見出し画像

【SNK】コラボ解説33【キミヒロ】

 きょうもきょうとて『MotW』コラボ解説。
 なぜか奪われたウサタローを救うため、おもに女子たちががんばる形でジェニーと戦うことになったみなのんたち。どうにか勝利し、ジェニーを学園に迎えることに成功するのだが、一方その頃、テリーを捜して街をさまようロックはといえば――。

ロック
 はぁ、はぁ、はぁ……。……あんたも来てるんだろ、この世界に。
いったいどこにいるんだよ、テリー……。…………。
崇雷
 おい、そこの貴様。
ロック
 ……ひょっとして俺にいったのか?
崇秀
 ええ、あなたですよ。……どうやら間違いないようです、兄さん。
崇雷
 貴様、ロック・ハワードだな?
ロック
 ……俺のことを知ってるのか? 俺はあんたらのことを知らないんだがな?
崇雷
 俺たちもあの学園に世話になっている。気は進まないが、一宿一飯の恩義でな。
崇秀
 あなたを見かけたら連れ戻してほしいと、学園長からの指示があったんですよ。さあ、一緒に来てもらえませんか? 気絶した人間を運ぶのは疲れますからね。
ロック
 ……そいつはつまり、場合によっては力ずくでも連れ帰るって意味かい?
崇雷
 俺は別にそれでもかまわんぞ? ちょうど退屈していたところだからな。
ロック
 面白ぇ……俺もむしゃくしゃしてたんだよ。何だったらふたり同時でもいいんだぜ?
崇秀
 ククク……ここは兄さんに任せますよ。僕はこの世界に退屈していませんから。
崇雷
 ……いいだろう。かかってこい、ギースの息子。
ロック
 ! その名前を……口にするんじゃねえ! ――烈風拳!
崇雷
 帝王他心拳!
ロック
 ぐっ!? お、俺の攻撃を跳ね返しただと……?
崇雷
 フン、これが貴様の拳か? ぬるいな。貴様の強さなど父親の足元にもおよぶまい。
ロック
 おまえら……あの男を知っているのか?
崇雷
 ついこの前戦ったばかりだ。……決着はまだついていないがな。
ロック
 何!? い、生きているのか……? ギースが……この世界では生きているのか!?
崇雷
 貴様、何をいっている? ギースが生きていることの何がおかしい?
崇秀
 ……兄さん、確か彼は、僕たちよりも10年以上あとの世界から来たとか……。
崇雷
 そうか……貴様が生きている世界では、すでにギースは死んでいるのだな? なるほど、それは面白い……。詳しく聞かせてもらおうか。
ロック
 ああ……その代わり、あの男についておまえらが知ってることも教えてもらうぜ。

こいつら別に、でんきタイプとほのおタイプってわけじゃないんですけどね。

 アンディが危惧していた通り、ロックはここで、母の仇である(と考えている)ギースが、この世界ではまだ生きているということを知ってしまったのだった。

崇雷
 ギース・ハワードを倒したのは、やはりテリー・ボガードだったわけか……。
ロック
 だが、俺はテリーを父親の仇だなんてこれっぽっちも思っちゃいないぜ。むしろあの頃の俺にもっと力があれば、俺自身の手であいつを……!
崇秀
 やれやれ……くだらないですね。あなたの父親はとうの昔に死んだのに、いまだにその幻影に縛られているなんて、愚かしいにもほどがありますよ。
ロック
 何だと……!? この世界のギースは、まだ生きているんだろ!? だったら――。
崇雷
 貴様が母の仇と考えているギースは、すでにテリーに倒されて死を選んだ。その時点で貴様の仇討ちは幕を閉じている。これ以上は蛇足というものだ。
ロック
 だが……奴が同じ世界に生きているんだぞ!? かあさんを見捨てた、あの男が――!
崇雷
 俺たちは今、過去の亡霊と戦っている。
ロック
 ……何?
崇雷
 我ら一族に取り憑いている、2000年も前のカビ臭い亡霊とな……。
崇秀
 確かに僕たちは今も強さを求めています。でも、それはあくまで自分自身として、自分自身の強さを欲しているんですよ。過去の亡霊の傀儡になるなんてまっぴらだ。
崇雷
 だから俺たちは過去と決別し、自分たちの道を歩いていこうとしている。すでに決着のついた話を蒸し返そうとする、往生際の悪い貴様の考えが俺には分からん。
崇秀
 行きましょう、兄さん、時間の無駄です。修業をしていたほうがよほど有意義ですよ。
崇雷
 ああ。
ロック
 …………。……くそっ! 俺の気持ちがおまえらに、おまえらなんかに分かってたまるかよ‼

