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「それ」を省略してはならない

これは2016年7月27日の私のブログのリライトです。

赤い口紅が欲しいなぁなんて思って、今流行りのインスタ検索なんてものをやってみた。
そうしたら、「今日は〇〇メイクをやってみた」という投稿が。
私も買った美容雑誌に載っていたメイクだったのだけれど、本当にそのまんまだった。
雑誌に載っているメイクをそのままやる人って本当にいるんだなぁという驚きもさることながら、その再現度の高さに驚いた。
コメントを見なくても、雑誌に載っていたメイクだってわかったほど、ポイントを押さえて完全再現していた。

その時ふと思い出したのが、母が言っていた言葉。
「トルソー買いする時は、アクセサリーも全部買わないといけないんだよ」。

私は洋服をトルソー買いしたことがない。
前職場でトルソー買いしかしないという人がいて、トルソー買いする人って普通に実在するんだなぁと驚いたことがある。
ちなみにその人は、アクセサリーも全部買っていた。
いつもオシャレで可愛くて素敵だったその人は「私がセンス良いんじゃなくって、トルソーに服を選んだ店員さんの完全再現なだけなの」と笑っていたけれど、完全再現だということが大切だったのだ。

雑誌に載っているメイクしかり、店頭のトルソーしかり、それはプロが細部にまでこだわったコーディネートだ。
さらに何かを足すことも引くこともできたけれど、それをせず完成させたもの。
だから、メイクだったらチークはその色でその入れ方でなければいけないし、トルソーだったらそのネックレスでなければいけない。
「ピンクのチークないからオレンジでいいや」とか「服だけ買って、アクセサリーは付けなくてもいいや」ではダメなのだ。
だって、プロと素人の差は、その省略したり変更したりしたくなってしまう部分なのだから。

もちろん、何度も再現を経験するうちに、代替可能なポイントは分かってくる。
自分流のアレンジは、それからにしなくてはならない。
「同じピンクのチークでも、自分には黄みよりのこっちの色の方が似合うな」とか「ネックレスは前から持っているこれでも合うし、こっちの方が好きだな」とかがわかってくる。
「これでいいや」ではなく「これがいい」になる。

さて、私も真面目に化粧をしようと、インスタグラムで見たのと同じ、雑誌に載っていたメイクをしてみた。
自分と母とが持っているアイシャドウやチークを総動員して、雑誌使用色に近い色を選び、塗り方にそって塗ってみた。
何一つ省略せず、雑誌通りに丁寧に。

果たして。

私もその顔になった。
雑誌でメイクを提案しているメイクアップアーティストさんはすごいなぁ。
素人でも再現できるように、そしてある程度どんな顔でもそれっぽくなるように提案してくれてるんだもんなぁ。

うぅん、今っぽい顔だ…と満足しながら、歯医者へ。
だって、今日の予定は歯医者しかなかったんだもん。

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