死亡後の手続きに走り回る

連休が明けてから、母の銀行、年金などへの死亡による相続手続きと、私にとっては、日本の住所がなくなるため、自分の分の変更手続きもあって走り回っていた。

銀行は、相続する私が海外在住であることを伝えると、どの銀行も
「上のものに確認いたします」
となる。

通常なら、印鑑証明書を提出するが、住民票から抜けた時点で印鑑証明書は消滅しているから提出できないからだ。代わりに提出するものとして、サイン証明書ということだった。これは、アメリカへ戻ってから手に入れなくてはいけないが、母が生きている時から空にして使用していなかった銀行などは、パスポートでも可能だと言われた。

年金は、在留証明書がいるため、これはやはり、アメリカへ戻ってから、日本領事館で発行してもらわなくてはいけない。

そして、銀行も年金も、戸籍謄本が必要なため、区役所にも出向いた。今月に入って2度目の区役所。というのも、5月1日にも区役所へ行ったのだが、住民課がものすごい混雑で、その後に予定を入れていたため、諦めて出てきてしまったからだ。あの日は休みだった人が多かったからだろう。

なんだかんだ、銀行も2回出向いたところもあり、アメリカへ帰国までに間に合うか不安になったが、ひとまず落ち着いた。

役所関係は、対応者の当たりはずれがあり、はずれにあたると、酷い目に合う。アメリカの公的機関の対応の酷さは有名だが、日本もあまり変わらないなと思った。やれやれ。

そんなことをしている間に、母の遺骨を、業者に依頼して、粉骨にしてもらった。今まで母に託していた父の遺骨もアメリカに持って行かなくてはいけないため、一緒にお願いした。

母も父も粉になって、業者が郵送してくれた書類には、重さが書いてあり、母は1.4kgほど。

「人間、最期はみんな2kg以内になるのね」

と、水溶性の紙袋に入った母の粉骨を持ち上げながら、母の友人がそう言っていた。



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