母がいない母の日

私の父は、15年前の5月に亡くなった。6月になり、父がいない父の日を迎え、自分だけが父親がいない子どもになったかのように、悲しかったことを覚えている。

そして母も、4月に亡くなり、今日、母がいない母の日を迎えた。母を介護していた時に、せめてもう少しだけ、ゴールデンウィークまで、いや母の日まで生きていてくれたら…と、願っていた。でもそれは、自分のことしか考えない自分勝手な願いだったかもしれない。

今ごろ母は祖母と、あちらで久しぶりに、母の日を過ごせているといいな。

旦那はアメリカで、1日早い母の日を、いつものように義兄の家でディナーをすることになり、出かけて行った。もし母が生きていたら、アメリカと日本でFaceTime をして、母と義母の顔を見せて、会話しただろうと思うが、母が亡くなり、旦那は気を使って、義兄の家から私にFaceTimeをしてこなかった。

旦那のお父さんは9年前、6月の父の日の直前に亡くなった。その時の父の日、そしてその年のサンクスギビング、クリスマスも、ひとりでとても辛かったと言っていた。だから、母がいない母の日を迎えた私の気持ちを、よく理解してくれている。私にとっては、とてもありがたい。

母が亡くなった4月末から、一歩外に出ると、母の日の告知ばかり、テレビを付けてもたたみかけるように母の日特集。Facebook ではアメリカの友人はみんなお母さんの写真を投稿する。あまり見ないように、そして、一瞬呼吸を止める。そうすることで、その瞬間は何も感じず、悲しくならずにすむような気がした。

世の中には、私と同じようにお母さんを亡くした人、生まれた時からお母さんがいない人、お母さんになれたのに子どもが先に亡くなってしまった人もいだろう。人の悲しみにレベルのつけようはないが、私よりもっと、悲しみにうちひしがれている人もいるかもしれない。

どうか、少しでも、心が癒えますように。

そして、世界中のお母さんに、Happy Mother’s Day.

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