母が旅立ってから、ひと月

日本時間の今日で、母が旅立ってからひと月になる。数日前にアメリカへ戻ってきてから、ひどい時差ボケで、とにかく眠い。起きると悲しくなり、泣いて、また寝るの繰り返し。起きていると悲しくなるので、できればしばらく寝ていたいと思ってしまう。夜中に突然、涙が止まらなくなったり、朝は朝で、起き上がれない日もあった。

旦那は、私が帰ってきたことで、とても嬉しそうで、でも悲しむ私の様子をそっと見守ってくれていて、涙が止まらない時は、抱きしめてくれる。そして、「今きみは、心が傷ついて、ケガをしている状態と同じなんだよ。だから無理をして大丈夫なフリをしなくていい」と言ってくれた。旦那がいなかったら…、私はどうなっていただろう。

母には今まで、一日に2回、日本時間の朝と午後に電話をしていた。体調が良かった日は、明るい声で「もしもしー」と出て、すぐにその日の東京の天気を教えてくれていた。母が教えてくれなくても、iPhone で東京の天気は常にチェックしていたけど、母が「今日はいい天気」「今日は雨がじゃんじゃんぶりだよ」と報告してくれるのを遮ることはしなかった。

子どものころ、母は私によく絵本を読んでくれたのだけど、天気を表現する時の母の口調は、絵本を読む時の口調と同じだった。

ずっと長いことしていた母との習慣ができなくなり、母がこの世にいないことを再認識する。

そしてまた、なんでママが?という答えの出ない疑問が頭に浮かんだり、何ごともなく動いている周囲や、無神経な同僚や友人に怒りを覚える。

今日、久しぶりに会った一緒に仕事をしている友人も、母のことには何も触れず、開口一番、風邪引いてる?とすっとんきょうな質問をしてきた。さらに別れ際に、49日終わるまでちょっとまだ落ちつかないから…と伝えたら、あー、大丈夫です、とだけ。ビジネス上の付き合いとして、分けて考えなければいけないのか、自問自答している。

時間が経つと、こんな感情もなくなるのかもしれないけど。

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