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【SNK】コラボ解説14【キミヒロ】

 2018年9月~10月にかけて開催された『餓狼伝説』コラボ。前回が『餓狼3』の直前までをカバーしているのだとすれば、今回はがっつり『餓狼3』から『RB2』までをカバーしており、登場するキャラも、キム、ダック、山崎、秦兄弟(ふたりで1キャラあつかい)、クラウザーに、さらにシャンフェイ、リック、そしてアルフレッドとなっている。
 このうち、クラウザーだけは『餓狼2』の時点で死んでいるからか、『キミヒロ』世界でのストーリーにはかかわってこず、ガチャで実装されるにとどまっている(それ以外のキャラはがっつりストーリーに出てくる)。

 いつものようにいつものごとく、街の治安を守るためにパトロール中のみなのんたち。すると、学園でのクラスメイトである「カンフーマスター」こと熊代メイリンがバイトをしている中華料理店でトラブルが。話を聞いてみれば、シャンフェイなる少女がありったけの肉まんを買い占めて食べ尽くした挙句、偽札で代金を払おうとしているというのである。
 この店の肉まんで空腹を癒やそうとしていたトリはそれを聞いて激怒。これまたいつものようにいつものごとく、拳による熱い語らいが繰り広げられた結果、シャンフェイもまたテリーたちと同じ世界から来た格闘家だということが判明する(この世界のドル紙幣は『餓狼』世界のドル紙幣と少し違っているらしく、シャンフェイがドルで肉まん代を支払おうとしたことから生じたトラブルだった)。
 戦いを通じ、シャンフェイとカンフーマスターは、カンフー少女同士の熱い友情で結ばれることになるが、その一方でみなのんたちは、新顔の格闘家がやってきたことで、またあらたな巨悪がこの世界で動き始めているのではないかと警戒を強めるのだった。

 そういえばまだギースの件にも決着がついていないんだっけ、とみなのんが物思いにふけっていると、ロードワークに向かうリョウと行き会う。何でも、最近リョウは気の合う稽古仲間と知り合ったらしく、いっしょに稽古するため、きょうも5キロ先の河川敷まで行くのだという。
 すると、格闘技には一家言のあるトリが余計なことをいい出した。

トリ
 話は聞いたぜ、リョウさん……。何だよ、水臭ぇじゃねーか! そういうことなら俺様たちも一緒にトレーニングさせてもらうぜ!
みなのん
 ……たち? 今、俺様たちっていった?
トリ
 空手家としてのアンタの姿勢、俺様は以前からずっとリスペクトしてたぜ! アンタと一緒に特訓がしてみてーんだ! 俺様たちも同行させてくれ!
ギャル
 ちょっ、ちょい待ち、トリ頭! そういうことにウチらまで巻き込むなし!
みなのん
 そ、そうだよ! だいたい僕なんて、特訓の足手まといにしかならないし――。
リョウ
 そんなに卑下する必要はないぞ、皆野くん。誰だって最初は初心者なんだからな。……そうだな。なら、特別におまえたちを俺の臨時の弟子として認めよう!
ギャル
 は!? いやいやいや、いらないから! 認めてくれなくていいし、マジで!
リョウ
 はっはっは、そう遠慮するなよ。空手部に体験入部したとでも思えばいいさ。
トリ
 面白ぇ……極限流空手の本当の強さ、この目で確かめてやろうじゃねーか!
リョウ
 さあ、そうと決まればさっそく行くぞ! 河川敷までロードワークだ!
エコちゃん
 え~、わたし、走るの苦手なのに~! 5キロなんて絶対に無理だよ~!

 こうして変身もせず5キロの道のりを走らされたみなのんたちを待っていたのは――。

帰ってきたキム・カッファン! さわやかテコンドー。

 というわけで、キムもまたこの世界に来ていたのである。たびたび説明しているが、このキムはあくまで『餓狼』世界から来ているので、一部の『餓狼』キャラとはそれなりに面識があるが、『KOF』でしかつながりのないキャラとは面識がない。そのため、こういうことも起こってしまう。以下は、キムを連れてみなのんたちが学園へと戻ってきたシーン。

メイ・リー
 しっ、師匠~! キム師匠~!!
みなのん
 き、君は確か……メイ・リーさん!?
メイ・リー
 ご無沙汰してました、師匠! まさかこんなところで再会できるとは……!
ギャル
 アンタもしかして、キム先生の知り合い? ……そういやテコンドーやってんだっけ。
キム
 いや、私の弟子にこんな子はいません。君は誰です? 私を知っているのですか?
メイ・リー
 ええ!? な、何をいうんですか、師匠! 師匠の1番……はいいすぎだけど、でも、4番目くらいの弟子のメイ・リーですよ! もしかしてこっちの世界に来る時に、頭でもぶつけて忘れちゃったんですか!?
みなのん
 ちょ、ちょっと待ってよ、メイ・リーさん! おそらくだけど……たぶんこのキムさんは、君の師匠のキムさんとは別人だと思う。前にも似たようなことがあったんだ。
メイ・リー
 べ、別人?
みなのん
 うん。このキムさんは、君の世界とは別の世界に生きているキムさんなんだよ。
メイ・リー
 そ、それじゃ……もしかしてチャンさんとチョイさんのことも知らないってこと!?
キム
 チャンとチョイ? いや……申し訳ないが、心当たりはないな。
メイ・リー
 そっ、そんな……。この異世界で、やっと師匠に会えたと思ったのに――。
キム
 ……君は、テコンドーをやっているのか?
メイ・リー
 は、はい……。師匠とくらべればまだまだ未熟ですけど。
キム
 そうか……まだよく事情は呑み込めないが、これも何かの縁かもしれない。――よろしい! 君は今この瞬間から、キム・カッファンの弟子だ!
メイ・リー
 ええっ!? い、いいんですか!?
キム
 ああ、何も遠慮することはない! ただ、私の指導はとても厳しいぞ?
メイ・リー
 はいっ! それはもう分かってます! 今後ともよろしくお願いします!

 何かこう……いいよな。いいと思わん?
 しかし、こんなさわやかさんが来る一方で、異世界からは悪人もやってくる。現にふたりのギースやMr.BIGなど、異世界から来た悪人たちは、この街の闇に棲みつき、着実にその勢力を拡大しつつあった。
 そしてきょうも、とある料亭を舞台に、後ろ暗いたくらみが進行しているという。その潜入捜査に繰り出していたのは、もはや不動老師専属の腕利きスパイと化した感のある服部半蔵と、学園の美少女ヒーローのひとり「マイコ・ドール」。
 ふたりのはたらきによって、街の財界のお歴々を招いた大規模な賭場が開かれるという情報が学園にもたらされた頃、ギャルいうところの渋ギーのもとにも、とある男から“イベント”への招待状が届いていた。

 というところで今回はおしまい! 続きはまた今度!

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