 達観した14歳に論破(?)されて悔しがるロック・ハワード17歳。そんなヘソチラ少年を捜しているみなのんたちにも、最近のヒーロー活動に何やら思うところがあるらしい。

トリ
 ……なあ、礼司。俺様たちよー、最近あんまり怪人と戦ってねーよな。
イケメン
 学園にいる格闘家や侍たちが、地元の治安維持に協力してくれているからな。
みなのん
 そうだね。僕たちは、場合によっては地方にも出動しなきゃいけないし、
みなのん いざという時にはホントに心強いよ。……一部、非協力的な人もいるけど。
ギャル
 どしたん? まさかそれが不満とか? そりゃゼイタクってもんじゃね?
トリ
 いや、不満てワケじゃねーんだけどよー、さほど怪人と戦ってる覚えがねーのに、なぜだか怪人を倒してくれて助かったって、そういう報告が学園に来てるらしくてな。
ウサタロー
 そういやキムたちがそんなようなことをいってた気がするぜー!
エコ
 酉原くん、本当に身に覚えがないの?
トリ
 ああ。……そもそも報告によると、俺様がひとりで現場に現れたってんだぜ?
エコ
 それは確かにちょっとヘンかも……。わたしたち、いつも複数で出動だもんね?
トリ
 だろ? しかもそのエンゲルマスクは、コスチュームが真っ赤らしーんだよ。
みなのん
 ま、まさか酉原くん、僕らに内緒で超変身をマスターしたんじゃ――?
トリ
 してねーよ! してたら真っ先におまえらに自慢するぜ、俺様は!
イケメン
 じゃあいったい何なんだ、その真っ赤なエンゲルマスクというのは?
トリ
 これがプロレスなら、俺様のライバルがよく似たマスクをかぶって登場! ……って展開もあるんだが、まさかホントに俺様の偽物が現れたのか? 偽物が出てくるようになったとは、俺様もメジャーになったもんだぜ。

 その時やたらと都合よく、赤いエンゲルマスクの目撃報告が入る。現場へ駆けつけたみなのんたちが見たのは、タコヤキ怪人たちをちぎっては投げちぎっては投げする大男であった。

エコ
 見て、ほら! あそこにいる人!
みなのん
 ああっ!? ほ、本当にいたよ! この人、確かに赤い酉原くんて感じだ!
グリフォンマスク
 む? そこのボーイズ&ガールズ、この私に何か用かな?
トリ
 アンタか……最近このへんをうろついてる俺様の偽物ってーのはよ?
イケメン
 ……酉原もデカいが、この男もデカいな。おまけにコスチュームも似ている。
ギャル
 細かく見るとわりと違うじゃん。全体的に赤いほうがシャープじゃね?
みなのん
 それに、こっちの赤い人のほうが、酉原くんより3倍くらい速そうだよ。……何となくだけど。
トリ
 確かに、タフさとパワーを兼ね備えたなかなかの大胸筋じゃねーか……。
グリフォンマスク
 ユーも見事なカラダをしているな! 見せかけだけではない実戦向きの腹斜筋だ!
トリ
 だがよー、それほどの筋肉を持つアンタが、何だって俺様の偽物なんかしてやがる?
グリフォンマスク
 別に私はユーの真似などしていないぞ。むしろユーが私のフォロワーなのでは? 私の名はグリフォンマスク! 子供たちのため、戦い続ける正義の使徒だ!
エコ
 グリフォンマスク……? じゃあ、酉原くんに似てるのは偶然てこと?
トリ
 なるほどな……アンタが何者なのかは何となく分かった気がするぜ。
みなのん
 え!? 何も分かってないよ、ぜんぜん! 第一マスクしてて顔も分からないし……。
トリ
 いーんだよ、祐樹。マスクマンにマスクを脱いで素性を明かせとはいえねー。……そもそもこの男がどういう人間かは、ひと当たりしてみりゃあ分かるだろーが。
ギャル
 ……結局こうなるわけ? 事情説明して、フツーに学園に来てもらえばいいのに……。
グリフォンマスク
 いいだろう、全力でかかってきたまえ! この胸に闘魂あるかぎり、私は負けない!

 酉原くんお得意の筋肉構文が炸裂! 待て、次回!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?