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自分が満足する「水曜どうでしょう」をつくるために。会社でしたこと考えたこと。

水曜どうでしょうディレクターの嬉野でございます。
『Wednesday Style』4月号のコラムをお届けします。
テーマは「『サラリーマン』ってなんなんだ」です。

「自分との闘い」を邪魔するものは、何人たりとも切り捨て御免

会社という組織の中にあっても、個人にできることは「自分との闘い」以外にありません。

自分にできることをしっかりと見つめ、自分がよい働きをするための方策を真剣に考える。集中力をもって自分との闘いに邁進する。自分でコントロールできるのは、そこまでです。上司や他人から下される評価は、(好むと好まざるとに関わらず)自分との闘いの結果でしかない。自分とは関係のないところにあるもののはずです。

まず、そのことを忘れてはならない。と、ヒラサラリーマンである私は、今、そんなふうに強く思っています。

『水曜どうでしょう』を毎週水曜日にレギュラー放送していた6年間。
ぼくたちは、「自分たちが盛り上がってワクワクする気持ち」を維持するために闘っていたように思います。「全国で通用する番組を!」という気概はもちろんありました。しかし、「東京に負けない」というのは気概であり、それだけでは恒常的な目標とはなりえません。

何より大切なことは「自分たちがワクワクしながら盛り上がっている」という精神状態を組織の中にあっても自分たちに課し続けることであるはずなのです。それを邪魔する奴らがいたら上司であろうと得意先であろうと斬り捨て御免。「このお列をどなたのお行列と心得る!そこ退け!道を開けよ!」的なね。気分は問答無用の大名行列です。抜刀。露払いです。

たとえ他人に勝つことを目的としたところで、具体的なメニューとなれば、まずは「自分との、自分たちとの闘い」に邁進することになるはずです。もし、それを邪魔しようとするものが現れたならば、社内だろうが上司だろうが、切り捨て御免。躊躇はない。物事はそういう順番です。そこを勘違いしてはなりません。

「水曜どうでしょう」を支えた、100%締め切りを守れるスケジュール

たとえばレギュラー放送をしていた頃、いつからか私は3ヶ月先までの作業を見通した綿密なスケジュールを立てるようになりました。自分たちが満足いく水準と形で「水曜どうでしょう」を出荷し続けるために、3ヶ月編集スケジュールは絶対に必要なものだという意識があったのだと思います。

私のつくるスケジュールは、人間工学に基づいていますから風邪を引こうが、たまにやる気をなくそうが、不意に釣りに行きたくなって行ってしまおうが人体の変調はあらかじめ織り込み済みですから、このスケジュールに沿って作業をしていれば想定した締め切りに編集が上がらないということがない。

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