せん妄が始まる

自宅での介護が始まってから1週間して、母は痛みが強くなり、2週間して、さらに痛みが強く、ほぼ1時間おきにオキノーム散を飲ませないといけない状態になってしまった。

見ているのも辛くて、母と二人、夜も眠れない日が2-3日続いたため、訪問医が、朝夕のベースの痛み止め、オキシコドンを増やした。さらに、リリカも1日1錠から2錠に。

おかげで、痛みを訴えることが減り、少しほっとしたのだけど、ほぼ1日中眠っていて、ご飯の時間に起こすと、目は開けて、食事をしてもまだ夢の中にいるようで、不思議なことを言うようになった。

この前は、お昼を食べて、薬を飲ませた後に、リンゴ食べる?ときくと、「ちょっと待って、今おじいさんがロマンを語っているの。すごいいい話だから…」と言う。

その次の日は、「かあちゃん、にいちゃん、ねぇちゃん、ありがとう、ありがとう」と、何度も言いながら眠った。

起きてしばらくすると、少し正気に戻ることもあるけど、ほとんどの場合、その前に眠ってしまう。

2月は、まだ会話ができていたし、ある日、病院のベッドで母はふと、「何も話さなくてもいいんだよね、家族は、一緒にいるだけで」とつぶやいた母の声が、すでに懐かしいし、遠く昔のようにも感じる。

アメリカにいても、過去6年間は、毎日母に電話をしてきた。病気をしてからは、一日に2回かけていたし、時々FaceTimeもした。

たくさん話してきたつもりなのに、今こうして会話が少なくなると、もっと話しておけばよかったと思う。

訪問医に、母の言動がおかしくなってきたと伝えると、すでに亡くなっている家族が見えたり、話しかけていたりすることがよくあるけど、本人が不安に思っていたりしなければ、大丈夫。話を合わせてあげてください、と言われた。簡単に言われても、突然そんなことになって、話を合わせるどころか、戸惑うし、やっぱり何度も、しっかりして!と言ってしまいたくなった。

私が慣れないといけない。

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ひとりっ子

海外在住ひとりっ子 母の介護

40代ひとりっ子の介護日記です。子宮頸癌末期の母を、ひとり自宅で介護しています。毎日、母の激しい痛みと戦っています。
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