2022年11月18日。『ポケットモンスターSV』が発売される。
　ということは、その瞬間、本編最新作であったはずの『剣盾』が過去作になってしまう。実際、もうワイルドエリアニュースは更新されなくなっており（つまりもうピックアップレイドバトルは発生しない）、ランクマに関しては現行のまま続くと明言されているものの、新しい大会が行われることもない。多人数で集まって挑むことが前提のダイマックスアドベンチャーも、おそらくは徐々に人が減っていくことになるとは思う。
　新作発売直前の今、そんな一抹の寂寥感を噛み締めつつ、ぼくはPCに保存してあったスクショなどをあらためて眺めてみることにした。

　物語の最初の区切りともいえる殿堂入り。11月15日発売で18日に殿堂入りというのは意外に時間がかかっている気がする。
　というか、これがもっとも日付の古いデータというのは、道中いかにぼくがスクショを取る暇さえ惜しんで先を急いでいたかというよい証拠。

　そして次の区切り、図鑑コンプ。
　詳しい人には説明するまでもないが、一つ前の世代の『USUM』までは、ゲーム内の図鑑は大雑把にいえば２種類あった。ひとつがその地方に出現するポケモンだけを集めた地方ごとの図鑑で、もうひとつがその時点で存在するすべての地方のすべてのポケモンを収録した全国図鑑なのだが、この『剣盾』からは全国図鑑というくくりがなくなってしまった。これは、以前は殿堂入り後に（ほぼ）すべてのポケモンを入手することが可能だったものが、『剣盾』では一部のポケモンが絶対に入手できなくなってしまったことが影響している。
　大量のポケモンがリストラされたということで、世界中から公式に向けて非難の声があがったのも（よくはないが）印象深い思い出である。

　この頃のぼくことウレシーヌ。『KOF XIII』バージョンの草薙京のコスプレをしている。主人公の髪型や髪色、メイクをいじったり着替えたりという遊びは、すでに2013年発売の『XY』の時点で可能だったが、代を重ねるごとに確実にパワーアップしてきており、『SV』ではすでに目に見えるレベルの沼が口を開いている。

　こちらは『剣盾』でぼくが最初にタマゴ孵化によって手に入れた色違いクチート。可愛いけどなかなか出番をあげられない。すまない……きみはもうメガクチートにはなれないんだ……。

　そして明くる2020年。シリーズとしては初めてとなるエキスパンションパスが発売され、６月に「鎧の孤島」、10月に「冠の雪原」が配信された。これまでは、『赤緑』に対する『ピカチュウ』バージョンや、『金銀』に対する『クリスタル』のような、現代でなら『ペルソナ』商法などと揶揄されそうなVer.1.5的ソフトをリリースすることがつねであった『ポケモン』が、エキスパンションという形であらたな遊びを追加したことは、結果的には大成功だったといえる。新作を１本買うよりはるかに安価に、なおかつ似たようなストーリーを繰り返す労力も使うことなく、発売後１年を待たずして、新要素、新ポケモンを入手できたからである。

　また、Switchベースとなったこの作品からは、定期的にピックアップレイドバトルが配信され、ぼくのような色違いコレクターには嬉しいかぎりだった。

　次回作『SV』は、カレー作りに相当するサンドイッチ作りによって色違いの出現率を上昇させられるので、今後もぼくの色違い集めはますますはかどるだろう。
　とはいえ、『SV』に登場せず『剣盾』にしか登場しないポケモンもいると思うので、その色違いはやはり『剣盾』で捜すしかない。なので、何のかんのいいつつまだまだ『剣盾』で遊ぶ機会はある。
　というか、ぼくは色違いを集めるため、いまだに『XY』で遊ぶことがある人間である。当然のように『SM』や『USUM』もプレイする。何ならこの文章を打っているかたわら、2DSLLとNew3DSを同時に起動させて、アゴジムシとカラカラの色違いゲットにいそしんでいる。

　だからこそ、『SV』発売直前の今、ぼくはいいたい。
　ありがとう、『剣盾』！　そして今後ともよろしく！　あと10年くらいは世話になるから！