いんだが……。
覇王丸
　そ、そんな……急いで走ってきたのに……。う、うぷぅ――。
楓
　あっ！　ちょっと、覇王丸さん！　こんなところで吐かないでください！
覇王丸
　楓……あ、あんまり大きな声、出さねェでくれよ、おい――。……どうも、あのラムとかいう西洋の酒、あいつがよくなかったらしいぜ……。
トリ
　どうせあんたのことだからよー、ひと瓶一気に飲んじまったんじゃねーのか？
覇王丸
　ご、ご明察……。たまたま居合わせた海賊と気が合ってな。でもって、ふたりで調子に乗って、店にある酒を全部出せって――。
みなのん
　へ？　か、海賊？　誰です？　海賊のコスプレした人ですか？
覇王丸
　そういや名前を聞いてなかったっけな……本人は海賊だっていってたよ。着物が珍しいっていうから、おたがいの着てるもんを交換したんだ。
エコちゃん
　……何だかよく分からないけど、とにかく、海賊さんと意気投合したのね。
楓
　いいですか、覇王丸さん！　当分の間はお酒はなしですよ？　学園長から頼まれた仕事を放り出して、酔い潰れて寝るなんて無責任すぎます。
覇王丸
　そういうなって……ひっく！　……これはアレだ、迎え酒が必要だぜ。
トリ
　おい礼司。この人ぜんぜん反省してねーぜ。冷水でもぶっかけてやったらどーだ？
イケメン
　ああ、俺も今それを考えていたところだ。ウォーター――！
みなのん
　わっ！　み、みんな、離れて！
イケメン
　シュート!!

　判る人には判ると思うが、覇王丸のコスチュームは『WH』に登場するキャプテン・キッドのもの。『キミヒロ』のコラボイベントは、のちの展開を見越したネタを仕込んでいたりするので、「まさか『WH』リメイク来るのでは!?」と胸を躍らせた時期がぼくにもあった。

　さて、戦いすんで日が暮れて。

不動老師
　やれやれ……どうにかさまにはなったか。来年以降の開催については要検討だが……。おぬしもご苦労だったな。
ゲーマント
　いや、この世界のヒーローたちの力、じかに触れることができた。私にとっても大きな収穫だった。こちらこそ礼をいわせてもらおう。
不動老師
　……不思議なものだ。どうもおぬしからは、ほかの格闘家や侍とは違う何かを感じる。なぜだろうな……。
ゲーマント
　あなたのその直感は間違ってはいない。確かに私は異世界から来た者だが、格闘家でも侍でもない。……そもそも、彼らとは決定的に違う世界の住人なのだ。
不動老師
　何？　それはどういう意味だ？
ゲーマント
　この世界は謎と秘密でできているのだ。すべてを明かしてしまっては面白くない。私の正体も、あなたたちの行く末も……。しかし、これだけは断言してもいい。あなたの教育は間違ってはいない！　彼らと戦って私はそう確信した！
不動老師
　そうか……。
ゲーマント
　いつかまた私の力が必要になった時、私はあなたたちの前に現れるだろう。それまでさらばだ、不動邦弘よ！
不動老師
　まて、最後にひとつだけ教えてもらえぬか？　今回、おぬしの助言にしたがってこのようなイベントを開催したが、そもそもネオジオとは何なのだ？
ゲーマント
　ネオジオ……それは母なる大地。幾多の夢が眠る場所。そして――私が生まれた世界でもある。
不動老師
　何と……!?
ゲーマント
　それでは本当にさらばだ！　少年少女たちに虫歯には気をつけろと伝えてくれ！　フハハハハハハ……！
不動老師
　怪人ゲーマント、か……。つくづく底の知れぬ男よ……。

　ということで、セリフの抜き書き超多めでお送りしてきたハロウィンコラボ解説もこれでおしまい。コラボキャラと学園の面々ががっつり絡むのがこのゲームの魅力のひとつだとすれば、それが一番端的に表れていたのがこのイベントといっていいかもしれない。とにかくやたらたくさんのキャラが登場してわちゃわちゃしていたのが印象的なイベントだった。
　順当に行くと次は『SNKヒロインズ』コラボ回なのだが、振り返ってみると、この頃はもうサ終発表が間近かったんだなという感想ばかりが湧いてきて、何ともいえない気分になってくる。