私は母を介護し、母は祖母を介護した

振替休日の朝、叔父が帰る前に、近所をドライブした。運転しながら、昔とはすっかり変わってしまった風景、まだ面影が残る風景に、感慨深げな表情を見せた。そして、別れ際「お互い頑張ってこうな」と言って、私と握手した。

昨夜は、母が保管していた昔の写真を叔父と見ながら、家系図を書いて、家族の物語をたくさん聞いた。中でもやはり、私が生まれるずっと前に亡くなっていた祖母と、当時の母のことが気になった。

祖母は、43歳の若さで脳溢血で亡くなったが、その時、母は20歳だったということは、母から何度か聞いていた。叔父の話では、祖母はそれまでに2回も倒れていたそう。3回目にとうとう起き上がれなくなり、母が介護をしていたという。写真の間に、母が書いた古いメモ書きがあり、そこには祖母が亡くなった日が4月22日とあり、火葬日は4月25日とあった。

つまり母は、私が母を介護していたように、50年前の4月、私の祖母である母のお母さんを介護していた。でも母は、自分のお母さんと20年しか一緒にいられず、介護期間も短くて、私よりももっと辛かったのではないかと思う。さみしかっただろうな…。

母は、私が子どものころから、何かあるとお母さんの夢を見ていた記憶がある。そして、癌で治療が始まってからは、お母さんの夢を見た、と聞くことが特に多かった。祖母は、母を心配していたのだろう。

母が、ずっと会いたかったお母さんと、今やっとまたあちらの世界で一緒にいると思うと、それはなんだか嬉しい。ママよかったね。私が死ぬ時はちゃんと迎えに来てね。



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